57.戦力強化終了です!
無事、黒号、プリム、シルヴァンの3匹が進化できました。
おかげでボクの戦力は大分上がったんだよ!
ベルの森での狩りも黒号がディフェンスドッグに進化したおかげで、非常に安定するようになったし、シズクちゃんの下級魔法は下級であるのにベルの森のモンスター達を軽く倒してしまう。
進化したプリムやシルヴァン、それにフォレストキャットのスズランと、ナイトオウルのセレナイト達もバンバン敵を倒していくんだよ。
ボクは後方から支援魔法と回復魔法で援護しているだけで事足りてしまう。
せっかくの蛇腹剣だけど、武器としての使用よりも魔法強化にしか使ってないね。
まあ、ボクの戦闘スタイルは後方支援型らしいから、自分から前に出て敵と戦うのは違うらしいけどね!
それでも、【剣】スキルと【鞭】スキルを上げた先にある【蛇腹剣】スキルくらいは覚えてきたい。
なので、余裕があるときはボクにも近接攻撃させてもらっているんだよ。
おかげで、それぞれのスキルレベルも上がってきたし、【蛇腹剣】スキルももうすぐ手に入るかな?
そんなこんなで戦力強化に努めて、シズクちゃんのレベルはレベル20まで、他の戦闘要員の皆はレベル18まで上げることができたんだよ。
シズクちゃんはレベル20になったことで改めてスキルカスタマイズと新しいスキルの取得ができるようになった模様。
【雷魔法】のスキルカスタマイズは『中級魔法Ⅱ』を選択したよ。
『下級魔法Ⅲ』ってスキルはなかったし、スキルの幅を広げるにはこれが一番いいかなと思って選択したよ。
取得出来た魔法は『サンダーバインド』と『サンダーガードブレイク』の2つ。
『サンダーバインド』は雷属性の拘束技だね。
動きを封じつつ少しずつ継続ダメージを与えるって魔法だよ。
『サンダーガードブレイク』はちょっと特殊な魔法。
攻撃スキルであるんだけど、攻撃を与えた相手の雷耐性を下げる効果があるんだよ。
このスキルを『サンダーボルト』の前に使うとかなりの高ダメージ化が望めるね。
……ベルの森のモンスター相手だとどちらにせよ一発だったから、効果の違いがよくわからなかったけど。
そして新しく取得したスキルは【魔力向上Ⅰ】だよ。
このスキルは、INTとMNDを上げる効果があって、魔法攻撃力と魔法防御力を引き上げる効果があるみたい。
直接的な効果は少なめだけど、レベルアップしていくと結構バカにならないくらい強くなるらしいから、未来に向けての先行投資として覚えさせてもらいました。
他の皆は新しいスキルとかは覚えてないけど、着実にステータスが上がって安定感が増した感じだね。
特に黒号、この子の成長は著しいんだよ。
元々、盾役をやってもらってたけど、ディフェンスドッグに進化してからはHPも一気に上がって安定感が半端なくなってきた。
この調子で育てていけば我が家の盾として十二分に働いてくれるはずなんだよ。
さて、今日はサーシャが言っていたレベル上げ期日の三日目ですよ。
サーシャがどの程度強くなっているのか期待しつつ、『瑠璃色の風』にログインです。
ログイン先はいつも通り休憩室。
ログインしてみたら調度運良くサーシャがログインしていましたよ。
「サーシャ、久しぶりだよ。あの後、レベル上げって上手くいったの?」
「あ、リーン。レベル上げはバッチリ上手くいったよ。見てみて、このドラゴン!」
そう言って差し出されたのは一回り大きくなったドラゴン、つまりはブレンだね。
元々は緑色だった気がするんだけど、薄紫色というか、そんな感じの色合いに全体的に変化している。
「ブレンはライトニングドラゴンパピーに進化できたよ。雷属性のドラゴンに進化させるのは一手間必要だったからちょっと苦労したかな」
「そうだんだね。レベルってどれくらいまで上がったの?」
「レベルは22だよ。効率のいい場所でガンガンレベル上げをしてたからね。一気に強くなったでしょう?」
「……ボクのシズクちゃんより強くなってるんだよ。一体どんな風にレベルを上げたの?」
「さっきもいった通り、効率のいい場所でレベル上げをし続けた結果だよ。ドラゴンブレスの威力もあって、かなり楽に稼がせてもらえたからね」
「それは羨ましいんだよ。……でも、ボクだって、黒号やプリム、シルヴァンが進化したんだよ」
「そうなんだね。後で見せてもらってもいい?」
「大丈夫だよ。……そう言えばファーラビットはどうなったの?」
「そっちもヒーリングラビットに進化させることが出来たよ。そっちのレベルは21だね」
「……ウサギさんにもレベルで負けてるよ」
「あはは、まあその辺はプレイの仕方にもよるから気にしなくてもいいんじゃないかな? それで、そっちのレベルってどれくらいになったの?」
「シズクちゃんがレベル20、他の子達はレベル18だよ」
「そっちも結構強くなってるね。これなら次の街に向かう途中のエリアボスも倒せるかな」
「エリアボスの適性レベルってどれくらいなんだろうね?」
「最初のエリアボス、ハウンドドッグだったら推奨レベルは18から20だぞ」
サーシャと二人で話しをしていたら、背後からそんな声がかけられたよ。
声の主は確認するまでもなくガイルさんだったけど。
「最初のエリアボスってそんなに強くないんだね」
「まあな。推奨レベルが18からってだけで、うまい人間は平均レベル15でもクリアできるからな」
「そうなんだね。意外と楽なのかな?」
「そうでもないぞ。ハウンドドッグはかなり大型のモンスターだ。タンク役には相応の技術が必要だし、受け流しが完璧にできないと耐えきれないはずだからな。ともかく、低レベルでも狩ることが出来る事は事実だが、そこまで楽な相手じゃないとだけは覚えておけよ」
「うん、わかったよ。それで、何か攻略方法とかはあるの?」
「あー、ハウンドドッグは特に特徴のないモンスターなんだよな。だから、特別弱点と呼べる部分もない。正面から正攻法であたるのが一番いいだろ」
「むぅ、ガイルさんなら何かいい戦法を知ってると思ったのに」
「……まあ、簡単に勝つ手段がない訳じゃないが、かなり危険だからお薦めできないんだよ」
「ちなみにその方法って?」
「各種ガードブレイクで属性耐性を下げてバインド魔法で捕獲。その上で全員でボッコボコにしてしまうという戦法なんだがな」
「……確かにそれは簡単そうじゃないんだよ」
「それをやろうとすると、4属性くらいのガードブレイクとバインド魔法が必要になるからな。まあ、初見は自力で何とか倒して見せろ」
「うん、わかったんだよ。……ちなみに、ボスモンスターってテイムやコントラクトができるの?」
「できるモンスターとできないモンスターがいるな。詳しい話はユーリに聞いた方がいいだろう」
「わかったよ。それじゃあ、ユーリさんに会ったら聞いてみるよ」
「おう、そうしろ。……ああ、そうだ。スケイルシールドの強化版ができたんだが、必要STRが10まで上がっちまったんだ。使えるだけのSTRはあるか?」
「10なら大丈夫だよ。今は装備抜きで16あるしね」
「そっか。ならこれをつかうといい。今まで使ってた奴は回収させてもらうぞ」
「うん、ありがとう、ガイルさん」
新しくもらった盾なんだけど、防御成功時のDEFが60まで上がってるんだよ。
さっきまでの盾とは性能がかなり違うね。
さて、それじゃあ、スズカとセルシアがログインしてくるのを待ってハウンドドッグにいつ挑むのか決めなくちゃね。
地味にサーシャの方がボクより強くなってる気がするけど、気にしないんだよ。
ええ、気にしないったら気にしないんだよ!
いつもお読みいただきありがとうございます。
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毎回の誤字報告本当に助かっています。
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~あとがきのあとがき~
リーンがのんびりレベル上げをやっている間にサーシャはガッツリ強くなってました。
攻略サイトとかを読みあさって最適なレベル上げ効率を割り出した結果でしょうね。
さて、ここからリーンの巻き返しはあるのか?
(多分ない





