戦闘勃発
遂にイヴリスの居場所を突き止めやって来たマリア、2人は話をする為に村から数キロ離れた場所へと移動した
「さて、まずは何から話すか」
「そんなの決まってるでしょ、どうして魔王国を抜け出してこんなよく分からない人間の村なんかにいるのよ」
「まぁそれは色々あってだな・・・」
「それに王都では勇者を助けたそうじゃない。もう意味が分からないんだけど!」
今まで溜まっていたもの吐き出すかのように喋り続けるマリア。それを聞きに徹して発散させようとするイヴリス
「何か不満があったなら言ってくれれば改善したのに何も言わずに消えるなんて酷いじゃない」
「いや、別に魔王国に不満があったわけじゃない。いや不満がないのが不満というか・・・」
「どういう意味?」
「あれはお前が築き上げてきた国で私の国じゃあない。与えられたものじゃ満たされないんだよ」
「何よそれ・・・私はイヴリスが少しでも居心地よく過ごせるようにと思って頑張ったのに・・・イヴリスがいないんじゃ私があそこを守る意味がないじゃない」
「別に私が居なくてもお前達だけで上手くやっていけてるんだからいいじゃないか」
魔王国には自分は必要ない。そういった意味に捉えることができる発言するイヴリスを見たマリアは途端に涙目になり騒ぎ始めた
「イヴリスがいないと意味ないのよ!」
「そう言われてもな・・・悪いが私が望んでいるものとは違っていたんだと思うぞ。私は別に国を築きたかったわけじゃないし、仮にやるならもっと自分の力で築きたかったしな。私は人の築いた城でふんぞり返る趣味はないんだ」
「だからってどうして人間なんかの小さな村なのよ」
「私が魔王国を出て始めの頃この村の人間に助けてもらったからその流れでな」
「けど正体は明かしていないんでしょ?そんな半端な関係じゃすぐ壊れちゃうわよ。人間なんて100年かそこらしか生きないし自分の利益の為なら平気で仲間を裏切るんだから」
マリアの言っていることはイヴリスにも理解できる
イヴリス達のような亜人と違い人間は弱く寿命は短い。しかし数だけでいえば亜人よりも遥かに多い、それは単に繁殖力が高いというのもあるが自分達が生き残る為なら手段を選ばない生物だったからである
大勢を助ける為なら少数を切り捨てる非常さを持ち、マリアの言うように己の利益の為になるなら時に家族すら売る人間がいる。そういった人間をイヴリスも何度も見てきた
それでもこの村で生活をしていたのはイヴリスが人間にも負の面だけではないということを知っているから。しかしそれを伝えたところで今のマリアには納得してもらえることはないだろう
イヴリスが黙っているとマリアは人間の話をしてアリシアの事を思い出したのか勇者の話題に切り替えた
「まぁいいわ、そういえばあの勇者はどうしているの?わざわざ助けたっていうことは勇者もこの村にいるんでしょう?」
「あぁ、今はちょっと訳あっていないが普段は私の家で共に生活しているぞ」
「イヴリスと一つ屋根の下で!?どうしてそうなるのよ!」
「いや最初は私を監視するとかの理由だったが今は協力関係にあってだな。これにも色々と事情があっるんだが・・・・」
イヴリスはマリアにもアリシアの事情を説明して今は勇者という称号は剥奪されてイヴリスと共に指名手配されている身だということを伝えた
しかしアリシアと共に生活をしていると聞かされた時からマリアの様子が変わっていった。マリアは肩を震わせ今まで以上に感情を昂ぶらせている
「なんでそんな羨ましい展開に・・・・許せないわ」
「えっ?なんだって?」
「ねぇ、どうしても魔王国には戻って来ないの?」
「あ?あ、あぁ。戻るつもりはないな」
「そう・・・どうしても魔王国に戻ってこないというんなら強引にでも連れていくしかないわよね」
「・・・・ほぉ?」
イヴリスを力ずくで魔王国へと連れ戻そうとするマリアの言葉を聞くとイヴリスの周囲の空気が一変する
樹々に止まっていた鳥達がそれをいち早く察知する。同様に感じ取ったルインが2人の間に割って入る
「2人共喧嘩はダメだよ~・・・」
「下がっていろルイン、ちょっと分からせてやるだけだ」
「望むところよ、私だって遊んでいたわけじゃないんだからね。痛い目を見るのはそっちになるってことを教えてあげるわ」
「面白い、最近は手加減ばかりで体が鈍っていたからな」
ルインが止めようとするがこうなってしまった2人はもう誰にも止められない。イヴリス達は今よりも更に村から遠い場所へと移動、戦闘となると数キロ離れた程度では村に被害が及ぶ可能性がある
マリアもイヴリスを本気で怒らせるようなつもりはないのでその提案には了承してくれた
「こんな風にまともに戦うのはいつぶりだろうな。昔はよく私に喧嘩を売ってきてたのにな」
「子供扱いしないでもらえる?私だってもう大人よ」
「見た目は全く数百年位前から全然変わってないけどな」
「き、気にしていることを・・・・!もう本当に容赦しないんだからね!」
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