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【旧版】うちのモフモフこそが最強!  作者: あきさけ
第9章 次なる街へ出発です!
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89.羽音の森林はかわいくないのです……

 さて、サーシャの案内でやってきました、【羽音の森林】。

 ダンジョンの入口らしく女神像もあるのは嬉しいですね。


「さて、ここからダンジョンに入るわけだけど、パーティの準備を整えましょう」

「そうですね。そうしましょう」


 ボクもサーシャも、ここまでパートナーと一緒に飛んできたので、パーティメンバーが揃っていないのです。

 必要な子たちを呼び出して準備完了ですね。


「さて、私はブレンだけ呼んだけど、盾は黒号で大丈夫よね?」

「大丈夫だと思うのです。さあ、早く行くのですよ」

「はいはい。お試しということで軽く一周してみましょうか」


 ダンジョン入口から、内部へと侵入、すると、いきなり森の中の小道に出たのですよ。


「ここが【羽音の森林】のスタート地点ね。……まあ、ランダム作成マップだから、あまり意味はないのだけど」

「ふむ、そうなのですか。とりあえず、先に進みましょう」

「そうね。ただ、不意打ちもあるから気をつけてね」

「わかったのです。黒号、よろしくですよ」

「ウォン!」


 とりあえず黒号を先頭にして森の中を進んでいきます。

 道から外れられないか試しましたが、見えない壁に遮られて進めなかったのですよ。

 どうやら、ショートカットはできないようですね。


「……あ、広場に出ますよ」

「広場は基本的にモンスターの縄張りよ。パーティ全員が中に入らないと出現しないけどね」

「誰かひとりを残して先に進む、というのは?」

「先に進むための道が閉ざされているから無理よ。ほら、あれ」


 サーシャが指さした方向には、奥へと続く道がありました。

 でも、道が茨のようなもので塞がれているのですよ。


「確かに、あれは通れそうにないですね」

「無理に通ろうとしても、見えない壁に遮られるらしいから、広場でモンスターを倒すしかないわね」

「了解なんだよ。黒号、モンスターは任せるのですよ」


 周囲に注意しながら広場へと入っていきます。

 そして、全員が広場に入ると、入ってきた道が閉ざされ、モンスターが出現しました。

 そのモンスターたちは……。


「サーシャ、ここのモンスターはかわいくないのですよ」

「まあ、虫系しか出ないしねぇ……」


 そう、出現したモンスターはすべて虫なのです。

 カマキリ、ムカデ、イモムシ等々……どれもボクの趣味にあいません。

 これは遠慮なく倒せますね!


「さあ、黒号、敵を集めるのです!」

「ウォフ!」


 黒号のスキルで虫たちが密集してきます。

 ボクはそこ目掛けて魔法を撃ちこみますが、一匹も倒せていないですね。

 さすがにスケルトンのようにはいきませんか!


「さあ、皆、いきますよ!」

「私も始めましょうか。ブレン、いくわよ!」


 ボクの号令で、皆が攻撃を始めます。

 どうやら、この虫たちは物理防御が高いみたいですね。

 シズクちゃんの攻撃はよく効きますが、ブレスやダークの攻撃はイマイチです。

 その分、ボクたちが頑張ればいいだけなので、倒すのは難しくないのですが。

 その後、危なげなく、虫たちを倒しきりました。


「ふう、一休みですかね」

「リーン、まだ来るわよ!」


 サーシャの言葉通り、周りの森から、また虫が出てきたのです。

 今度は、蜂や蝶のような空飛ぶタイプですか。


「虫にもバリエーションがあるのですね」

「そういうことよ。こいつらも倒してしまいましょう」


 今回の飛行タイプのモンスターたちは、魔法防御が高いようですよ。

 ボクやシズクちゃんの魔法攻撃がイマイチなので、ブレスとダークに頑張ってもらいましょう。

 そして、第二波を倒しきったら、またモンスターの増援です。

 今度は、地上タイプと飛行タイプの混成ですね。

 黒号に頑張ってターゲットを取ってもらいながら、一匹ずつ倒していくのです。

 ここまでは順調ですね。


「うーん、思ったよりも強くないんだよ?」

「それは入口付近だからね。奥に行けば、もっと強いモンスターも出るわよ」

「そうですか。では、そこまで進みましょう」

「ええ、行きましょう」


 茨がなくなって通れるようになった道を進み、どんどん先へと進んでいきます。

 時々、道の途中で奇襲してくる虫たちもいますが、なんとか倒しました。

 そして、遂に、ボス部屋に続くと思われる門へとたどり着きましたよ。


「うーん、終盤は結構つらかったのです……」

「モンスターたちのレベルが上がってるからね。でも、経験値はおいしかったんじゃない?」

「そっちはホクホクですね。レベル41まで上がりましたよ」


 そう、経験値的にはとてもおいしかったのです。

 ボクのレベルが40を越えたことで、【同行数上昇】スキルのランクも上がり、これで六匹のパートナーを連れ歩けるようになりました。

 これで、ひとりフルパーティが実現できますね。


「さて、準備はいいかしら?」

「大丈夫ですよ。ボスを倒して脱出です!」


 ボス前で休憩と回復を済ませ、ボス部屋と突入です。

 ボス部屋の中にいたのは……。


「ボスも虫なのですね」

「まあ、そういうことね」


 ボス部屋にいたのは大きなクワガタムシ。

 ボスまで虫とは、気合が入ってますよ。


「ともかく、ボスを倒しましょう。皆、いきますよ」


 黒号が先制攻撃を行い、ターゲットを取ってくれます。

 そこからは、全員でボコボコにするだけなのですが、HPが半分になったとき、急に逃げ出してしまいました。


「あれ? ボスが逃げた?」

「ここはまだ奥があるのよ。先に進むわよ」


 クワガタムシが逃げたあとを追いかけ、森の奥へと入っていきます。

 そして、また広場に出たのですが、そこにいたのは、クワガタムシではなかったのですよ。


「今度はカブトムシですか。本当に、虫ばっかりですね」

「そういうコンセプトのダンジョンだしねえ」


 今度の敵はクワガタムシではなくカブトムシでした。

 まあ、やることは一緒なんですけどね!

 クワガタムシに比べ、魔法防御が上がってるようですが、こちらもボコボコにします。

 そして、HPが半分になったとき、急に空が暗くなったのです。


「うん? あ、あれは!」


 空から降ってきたのは、さっき逃げたクワガタムシでした!

 全体攻撃だったらしく、全員がダメージを受けてしまいましたよ!


「ここからが本番よ。リーン、頑張りましょう」

「二匹同時なんて聞いてないんだよ! でも、やるしかないのですよね!」

「その通りよ。手早く片方を潰さないと、じり貧になるから注意ね」


 カブトムシとクワガタムシ、揃ったあとは攻撃パターンが変化しました。

 空に舞い上がって踏みつけてきたり、森の外周まで飛んでいってそこから突撃してきたり、角やハサミを振り回してきたり。

 攻撃が激しくなったことで、豆太郎の負担も増えましたが、ボクも回復することでなんとかバランスを取ります。

 そして、先にクワガタムシを倒し、残ったカブトムシもなんとか倒します。

 なかなか、骨が折れる相手だったのです。


「……思ったよりも手強いボスでした」

「ダンジョンだしね。簡単じゃないわよ」

「……そして、ボスドロップが『甲虫の甲殻』と『鍬形虫の鋏』ですか」

「まあ、虫だからね」

「なにに使えと……」


 個人的にはあまり必要のなさそうなドロップアイテムでしたが、帰ってガイルさんに聞いてみると甲殻は盾の強化に使えるとのこと。

 最近は、滅多に使わない……というか、出番のない盾ですが、強化できる機会に強化しておくべきですね。

 とりあえず、数が揃わないといけないらしいので、一旦保留ですが。

 なにはともあれ、経験値稼ぎの場所は見つけたのです。

 明日からはこちらに通いましょう。

 では、おやすみなさい。

いつもお読みいただきありがとうございます。

毎回の誤字報告本当に助かっています。

感想もありましたらよろしくお願いします。


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― 新着の感想 ―
[良い点] う~ん、友達に引っ張られながらゆっくり攻略。 趣味全開にしつつ、作業もこなす、実に趣味的でゲームしてるって感じ。 実にベネ、とても良き [一言] …羽音…モフモフ…毛虫やカイゴガなんかはモ…
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