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トングが聖剣?使わないけど〜最強女勇者はイケメン達に守られていたいんです〜  作者: 黒砂 無糖
勇者見参

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13/201

ミイラ取りがミイラになる

見つけてくれてありがとうございます。

更新は不定期になります。出来る時に頑張ります

「ソージュさん、私に何か用事があったのでは無いですか?一緒に栗を剥いていても大丈夫?」 

 勢いでお願いしちゃったけどよかったのかな?


「ん?ああ!そうだった」

 ソージュさんは、何か忘れていたようだ。


「ソージュ、いつまで待たせるんだ。しかも何で厨房に?っとチャコちゃんじゃないか、ソージュもコッホも皆で何してるんだ?」


 エストラゴンさんがコッホの手元をのぞき込む。


「栗の皮をむいているんです。沢山あるので一緒にやりますか?」


 本来栗の外皮は固く鬼皮と呼ばれる。沢山剝いたら大変痛くなる。でも、転移のスキルのせいなのか?それとも、栗が変質したのかは不明だけど、剥きやすい。


 スルスル剝けるから楽しい。


「俺がやったら多分潰すぞ?木っ端みじんなら得意だが」

 エストラゴンの手を見る。納得だ。栗がどんぐりサイズに見える。


「やめておいてください、栗が可哀そうです」


 ——潰すなんて勿体ない


 エストラゴンは残念そうに、手の中の栗を見ている。すると何か思い出したのか


「そうだった、ソージュ!ナッツだ!チャコちゃんナッツは、全部料理してしまったかい?取ったままのやつが欲しかったんだが」


 ソージュさんがしまった!という顔をしている。


「生の栗ですか?全部茹でたけど…」

 何か問題でもあったかな?


「ああ、もっと早く伝えるべきだったか!」

 何?こっちの栗には毒でもあったの?


「あの…」

 慌てている二人を見て、どうしたらいいか分からず、声をかけるも……


「今から探しに行くか?いや場所が分からんな。ソージュどうする?」

 勝手に話が進んでいる。毒ではなさそうだけど、何か大事なことなのかな?


「明日にでもチャコを連れて行って、木の場所を教えて貰おうか?」

 そんなの……分からないよ!


「ちょっと!聞いて!傷があっても良ければ、籠の中に幾つか除けたのがあるの。それでも良ければ使ってください!」

 そう伝えると、二人とも慌てて籠の中を見に行った。


「「これ、貰てもいいか?」」

 声をそろえるほど、そんなに生の栗が欲しいのかな?


「それはもう要らないので、少ないですがどうぞ?先程から、生の栗に何かあるんですか?」

 茹でたらだめだったのかな?


「ソージュ隊長、エスさん一人だけほっとくなんてひどくないですか?」


 あ、ぺリルさんだ!完全に皆忘れてるとおもうよ。


「中々戻って来ないから待ちくたびれましたよ。揃いも揃って何してるんですか。ソージュ隊長はチャコちゃん呼びに行って戻らなくて、エスさんもソージュ隊長見に行くって言ったきり戻らなくて。ここで何してるんですか?」


 うわぁ……ミイラ取りがミイラになるだわ


「済まない、チャコと一緒にナッツを剥いていたら楽しくなって来て忘れてた」

 なに?イケメンの言い訳が可愛いだと?


「いや、皆が真剣になってて次々に剥かれるのが見ていて気持ち良くてな、つい……」

 こっちもだったのか!


「隊長、副隊長2人揃って…で?加工前のナッツは貰えましたか?」


 ぺリルさんは、呆れながら二人に声をかけた。


「「貰えたぞ!」」


小さな子供のお使いじゃ無いんだから……必死になって栗を見せなくても良いのでは無いかしら?






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