81.モフモフたちとの幸せな日々です!
学校が始まる前に、サーシャと大冒険を繰り広げた結果、ボクのパートナーたちは一気に進化しましたよ!
やっぱり、ボスを周回していると一気にレベルが上がっていきますね!
さて、そんなボス連戦から早数週間、ボクはというと……。
「さあ、アクア! 海の中を飛び回るのです!」
「グゥァ!」
毎日の日課である、シズクちゃんとアクアを連れての海中散歩です。
海中とは言っても、そこまで深く潜るわけではないのですよ。
深いところまで潜ると、途端にアクティブモンスターがわんさか出てきますからね。
一度、洗礼を受けてからは、海面すれすれを飛んで楽しんでいます。
「それにしても、【水中飛行】。本当に便利なスキルですよ! こうして、海の中から空を眺めることもできるなんて!」
海中から眺める海面は、とてもキラキラしていて綺麗なのです。
これも、アクアが【水中飛行】を覚えてくれたおかげですね!
さて、そんな感じで、しばらく海面の旅を堪能していたのですが、行く先に魔物が現れましたね。
アクティブ系の魔物ですので、倒さないわけにはいかないでしょう。
「さて、シズクちゃん、出番なんだよ!」
「ワンワン!」
ボクの背中に乗っていたシズクちゃんが、二回吠えて、魔物のほうへ向かっていきます。
そして、サンダーボルトを始めとする、雷魔法のオンパレードをモンスターにぶつけて一気に瀕死に追い込みましたよ。
「クゥン?」
シズクちゃんはボクのほうを見て、一声鳴いて見せました。
おそらく「仲間にする?」と聞いてきたのでしょう。
……ですが、ボクはその魔物を仲間にするつもりはないのですよね。
だって、サメ型モンスターなんだもの。
止めを刺していいことをシズクちゃんに伝え、サメ狩りは終わりましたよ。
サメ狩りを終えた後は、大人しく帰路につきます。
だって、あのサメが出るようになったと言うことは、エリアの境界線を越えたという証ですからね。
サメ一匹くらいならシズクちゃんとアクアでなんとかできますが、数が増えると対処しきれません。
というわけで、戦略的撤退という奴なんだよ。
さて、アインスベルに戻ったら、マイホームに帰って生産活動に勤しみます。
最近、ギルドの新人が増えてきたので、ポーションも料理も在庫がピンチらしいのです。
いちおう、一日あたりの取得制限はかけているらしいのですが、生産個数と消費個数がギリギリのラインで成り立っているとか。
なので、ボクにも、初心者ポーションや初級ポーション、それから料理の作製依頼が舞い込んできているのです。
ボクは、新人さんたちを引率するとかできないですからね!
あくまで、裏方に徹するのですよ。
「こんばんは。リーン、いる?」
そんな作業の最中、ボクを訪ねてきた人がいたんだよ。
この声は、サーシャだね。
何か用かな?
「いるけど、生産で手が離せないんだよ。用事があるなら来てほしいな」
「はいはい、了解。そっちに行くわ」
作業室のほうにやってきてくれたサーシャ。
サーシャの服装は見た目こそ変わっていませんが、その性能は大分上昇しているらしいのです。
大量に倒したカースドジャガーの戦利品をシリルさんのところに持ち込んで、装備をグレードアップしてもらったんだとか。
見た目こそ本当に変わっていませんが、強化前の倍以上の性能があるとか。
……その話を聞いたボクも、シリルさんにお願いして強化してもらっている最中なのですが。
ともかく、そんなサーシャがボクの家に遊びに来たんですよ。
「ここの設備も豪華になってきているわよね。生産プレイヤーに転向するの?」
「そんなつもりはないんだよ。ただ、たくさん物を作るのに、必要な機材を買い漁ってるだけだよ」
そう、この部屋の機材は、春休みに比べるとさらに豪華になっていたのです。
ポーションとかは、一気に五十個作れるようになったし、料理も一気に作れるようになりました。
生産メインにするつもりはまったくないんだけど、生産設備がどんどん充実していくというジレンマ……。
この気持ちはどこにぶつければいいのでしょうね?
「とりあえず、忙しそうね。これじゃあ、今日は狩りに誘えないか」
「狩り? そういえば最近行ってないんだよ」
「……ホント、リーンらしいわね。どれくらいいってないの?」
「うーん、日曜日には少し狩りに行った覚えがあるけど、それっきりなんだよ」
平日は、モフモフたちとのコミュニケーションだけで一日が終わりますからね!
この時間は誰にも奪わせないんだよ!
「ふむ。それなら、今回の企画も無駄になりそうにないわね」
「企画です? またなにか企んでいるんじゃ……」
サーシャがこういうことを言い出すと要警戒ですからね。
さて、今回はなにを言い出すのでしょう。
「リーンがまだ行っていない街、第三の都市ドライフラウへとGW中に連れて行こうって企画だよ!」
ドライフラウですか。
興味はありますけど、ボクにたどりつけるんですかねぇ……。
いつもお読みいただきありがとうございます。
毎回の誤字報告本当に助かっています。
感想もありましたらよろしくお願いします。





