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大精霊対勇者

サラマンダーを見つけ力を貸してもらえるよう頼むもまともに話を聞いてくれずここから出ていくよう言われたアリシア達、しかしそう言われてこちらもおいそれと退くことはできない。一向に出ていこうとしないアリシアに対しサラマンダーも宣言通り強硬手段に出てくる。迫り来る相手にアリシアも迎え撃つ



「ウォーター・イラプション!」



大量の水が足元から噴射されサラマンダーに向けて放たれる。火属性の相手に水の魔法で攻撃するのは当然の選択、だがその攻撃はサラマンダーに当たることなく蒸発して消えてしまった

サラマンダーの纏う炎は相当なもので生半可な攻撃では届くことすら叶わない



「無駄だ、そんな軟弱な水魔法では吾輩の炎を突破することは出来んぞ」



アリシアが火の魔法以外に使えるのは水魔法と簡単な土魔法だけ。聖剣がない状態ではこれが現状限界、鉄の剣での攻撃もサラマンダーの硬い鱗の前では無に等しい

次の攻め手を考えている間にもサラマンダーは体に纏わせていた炎を自在に操って攻撃を繰り出してくる。攻防一体の炎を前にアリシアはそれを避けることしかできなかった



「どうした、さっきの威勢はハッタリか?逃げてばかりいるならさっさとここから立ち去れ小娘」



懸命に戦うアリシアの様子をイヴリス達はただ見守ることしか出来ない。ここに来るまでの間イヴリスやルインとの実戦を繰り返して以前よりも多少動きは良くなったがまだ付け焼き刃の段階、手を貸してやりたいところだがそうするとサラマンダーの力は得られないだろうしそんな事はアリシア本人が望んでいないだろう

そうしている内に数分も経たずアリシアの服は焼け、体には無数の火傷ができていく。このままでは一方的にやられて終わってしまうという状況の中、アリシアは諦めることなくどうにか攻撃を繰り出す



「ウォーターボール!」



アリシアは再び水魔法をサラマンダーに向けて放つ。しかしそれは初歩で学ぶような攻撃に適さない魔法、それを単発ではなく連射で撃っている。当然そのような攻撃は先程と同様サラマンダーに当たる前に全て蒸発してしまい、周囲は蒸気で視界が塞がれてしまった



「なんだその攻撃は?そんな腑抜けた攻撃をしたところで吾輩には無駄だと言っているだろう、いくらやっても結果は同じ・・・いない?」



サラマンダーが話していた相手は人の形をした土塊(つちくれ)、既にそこにアリシアの姿はなかった

アリシアが放った魔法はサラマンダーにダメージを与える為でなく自身の姿を隠す目的で使用したもの。それと同時に土魔法でダミーを作りサラマンダーの意識をそちらに向けさせ、自分はその隙に懐に潜り込んでいた



「ぐっ・・・!なんて熱・・・!」



サラマンダーの懐に入ったまではいいが凄まじい熱が襲いかかってくる。火魔法が得意なアリシアには若干の火耐性が備わっているが、サラマンダーの熱はそれを容易に突破してきて近寄るだけでも炎の熱で皮膚が焼けただれてしまう

それでもアリシアは動きを止めない。知ってか知らずかサラマンダーの弱点は唯一鱗がない腹の部分、そこへアリシアの突き立てた剣がサラマンダーに迫る・・・かに思われたが、アリシアの剣がサラマンダーに傷を与えることはなかった

サラマンダーも当然弱点の対策はしている。今まで鱗だけに纏わせていた炎を全身まで纏わせる、その強烈な熱によってゴルドが打ってくれた鉄の剣は跡形もなく溶けてしまった

アリシアだけはなんとか逃げ延びることはできたが重度の火傷を負いもう満身創痍の状態、意識を保っているだけでも十分凄いがこれだけの傷を負っていては最早戦闘の続行は不可能に近い



「いい加減分かったろう、貴様では吾輩を認めさせることな不可能だ」


「それでも・・・私は諦めるわけにはいかないんです」


「ある程度の経緯は把握している、だが理解はできないな。お前を捨てた相手にどうしてそこまでする」



サラマンダーの疑問も当然ともいえる。当然国の為に心血を注いできたにも関わらずあらぬ疑いをかけられて死刑寸前までいったのだから普通は国を見捨ててもおかしくはない。寧ろ復讐の為に力を貸してくれと言われた方がサラマンダーもまだ納得できたのだろう

今にも倒れそうな状態のアリシアは深呼吸をしてから口を開いた



「確かに・・・私を陥れた人達には憤りを感じます。ですが国民の皆さんは偽りの真実を教え込まれ惑わされているだけなんです。だから私が真実を明かし国を正す・・・そして全員が心の底から笑えるような国にする。だって一人より皆で笑えた方が幸せじゃないですか」


「随分と大層な願いだな。だがそれを叶えるには器が足りん。それにさっきので殆どの魔力が尽き武器も失ったようだしこれ以上続ければ貴様は確実に死ぬがそれでもまだやると?」


「貴方を認めさせるまでは・・・諦めません!」


「良かろう、ならば望み通り冥界へと連れて行ってやろう」



アリシアの覚悟を知ったサラマンダーは今までのはほんの小手調べと言わんばかりに魔力を解放、一層強力な炎でアリシアに引導を渡そうと攻撃を仕掛けてきた



「もうその辺で十分だろう」



サラマンダーが攻撃を繰り出そうとした瞬間にイヴリスが止めに入ったことで攻撃が中断される。既にアリシアの意識は無くなっていて、イヴリスが割って入ったところで倒れそうになったのでルインがそれを背中で受け止めた



「ふんっ、軟弱なやつめ」



結局サラマンダーに一矢報いることも叶わなかった。それでも相手にアリシアの想いは伝わったはず、イヴリス達はアリシアが意識を取り戻すまで待ち続けた




読んでいただきありがとうございました!

「よかった」「続きが気になる」など少しでも気に入ってくれていただけたら幸いです

次回は火曜日20時に投稿予定です。よろしくお願いします!

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