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第40章
「美絵子ちゃん・・・どうして・・・?」
痛みに耐えながら立ち上がった良作の目には、どんどん遠ざかっていく美絵子の前方に・・・そう、ちょうど「U川」に架かる橋のあたりに、美絵子同様、なつかしい人の姿が・・・。
「あ・・・鈴木先生!?」
(良作君・・・)
・・・良作の頭の中で、先生のあの優しい声がこだまする。
そして、美絵子は先生のところに・・・。
先生の表情は・・・どこかさびしそうだった。
先生と手をつないだ美絵子が、一度良作に悲しげな・・・そして先生同様、さびしげな顔を向け、二人はきびすを返すと、良作から、ゆっくりと静かに遠ざかっていった。
(良作君・・・良作君、ごめんね・・・本当に、ごめんね・・・私ね・・・)
呆然と立ち尽くす良作の頭の中に、またも先生の声のこだまが響く。
二人のさびしげな後ろ姿が、すーーーっと良作の視界から消えていく。
「・・・先生ぇ!! 美絵子ちゃーーーん!! ・・・どこへいくんだよぉ!? どうして・・・どうして・・・」
・・・彼が次に目覚めたとき・・・そこは、病室のベッドの中だった。




