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【旧版】うちのモフモフこそが最強!  作者: あきさけ
第9章 次なる街へ出発です!
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82.モフモフたちを強化です!

 さて、第三の街、ドライフラウに向かうのはいいのです。

 いずれはいかなければと思っていた街ですので。

 ただ、問題は、ドライフラウに到達するための適性レベルなのです。

 ドライフラウへたどり着くための適性レベルは、45から50となっています。

 いまのボクたちの平均レベルは35ですので、10以上足りてないじゃないですか!


「ってか、リーン。あなた、まだそれくらいしか上がってなかったの?」

「ボクにとっては、モフモフと一緒にいることが最重要事項なのです。レベル上げなんて最低限でいいのですよ!」

「……その、最低限のレベル上げもできてないみたいだけどね」


 サーシャが痛いところを突いてくるんだよ。

 ……サーシャがカースドジャガーを捕まえたあと、ボクもカースドジャガーをテイムしたのです。

 ホーリーフレイムジャガーが、カースドジャガーと一緒にいればいろいろと便利だぞ、と教えてくれましたので。

 ユエさんのHP(ホームページ)でも調べましたが、この二匹は別々の進化形態を持つみたいなので、同種のパートナーとカウントしなくても大丈夫でしょう!


 まあ、そういうわけでして、ボクもサーシャと一緒にカースドジャガーをテイムするため、ボス連戦をやったわけなのです。

 結果として、僕自身のレベルは35、ほかの皆も、かなり高めのレベルまで成長しましたよ。

 ただ、それでも、圧倒的にレベルが足りていないのが、ドライフラウへの道程なのです!


「それにしても、GW(ゴールデンウィーク)までまったくレベルを上げていないとは驚いたわ」

「いいのですよ。モフモフがモフモフなのは変わらないことなのです」

「まあ、その観点では問題ないのでしょうけどねぇ。ドライフラウまでいけば、新しいモフモフもいるんじゃないの?」

「むむむ……確かにそうかもしれないのです」

「それじゃあ、ドライフラウに向けて出発する準備を整えないとね」


 準備ですか。

 いったいなにをすればいいのでしょうね?


「とりあえずはレベル上げね。いまのレベルじゃ話にならないわ」


 ですよね。

 ボクもそう思ってたんだよ……。



―――――――――――――――――――――――――――――――



 というわけでやってきました、還らずの森。

 ここのスケルトンどもを引き寄せて、大量経験値をゲット! という、作戦ですね。

 ちなみに、こちらの布陣は、シズクちゃんにアクア、黒号、ブレス、それからカースドジャガーのダークという編成です。

 そう、【同行数上昇】が強化されて最大5匹のパートナーを連れ歩けるようになったのです!

 サーシャも育成途中の豪鬼を出しているあたり、割と余裕という判断ですね。

 それでは、スケルトンを探して出発進行なのですよ!


「……なかなかいないんだよ。スケルトン」

「そうね。普段ならもう何回か接敵しててもいいころなのに」


 森の中を三十分くらい歩き回ったんだけど、収穫はゼロ。

 スケルトンなんて、そこらにウジャウジャいるのに、今日はなにか特別な日なのかな?


「うーん、リーンどうする?」

「もうしばらく探してみるんだよ。それで、見つからなかったら、あきらめて帰ろう」

「そうね。それがよさそうね」


 さらに森を歩き続けること、暫し。

 なんだか周りの空気が重たくなった、というか、粘りっこくなってきたんだよ。


「ふむ、これは、なにかの呪いの類いが発生しているな」

「呪い? それって大丈夫なの?」


 呪いに関しては人一倍に敏感な、ホーリーフレイムジャガーのブレスが、そんなことを教えてくれた。

 なんでも、辺り一面を弱い呪いで汚染されているらしいんだよ。

 よほど長時間居続けなければ、バステになることはないけど、普通はこんなことありえないんだって。


「リーン、これはなにかのイベントみたいね」

「そのようなんだよ。サーシャ、突撃してみる?」

「勿論。面白そうだもの、行ってみるしかないじゃない」


 サーシャは、この手のイベントに積極的だよね。

 まあ、ボクも気になっているから突撃は決定事項なんだけどね!


「さて、それでは呪いの中心地に向けて進めますか? ブレス」

「いや、私よりもダークのほうが敏感だろう。なにせ、呪いを喰ってきた種族なのだからな」

「グルル……」


 ダークの言葉はまだ理解できません。

 【意思疎通】のスキルレベル上げは急務ですね。

 ですが、いまのは何となくわかりました。

 「任せろ」といいたいみたいです。


「それでは、道案内、よろしく頼むのですよ、ダーク」

「グルァ」


 ダークの道案内を受けて歩いていると、呪いのバステが付与されましたよ。

 ブレスいわく、呪いの元凶に近づいているので、そちらの影響を受けやすくなってきたとのこと。

 仕方がないので、アンチカースポーションで回復します。

 バステを回復したあとは、しばらく同じバステにかかりにくくなるので、ある意味助かるのですが。


 森の中をしばらく歩き続けていると、森の広場のような場所にたどり着きました。

 底の様子を窺えば、ゴブリンシャーマンらしき魔物が十人単位で祈りを捧げて、真っ黒い渦を作り上げていたのですよ。

 これは、イベント戦闘の予感です!


〈緊急クエスト『ゴブリンシャーマンの儀式を阻止せよ』が発生しました〉

〈このクエストは強制参加クエストです。開始まであと10、9、8、……〉


 どうやら、開始タイミングは選ばせてくれないみたいですね!

 本当なら、皆にバフをかけたかったのですが、仕方がありません。

 このまま戦闘開始です!


「黒号は、敵の注目を集めるのです! その隙に、シズクちゃん、ブレス、ダークの三人でゴブリンシャーマンを各個撃破ですよ!」

「私のほうも適当にやらせてもらうわ。豪鬼、レゾナンス状態で突撃!」


 敵のゴブリンシャーマンは全部で二十五匹みたいです。

 クエストの情報表示にそう書いています。

 問題は、時間経過とともにじわじわ増えてきている、呪いメーター。

 これが多くなれば多くなるほど、バステにかかりやすくなります。

 そして、一定値を越えるとクエスト失敗らしいのです。

 なので、ボクのパートナーたちには、体力の温存を考えず、ガンガン大技を使ってもらっています。

 シズクちゃんとダークは【月魔法】でバステを振りまき、ブレスは【太陽魔法】と【神聖魔法】で敵を確実に減らしていく。

 黒号も頑張って、ゴブリンシャーマンの猛攻に耐えています。

 そんな黒号には、ボクがガンガン【回復魔法】をかけ続けています。

 新人向けポーション作製の報酬としてもらった蛇腹剣は、魔法攻撃力がかなり上昇するだけでなく、回復魔法の効果が上昇する効果も付いてました。

 ガイルさんいわく、これまでのお礼だ、との話でしたが、市場価格を調べると、結構な金額の強化でしたよ!

 まあ、それはそれで、おいておいて。

 この状況では、非常に助かりますね。

 回復する回数と間隔が開くので、割と余裕を持って行動できているんだよ。

 ……まあ、MPの枯渇が恐いので、攻撃には参加できないでいますが。


 サーシャのほうはというと、あちらはあちらでゴブリンシャーマンを蹴散らしていっているんだよ。

 めでたく、鬼系の種族である小鬼に進化できたサーシャのゴブリンは、前衛として素晴らしい能力を持っていました。

 まず、STR、VIT、AGIが高いので機動力のあるアタッカーとして活躍できるのです。

 DEXはそこまで高くないので、クリティカル率はそこまで高くないのですが、代わりに、プレイヤーが装備できる武器や防具をそのまま装備できるので、装備ボーナスがたくさんつきます。

 問題は、MNDが低めらしく、魔法攻撃に弱いことですが、サーシャならなんとかするでしょう。


 というわけで、緊急クエストは無事に終了です。

 報酬ですが、この付近のコンテンツでは非常に多めの経験値とお金、それから【呪いの呪布】という物が手に入りましたね。

 鑑定すると、武器に付与することで、バステ『呪い』を与えることができるようになる素材らしいですよ。

 サーシャがほしいという話ですし、ボクは特に使わないので全部サーシャにプレゼントです。

 そうしたら、クエスト報酬のお金を全部くれましたよ。

 サーシャ的には、このアイテムのほうが、クエスト報酬のお金より大事だったようですね。


 さて、残る問題は……ゴブリンシャーマンによって作られた、この呪いの渦巻きでしょう。

 ブレスいわく、しばらく放っておけば、スケルトンなどが食い散らかして消え去る、とのことですがなんとなくスッキリしません。

 なので、アンチカースポーションを投げつけて、呪いの渦を消し去りました。

 すると、渦の中心で豆柴みたいなワンコが震えてました。

 豆柴ですよ、豆柴!

 ボクは喜び勇んで駆け寄りましたが、手を伸ばしたところで噛みつかれてしまいました。

 ……うん、いきなり知らない人が突進してきたら恐いですよね、反省、反省。

 噛みつかれている手はそのままに、もう片方の手で、優しく頭を撫でてあげます。

 すると、気を許してくれたのか、噛みついていた手も離してくれました。

 そして、こちらをなにか物欲しげな顔で覗き込んでますね。

 ……これは、餌付けチャンスでしょうか。


「うーん、なにを食べるのかわかりませんが、とりあえず、果物系を並べてみますかね」


 手持ちの果物類を一式豆柴の前に並べてみます。

 すると、豆柴は勢いよくかぶりつき、すべての果物を食べきってしまいました。

 そして、尻尾をブンブン振りながら、さらに期待の眼差しを向けてきますね。

 ……これは、おかわりの催促でしょうか。

 最初に食べた分量だけでも、豆柴の体より多かった気もするのですが……まあ、いいでしょう。

 中途半端に放り出すのも、気分がよくないですしね。


 結局、三回ほどおかわりをした豆柴ちゃんは満足したのか、ボクのほうにすり寄ってきて体をこすりつけてきます。

 うん、ういやつういやつ。


〈ネームドヒーリング豆柴のテイム条件を満たしました。テイムスキルを使用して下さい〉


 ふおぉー!

 豆柴ちゃんがボクの仲間になってくれるようですよ!

 これはすぐにでもテイムせねば!!

いつもお読みいただきありがとうございます。

毎回の誤字報告本当に助かっています。

感想もありましたらよろしくお願いします。


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[気になる点] これ掲示板に乗せたらすごいことになりそう イベントの発生条件は多分 二種類の種族を持っている事だろうな ブレスとカースの二つを持っているプレイヤーは圧倒的にいないと思うし。  ケル…
[一言] シャーマンの儀式は中途半端に成功したのか ケルベロスかオルトロスでも召喚しようとしてたのか 豆柴になってしまったけど
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