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【旧版】うちのモフモフこそが最強!  作者: あきさけ
第8章 シズクちゃん進化です!
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72.現状確認ですよ

 ユエさんのお願いを聞いた翌日。

 シズクちゃんの進化のために、いまの戦力確認をすることにしました。

 それなり以上に気を使って、全員の戦力が均等になるよう育てたのですが、どうしても差は出てしまいますからね。


「まずは、白玉ですが……この子は癒やし枠ですし、いいでしょう」


 ファーラビットの白玉は、初期からいるメンバーの中でも唯一進化していない子です。

 基本的な戦闘能力が低いのもありますが、そのモフモフを活かしたボクの癒やし担当ですので、あまり育てる必要はないのです。

 進化先次第で、さらにふわもこになるらしいのですが、いまは後回しですね。


「次は、黒号、シルヴァン、プリムですね。……この子たちは、進化済みですし大丈夫でしょう。黒号以外は最近出番が減っていますが」


 黒号たちも、最初期から一緒にいてくれる古株さんです。

 黒号は、皆の盾になってくれるタンク役、シルヴァンとプリムは近接アタッカーですね。

 ただ、近接アタッカーは他にもいますので、出番が減ってきています。

 交代で使うようにして、レベル差があまり開かないように気を使ってますが。


「スズランとセレナイトもいますね。この子たちも進化させたいのですが、まだレベルが足りないのですよね」


 お次はベルの森で仲間にした子たち。

 スズランは近接アタッカー、セレナイトは飛行タイプの魔法アタッカーですね。

 基本的に、スズランはシルヴァン、プリムと交代で使用、セレナイトは魔法が必要そうな場面で使用ですね。

 セレナイトも、魔法タイプということで、シズクちゃんとポジションがかぶっているのです。


「最後は、ツヴァイファムについてから仲間になった子たちですね。アクアは積極的に使って進化させたいですし、テイルも育てたいです」


 アクアは今月になり課金枠が解放されたことによって、買うことができた課金パートナーです。

 騎乗することができて移動にも便利ですし、進化すれば水中も移動できるようになる予定。

 そして、テイルですが、ツヴァイファムに着いてから、最初にテイムしたパートナーになります。

 いまは普通のキツネですが、最終的には尻尾がたくさんあるキツネに進化予定です。

 この子も育てたいのですが……魔法アタッカータイプなのですよね。


「あと、フォルミもいますが……フォルミは完全に生産職ですしノーカウントですね」


 今日も畑で生産作業を頑張ってくれているフォルミをチラリと見て、あの子をカウントから外します。

 いちおう、戦闘スキルもあるはずなので、無力ではないでしょうが、畑の管理をしてくれているほうが助かるのです。


「ふむ。シズクちゃんも加えると、タンク一、近接アタッカー四、魔法アタッカー三ですか。ボクがヒーラーをやっているので、バランスがいい……と思うのですが、本職さんに聞いたらどうなんでしょうね?」


 必要に応じて、完全物理型にもなれますし、魔法専門にもなれます。

 編成を変えることによる、適応能力が使役系職の魅力! らしいのです。

 そう考えると、ボクの編成は悪くない、と思うのですが。

 ……ちょっと本職さんに聞いてみましょうか。



 ―――――――――――――――――――――――――――――――



「……それで、俺のところに来たのか」

「うん。ガイルさんなら、なにかアドバイスをもらえるかと思って」

「テイマーの指導なら、ユーリの範囲だろうが、今日はいないみたいだしなぁ」

「そうなのですよ。というわけで、アドバイスがほしいです」


 ユーリさんがいれば、そちらに聞けました。

 でも、いまは不在なのですよ。

 ガイルさんもめんどくさそうにしてますが、頭をかきながら答えてくれました。


「そうさなぁ……。お前さんは、エクストラテイマーになって同時使役数が増えてんだろ。それなら、タンク以外に三匹を使役できるわけだし、バランスはいいんじゃねえのか。あとは、どんな状況でも使えるように、差ができないよう気をつけるくらいか」

「うーん、やっぱりそうなのですか」

「そうなるだろうよ。少なくとも、ブレン、レイン、ファイン、豪鬼の四匹しかコントラクトしてないサーシャとは違うだろう」


 ガイルさんが指を立てながら、サーシャの編成と比較してくれます。

 サーシャは初期パートナーとして用意したドラゴンのブレンに、ヒーリングラビットになったレイン、運良くボス個体のコントラクトに成功したファイン、そして、ボクから買い取ったゴブリンの卵から孵った豪鬼の四匹しかパートナーがいません。

 サーシャ曰く、『レゾナンステイマーは、同時使役数が増えないから多くても困るのよ』とのこと。

 でも、ボクから見ても、魔法タイプのパートナーがいないのは大変だと思うのですよ。


「まあ、他人のことはおいておいてだ。少なくとも、リーンの編成に問題は見当たらないな。数が多いから、レベル上げが大変そう、程度か」

「……それなら問題ないんだよ。頑張ってあげるのです」

「そっか。そっちは頑張ってくれ、としか言えないしな。……そうそう、余裕があったらギルド倉庫に初心者ポーションを追加しておいてくれるか? 何人か新人が入ってるんだが、ポーションの消費が早くてな……」


 ガイルさんが疲れたように話してくれるけど、そんなにポーションって使うのかな?

 ボクはそこまでガブガブ使った覚えがないんだけど?


「そんなにポーション減ってるのです?」

「ああ。なにせ、入ってくる新人にヒーラーができるのがいなくてな……。皆、アタッカーばかりだからタンクもいなくて、ダメージがひどいんだわ」

「……それは大変そうなんだよ」

「お前は早々にタンク役の黒号を捕まえたし、自分がヒーラーになったからなぁ。やっぱり、アタッカーのほうが映えるからか、そっち志望の連中が多くてたまらん」


 ガイルさんは、本当に疲れた感じで肩を落としたんだよ。

 アタッカーってそんなに楽しいのかな?


「……お前に愚痴っても仕方がないわな。ともかく、ポーションは頼むわ。報酬は新しい武器でいいか?」

「回復魔法の効果が上がるから、それで構わないのですが。材料は用意できないんだよ?」

「……本来なら材料持ち込みだが、今回は俺が出す。その代わり、ポーションはなる早で頼んだ」

「それじゃ、このあと作っておくんだよ。またね、ガイルさん」

「おう、武器は今週中にはできるようにしておく。できたら連絡するわ」


 編成については、ガイルさんのお墨付きももらえたし、このペースで頑張れば大丈夫だね。

 午前中は、家でポーション作りに専念することにしよう。

 フォルミちゃんが頑張ってくれているから、初心者ポーションだけなら量産できますよ。

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