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秘密の部屋

セシルから得た情報を元にイヴリス達はフェリックスを探しに再び王城の散策に勤しんだ

しかしいくら探してもフェリックスと思われる人物は見当たらない。挙げ句闇雲に探していたせいでまた迷子になる始末



「また迷ってしまったぞ・・・なんでこんな無駄に広く作ってあるんだ全く」


「ルーもうお城の探検飽きたー」



もうかれこれ数十分は彷徨い続けている為ルインはもう飽きて帰りたくなってしまっている。かくいうイヴリスもそろそろ帰ろうかと考えていた

日も沈み外はすっかり暗くなっている。アリシア達は今頃特訓している最中だろうがこれ以上ここにいても目的の人物は見つからないような気がしている



「もう粗方探したと思うんだけどなぁ。また後日来るのも面倒だし・・・はぁ~あ!」



苛立ちも募り少し強めに壁を蹴ると、その壁に違和感がある事に気がついた。イヴリスは違和感を覚えた場所に手をおく、するとそこからごく僅かにだが魔力を感じた

上手く隠されていて多少ぶつかった程度では動かない仕組みになっているようだが、ここの壁だけ空洞になっているようだ

魔力を感じたので調べてみるとこの壁に魔力式の錠がされている。魔力の波長を合わせることで錠が開く仕様で、その作業には若干の繊細さが必要となる

壊してしまった方が手っ取り早いが騒ぎになったらまずいので仕方なしにと解錠の作業に移った。数分してようやく錠が解かれ壁を押してみると予想通り壁の奥は空洞になっていて、したへと続く階段が現れた



「なんだここは・・・?」


「なになにー?」


「おわっ!」



下の方を覗いていると後ろから勢いよく抱きついてきたルインに押される。それによってバランスを崩したイヴリスは十分な確認も出来ずに扉の奥へと進んでしまった

イヴリス達が扉の奥に入ると壁は自動的に閉まった



「っててて・・・全く、お前はもう少し考えて行動しろ」


「ごめーん」


「まぁいい・・・見た感じトラップというわけでもなさそうだしこのまま進んでみるか。灯火(トーチ)



暗闇で何も見えない場所に魔法で明かりを灯しイヴリス達は階段を下っていった

螺旋の階段で滅多に使われていないのか周りは埃だらけ、だが足元には真新しい何者かの足跡がある。足の大きさからして男、そしてどれも同じ足跡からして一人だと推測

暫く下っていくうちにぼんやりと明かりが見えてきた。イヴリスは灯火を消し明かりの方へと近づいていく

そこには城の地下にしてはかなり大きい広間があった。そしてその中心には先程の足跡の人物だと思われる男が一人立っていた



「あの男・・・間違いないな」



イヴリスは男の顔を見てルインと戦っていた男、間違いなくセシルが言っていたフェリックスだと判断

こんな場所で一人何をしているのかと様子を窺っているとフェリックスは地面に膝をつき何かをし始めた

明かりがあるとはいえ周りが暗すぎる為ハッキリとは見えない。もう少しだけ近寄って何をしているのかと覗いてみるとフェリックスは地面に大きな魔法陣を描いていた



(これは・・・大型の転移魔法陣か?)



イヴリスが使っている転移門は少人数用で一度に転移出来るのはいいとこ10人が限界。だがこのフェリックスが描いている魔法陣は一度に大勢を転移させることができるもの

だがこれだけ大きな転移魔法陣となると転移門のように自分の行きたい場所に行き来できるような自由なことはできない。この魔法陣で転移するにはこれと同等の魔法陣がもう一つ必要となる

目的地と到着地、二つの魔法陣がなくてはこの転移魔法は成立しないはず。そんな転移魔法陣を使って何をするのか、何処に転移しようとしているのか・・・それを聞き出す必要がある

背後から気づかれないよう近づこうとしたその時、一人のはずだったフェリックスが誰かと会話をし始めた



「えぇ・・・えぇ・・・はい、教えられた通り転移魔法陣の構築を進めています。完成させるには後三週間はかかるかと・・・えぇ、それまでにはこの王都の兵士をできるだけ減らしておきます。ではあまり姿が見えないと怪しまれるかもしれませんので」



どうやらフェリックスは念話(テレパシー)で外部の者と連絡を取っている様子、あの会話を傍受すればこの男の目的と繋がっている者の正体を明かすことができるかもしれない

イヴリスが念話を傍受して会話の盗聴を試みる。すると今まで念話の相手と話していたフェリックスが急に念話を中断して周囲を警戒し始めた



「誰だ!」



フェリックスは認識阻害をしているイヴリスの場所までは分かっていないようだが確実に気配を感じ取っている。ルインと戦っていた時といいこの男は想定しているよりも手強い相手かもしれない

そう考えたイヴリスはバレる前に確保しようと動く



「アース・バインド」


「・・・!」



突如地面から現れた拘束の魔法にフェリックスの反応は遅れイヴリスに捕らえられる。思っていたよりも簡単に捕まえることができて拍子抜け、イヴリスは認識阻害を解きフェリックスの前に現れた



「この感じ・・・まさかこんな所に忍び込んでいるとは思いもしなかった」


「お前がフェリックスだな、少しの間頭の中を覗かせてもらうぞ」


「それは困るな」



そう言うと拘束されている状態のフェリックスの体に異変が起き始める。体が粘液化してどんどん溶けていく。フェリックスだった体は次第に崩れていきアース・バインドの拘束から抜け出した



「今の感じはスライムみたいだったな。お前は人間じゃないのか?」


「それを明かす程お人好しじゃないさ。それにもうそう時間は残っていないと思うが?」



フェリックスが言い終わったと同時に外の方から鐘の音が鳴り響く。すると城内が慌ただしくなる

どうやら何らかの手口でフェリックスが城の兵士達を動かしたようだ



「ちっ、潮時か。今回のところは一旦帰ってやるが・・・次はないぞ」


「また会えるのを楽しみにしているよ」



それだけ言い残してイヴリス達は城を出て村へと帰還した




読んでいただきありがとうございました!

「よかった」「続きが気になる」など少しでも気に入ってくれていただけたら幸いです

次回は火曜日20時に投稿予定です。よろしくお願いします!

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