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振り回されるマリア

勇者軍が撤退していき魔王国には静寂が訪れた。一方戦の最中にイヴリスの痕跡が見つかったとの報告がありその場所に直々に赴いていたマリアは城に帰還してくると見るからに不機嫌な様子で、今にも床が突き抜けそうな程の足音を立てて歩いていた



「騙されたわ・・・まさかこんな幼稚な罠に引っかかるなんて!」



配下の言う通りイヴリスの物と思われる痕跡は確かにあった。しかしそれは当日イヴリスが着ていた服とは異なる布の切れ端であったことが一目見て分かった

それを見た瞬間、これが何者かによる陽動だと見抜いたマリアは急いで城へと帰還し今に至る

冷静さを失っていたマリアは罠にまんまと引っかかってしまっていたが、この罠を仕掛けたのが誰かおおよその検討はついていた



「ルイン!どこにいるのルイン!」



城中に響き渡る程の声量でマリアはルインを呼びつける。普段であれば呼ぶとすぐに駆けつけて来るはずのルインがこの日はいくら呼んでも全く現れる気配がなかった



「やっぱり・・・ルインの仕業ね!私の気を逸らしているうちにイヴリスの元に向かったんだわ」



思えばここ数日ルインの姿を見ていなかった事に今更ながらに気づいたマリア、イヴリスの捜索に加え勇者軍が攻め込んできたことで一時的にルインの事を放置してしまっていた

ルインはイヴリスと契約をしていて主の居場所を特定することが出来ることを今になって思い出したマリアはもっと早く気づいていればと己の不甲斐なさを恥じ頭を抱える



(落ち着くのよマリア、焦っては余計イヴリスの発見が遅れてしまう)



過ぎた事を悔やんでも仕方ないと一度大きく深呼吸、報告では勇者軍はかなりの痛手を負い次攻め込んでくるまでには暫くかかるだろうとのこと。その間にマリアは次なるアクションを起こすことにした



「これ以上魔王国領を探してもイヴリスは見つからないわ、これからは人族の領土に切り替えることにしてあれを使いましょう」



今までは魔王国領内での捜索だったから配下を動かして大々的に捜索を行っていたが、人族の領土でそれをして人間に見つかってしまうと大騒ぎになってしまう為秘密裏に行う必要がある

そこでマリアが取り出したのは一つの手鏡、この手鏡は魔力を込めることによって自分が見たい場所を映し出すことができる。これと人間の領土の詳細が記されている地図を使って村や町を虱潰しに探していくことに



「ここにもいない・・・ここも・・・ここもダメね」



魔王国から近い場所から順に見ていき、イヴリスがいないことや変わった点がないことを確認すると次々と地図に印をつけていった

分かっていた事だが簡単にはイヴリスの居場所を掴む様なものは見つからない。中々情報を得られないことにやきもきしていると、ふと森の近くにある村に目が留まった



「この小さな村、地図には記されていないわね」



地図に描き忘れたのか新しく出来た村なのか、いずれにせよ確認の必要があると村を覗いていくとそこには人間の他にドワーフが1人、樹木精霊が1体、その他に魔獣が複数存在していた

他の村や町では見かけない種が多数いることに違和感を覚えたマリアはここを詳しく調査することに決めた



「シャドウ」


「お呼びでしょうかマリア様」



マリアの呼び声と同時にマリアの影から現れたのは影が実体化したような姿をしている"影人(シャドウマン)"。影や物陰に潜んで狩りを行う種族で今は魔王軍の諜報担当



「この村を隈なく調べてきて、少しでもイヴリスに関係する情報が得られたら報告を」


「畏まりました」



マリアの指示を受けるとシャドウは再び影の中へと沈んでいった。手鏡では映像だけで会話までは聞こえてこないのでそこから手がかりとなるものを入手できることを祈り、マリアは再び手鏡に目を向けた



「待ってなさい、地の果てまで追いかけてやるんだから」



マリアの手が着々とイヴリスの元へ近づこうとしている、これが数日前の出来事。当の本人であるイヴリスはマーガレットの屋敷の隣、リーブル商会の商品が保管してある倉庫の中にいた

ノーランドから指定していた商品の用意ができたということだったので赴いたのだが、そこには指定していた数を遥かに超える量の商品が置かれていた



「頼んでいた量より随分と多いな。もしかしてこれ全部貰っていいのか?」


「勿論ですよ、イヴさんには私だけでなく母まで助けてもらいましたから。それとあとこれもどうぞ」



マーガレットに手渡されたのは木札、その札にはリーブル商会と書かれていて焼印が押されていた。これが何に使えるのかと尋ねてみた



「これは町の通行許可証です。これを町に入る際門番に見せれば税が免除されます。それとここにリーブル商会と記されてますよね、これはリーブル商会がイヴさんの後ろ盾であることを意味しています。何かあった時はこれを見せれば私達がイヴさんを助けますので」


「それは助かるな、有難くもらっておくとしよう」



これで町に来る度にいちいち払わなくて済むと思うと非常に助かる。それに町一番の商会が後ろ盾になってくれるのは身分を証明出来ないイヴリスにとってとても頼れる味方

思わぬ報酬を手に入れたことで上機嫌になるイヴリス。しかしそれも束の間で悲報が届く

町の入口の方がヤケに騒がしくなり始め、何事かと思っていると通りすがりの人間の言葉でその原因が判明する



「おい、勇者達がこの町にやってきたそうだぞ」


「本当か!見に行ってみようぜ」


「へっ?勇者・・・?」




読んでいただきありがとうございました!

「よかった」「続きが気になる」など少しでも気に入ってくれていただけたら幸いです

次回は日曜日20時に投稿予定です。よろしくお願いします!

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