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人族と魔人

人族と関係を持つようになったイヴリス達魔人は最初こそグイグイとくる人族との距離感に戸惑っていたが、毎回魔人の村では見かけない物珍しい物や食べ物を持ってきてはそれを譲ってくれたりとしていくうちに次第と良好な関係が築かれていった

そんな光景を見ていたイヴリスは人間の国に興味が湧いてきていた



『ねぇねぇお母さん!私人間の国に行ってみたい!』


『うーん・・・行かせてあげたいのは山々だけど人間の国はここから遠いからイヴリスを連れていくにはちょっと難しいのよ』


『えー?つまんなーい!人間の子とも遊んでみたいー!』



村から人間が住んでいる場所まではかなり距離があり、村にやって来るのは人族の大人ばかりで子供が来ることはない

自分と同年代の人族の子供と仲良くなりたかったイヴリスはこのような問答をすることが増えていっていた

そんなある日、イヴリスの父親が族長と他の村人数人と共に招待されて人間の国へと行くことになった



『暫く人間の国に行くことになったから2人共母さんといい子にしてるんだぞ』


『えーいいなー!お父さんだけズルい!』


『僕達も連れてってよー!』


『こらっ、お父さん達は遊びに行くんじゃないのよ。我慢しなさい』



母親に止められたイヴリス達は落ち込み肩を落とす

そこへ父親がやって来て慰めてくる



『帰ってきたらあっちの珍しいお土産とか色んな話を聞かせてあげるから。な?』


『・・・約束だよ?』


『あぁ約束だ。だからそれまで母さんと家を守ってくれ』


『分かった!ちゃんとお家でお留守番してるから早く帰ってきてね!』



イヴリス達とそう約束した父親は迎えにやって来た人間達に連れられ他の者達と人間の国へと旅立っていった

村から人間の国まではおよそ一週間、滞在期間と帰りの日数を計算して大体一ヶ月弱の長旅となる

これまで長期間父親と離れたことがなかったイヴリスは頼もしい父がいないことに心細さを感じたが、出かける前にした約束を果たそうと頑張った



『あ~あ、やっぱり僕も行きたかったなぁ』


『口よりも手を動かしてよ※※※※。早く集めた薪を家に持っていかないとお母さんが夕飯作れないでしょ』


『ねぇねぇ、人間の国ってどんな感じなのかな』


『話聞いてる?・・・ん~っと確かこの村に来た人間が話してたのを聞いた時は族長の家よりもずっと大きい空に届きそうなお城っていうお家があるって言ってたよ』



父親はそこに住む王族という人間の中で一番偉い存在に招待されている

人間の中ではその場所に招待されるということはとても名誉なことらしいと村の住民は話していた



『へぇ~・・・そんなおっきなお家魔法でも作れるかな』


『さぁ?なんかけんちくぎじゅつ?とかいうのを使って建てるみたいよ』


『それって魔法よりも凄いの?ねぇねぇ』


『あ~もううるさいなぁ!そんな事ばかり聞かれたら私も行きたくなっちゃうじゃん!お母さんに聞いてみればいいでしょ!』



弟も人間に興味津々でしつこく聞いてくる。その度に行きたくなる欲求を堪えるイヴリス

そんな感じの日々が一日、また一日と過ぎていくと父親達が人間の国から帰ってくる日が近づいてきた

しかしいくら待っても帰って来る気配はなく、一月以上が経っても父親達が村に帰って来ることはなかった



『ねぇ、お父さん達まだ帰って来ないの?』


『そうねぇ、お父さん達も忙しいんじゃないかしら』


『お土産楽しみにしてるのに・・・・』


『きっと待った分たくさん持って帰って来てくれるわよ』



今まで大人しく帰りを待っていたイヴリスだが、流石に我慢し続けるのも辛くなってきた

そんな話を母と弟3人で話していると、突然家の外が騒がしくなる

何があったのかと外に出てみるとなんと村に火の手が上がっていた



『早く消火を!』



火事に気づいた村の者達が一斉に水の魔法を使って消火を始めようとする

たが次の瞬間、魔法を発動しようとしていた村人達が突如背後から攻撃をくらう



『ぐふっ・・・』



心臓を鋭い刃で一突き。しかし魔人は心臓を奪われても一定の時間は動く事ができる

すかさず背後から襲ってきた者に反撃を試みるが、背後にいたのは1人だけではなかった

茂みの中には何十、いや何百という敵が潜んでいた

相手は反撃すらさせまいといくつもの刃で魔人を突き刺した

その時の反動で姿を隠していたローブがめくれ、襲撃犯の正体が明らかとなる



『ど、どうして・・・』



命尽きる前に村人は自分を殺しにきた者の正体を見て愕然とした

攻撃を仕掛けてきたのは以前から何度もこの村に来てよく話していた人間の男だった

男は村人の問いに答えることもなく突き刺した剣を引き抜き、そのまま村人の首を刎ねた

その光景を見て村人はただただ混乱するばかり

正気に戻り逃げようとした頃にはもう既に村が人間達によって包囲されてしまっていた



『殺せ。一匹たりとも逃がすなよ』



男の指示により武装した人間達が一斉に向かってくる

そこから今まで味わったことのない地獄のような時間がイヴリス達を襲うこととなった



読んでいただきありがとうございました!

「よかった」「続きが気になる」など少しでも気に入ってくれていただけたら幸いです

次回は金曜日20時に投稿予定です。よろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 日本語文法がわかりやすく、とても勉強になります。 キャラが個性的(๑>◡<๑)でとても読みがいがあります [気になる点] イブリスがとても可哀想でした(◞‸◟) なんとかしてくださいΣ(…
2023/09/15 19:01 空前絶後の神様こと猫又
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