謎解きは忘れていた記憶とともに。(対冬馬祖父編その4)
私の宣言に、健之助さんはしばし黙ってから姿勢をこちらに傾けた。
「君がその選択肢があると気づいた根拠を教えてもらおうか。」
「勘です。」
「勘、だと?」
途端に柳眉が跳ね上がり、不愉快そうな空気が漂う。
別に笑いを取ろうと思ったわけじゃない。こんな場面で笑いを狙える人がいたら土下座して弟子入りするわ。
「まず気になったのは呼び出しの方法でした。冬馬くんに知られず、かつ、父を通さないやり方にも他にもやりようはありますから、わざわざ進路を動かす必要は乏しいと思われます。とすれば、一つの推論ができました。すなわち、『進路を医系コースにする』ということ自体に意味があるのではないか、というものです。」
びくつく気持ちを抑えて丁寧に話していく。
ただ正直に話したいだけだ。この方に認めてもらいたいから。
「次に考えたのは、与えられた期間と時期です。先ほども申し上げた通り、健之助さんが、何が何でも私と冬馬くんを別れさせたいと思っていらっしゃるのなら、即日回答を求めるでしょう。だから期限を持たせたことには意味があるとして、なぜ2日なのか。無駄がお嫌いな健之助さんが無意味に期間設定をすることはないでしょう。そこまでいけば、あえて二学期が始まったばかりのこの時期にこの話を出したことにも意味がある。そして思い当たったのが明日、コース別の教科書販売があるということです。医系と国立文系コースでは教材が違いますから、その推測を強める一つの要素になりました。…でも一番の根拠は、健之助さんが冬馬くんのことを大事に思っていることです。」
冬馬のくれたネックレスをブラウスの上から軽く握りしめて、でも目は総一郎さんから離さずに続ける。
「ご自分の大切なお嬢さんから生まれた冬馬くん自身を愛おしいと思ってらっしゃること、そしてそれは上林家の跡取りを育てたいというお気持ちより強いことが、この間お話したときに伝わってきました。孫としての冬馬くんの成長を願うからこそ、そして冬馬くんを守りたいと思ってらっしゃるからこそ、ステータスに注目されやすい彼の周りを監視させ、わざわざ5月に私と話し、今回私を離そうとなさったのだと、そう思ったんです。でも、冬馬くんのことを日常的に見ておられるなら、本当は感じておられたと思います。冬馬くんの私への執着度が少し異常であることも。…今ですら、引き離すには手遅れかもしれないということも。」
はっきり言って、「じーちゃん愛」としてそれは過剰だ。愛が重い、重すぎる。10トントラック並みだ。
そして、その孫である冬馬にもその気が多少なりともあることには気づいている。だってたまに秋斗と同じ目しているもん。
「それで、もう一つの道も用意したのではないかと思ったんです。離せないなら、離れられないようにする。はっきり言えば、私を上林家の中に組み入れることで、彼の元から離れられないようにする方法です。このまま冬馬くんが私に飽きない可能性もありますが、一方で、これから冬馬くんが私に飽きる可能性も十分にあります。だからこそ、どう転んでもいいように、冬馬くんが今近くに置きたがっていて、かつ直に見て認められそうな者に医師の道を進めさせたいのではないかと思いました。」
冬馬のお父さんという婿入りさせた者に後を継がせることについて、旧家たる上林家の他の人がもろ手を上げて大賛成!ということは考え難い。きっと今でも別の人間に継がせるように血みどろの争いが起こっている。そして昼ドラのように、そのままあわよくば上林家の中枢を手に入れたいと思っている輩がうじゃうじゃいそうだ。
幸か不幸か、沙織さんは若くして冬馬を産んでおり、健之助さんの引退の時に冬馬が継げる可能性は残っているから、そういう輩にとって若くて優秀な冬馬は邪魔でしかない。
「つまり、私に要求されているのは、親族の中でおそらくあまり味方がいないであろう冬馬くんを、将来にわたってサポートし、守る盾の役目です。『上林家の中で絶対に冬馬くんを裏切らない味方』を作ることが今回の目的ではないか、と、ここまで推測しました。とはいえ検証不十分、あくまで推測にとどまります。ですので、勘、とお答えしました。」
検証不十分どころか、気付いたのはついさっきでしたけどね。
「ふん、勘、か。」
私の話に傾聴してくださっていた健之助さんがわずかに口の端を持ち上げた。
「勘ほど不確実で非理論的なものはない。私が一番嫌いなものだ。しかしギリギリまで理詰めで考え、一般には勘とは言わないそれを勘と言い切ったところは面白い。…それで、君はそれでいいのかね?」
「と、申しますと?」
「冬馬のために君は進路を変えることになる。そんなに簡単に進路を変えていいのかね?と、問うたのだよ。」
そういう風にさせたのはあんただろ!
「えぇ。私はこれを契約だと思っています。一方的に縛られようとは思っていません。」
もし本当に私がどうしても国立文系コースに行きたいと思っているのならきっとそれでも納得できなくて三択以外を探しただろうけど。
「それに、思い出したんです。私が本当になりたかったものがなにか。」
静かに目を閉じると、蘇った記憶が頭をよぎった。
思い出すのは、今から5年ほど前。中学1年になりたての頃だ。
私は地元の公立中学に進学した。もちろん秋斗も一緒だ。
この容姿のせいで入学当時から私と秋斗の存在は目立っていたし、浮いていた。
小学生のころから変なおじさんに付きまとわれたり、ということがあったが、中学入学直後からは家まで来て出待ちをする中高生の付きまといまで出てくるようになった。
12歳だよ?お子ちゃまだよ?
信じられないことだが、それでも現実そうだったのだから仕方ない。
付きまとわれては追い払う、という繰り返しをして入学から2か月くらいが経った頃だっただろうか。
頻繁に数人の高校生(と見られる)男子に絡まれるようになった。
最初は登下校時に声をかけられるだけだったのに、そのうち家の近くまで追ってきたり、校門の外で出待ちされたりした。何度追い払っても付きまとわれる。そのたびに秋斗や太陽、両親や学校の先生が庇ってくれていたのだけど、彼らとてずっと見張っていられるわけじゃない。どうしても私一人になることだってあった。そのうち、相手の行動もエスカレートして一人の時に無理矢理どこかに連れて行かれそうになり両親が警察に相談し始めた、くらいまでになっていた。
そんなある日。
「先に帰るから、ゆきは気を付けて帰ってね。」と言われ、秋斗と別行動をとることになった。珍しく誰にも付きまとわれないで家に帰れた私はすぐに秋斗宅に向かった。
『おばさん、お邪魔します!秋斗は部屋ですか?』
『まだ帰ってないわよ?ゆきちゃん、一緒じゃなかったの?』
『いえ違います。秋斗、先に帰るって言ってたんですけど…。』
『最近はゆきちゃんにひっついて絶対に目を離さないって感じだったのに…おかしいわね。』
『…なんか嫌な感じがするので、私、探して来ていいですか?』
『だめよ。ゆきちゃんが一人で出歩いたらミイラ取りがミイラになっちゃうわ。私が探してくるからゆきちゃんお留守番しててくれる?』
『でも』
『でももだってもなしよ。ゆきちゃん、いい?絶対に探しに出ちゃだめよ?』
『…はぁい。』
笑顔のおばさんがとても怖いことを知っていた私はそれを大人しく聞き入れ、秋斗宅で宿題をして待っていた。しかし待てど暮らせど、おばさんも秋斗も帰って来なかった。
自宅からお母さんが秋斗宅に駆け込んできたのは夜になってからだった。
『雪!』
『お母さん!秋斗もおばさんもずっと帰って来ないの!』
『今、秋斗くんのお母さんから電話があってね、○○病院にいるって。』
『…!』
目の前が真っ白になった。
私はすぐにお母さんに連れていってもらった病院に駆け込んだ。
『秋斗!!』
『雪、静かにしなさい。病院よ。』
『でも!』
『ゆきちゃん。』
病室から出てきたおばさんが聞かせてくれた話では、秋斗は巡回中の警察官に保護されたのだそうだ。発見当時、秋斗は公園で倒れていて、綺麗な顔はあざだらけで目は腫れているし、唇は切れて、口の中も切ったのか口から血を吐き出していたのだという。何より左腕をぷらん、と力なく垂れ下げたままだったと聞いて、目の奥が熱くなる。
『左腕は折れていて、右足も酷い捻挫だったの。でも頭や内臓には異常なかったし、大丈夫よ。…ただ、秋斗、何も話してくれないのよ。』
『おばさん…秋斗、多分私、私のせいで…。』
『雪、何か知ってるの?』
『お母さん、あの人たちだよ!おばさん、最近、私っ、しつこい高校生につきまとわれててっ、でも今日その人たちいなかったからきっと!』
『ゆきちゃん。落ち着いて。』
おばさんに縋り付くと、内心穏やかではないだろうに、おばさんは私の頭を撫でて慰めてくれた。
『これはあの子が自分でやったこと。ゆきちゃんのせいじゃないわ。警察にそのことを伝えなきゃいけないから、秋斗から話を聞きだしてくれる?きっとゆきちゃんしかできないから。ゆきちゃんが沈みこんじゃだめよ?』
好きな女の子を守ってできた怪我は男の勲章でしょ?とウインクまでしてくれて、私を病室に入れてくれた。
二人きりの病室で私は秋斗に詰め寄った。
『秋斗、あの人たちと何があったの?』
『…何の話?』
『ごまかさないで。今日あの人たち私のところに来なかったもん。一人だったのに絡まれなかった。秋斗、一人であの人たちのところに行ってたんでしょ?』
『…。』
『…分かった。秋斗が言わないんだったら私が直接訊いてくる。きっとその辺で歩いてれば会えるでしょ。あれだけしつこく私の生活パターン追ってたんだから。』
『待って、ゆき。分かった。言うから。…会ってたよ。』
『じゃあやっぱりその傷!!』
『でももうあいつらは絶対ゆきのところに来ない。安心して。』
『秋斗、やっぱり私のせいで怪我したんだ!そんなに酷い怪我…!』
まだ中学一年生、私の身長を少し超えたくらいの華奢な体格の秋斗が高校生男子三人くらいを相手に一人で向かっていったなんて。
どれだけ殴られたんだろう。どれだけ蹴られたんだろう。
秋斗にぎゅっと抱きついて、ごめん、ごめんを繰り返す私に、秋斗はいいんだ、と言ってきた。
『俺、ちゃんとゆきを守れたから。』
『よくない!!そんなに!そんな酷い怪我するような状態になるなんて、絶対やだ!だめ!』
『次は怪我しないようにする。俺、強くなるから。』
『まだそういうことするつもりなの?』
『しなきゃいけない状態になったらする。ゆき。』
秋斗が傷だらけの手を私の顔に伸ばして、こらえきれずにこぼした涙に触れた。
『ゆきはこれからもっとああいうやつらに目をつけられるようになるから。そのたびに、何度でも、俺はやるよ。』
『だめだよ!!だったら私が強くなる!私が鍛えて、ああいうやつらを自分で追い払う!』
『何言ってんの!ゆきは女の子なんだよ?勝てるわけないでしょ。』
『そんなの分かんないもん!私、足だって速いし、運動だって男子に負けないよ!だから』
『分かんなくない!』
その時初めて秋斗に怒鳴られた。
『勝てっこないよ!例え今からそんなの鍛えたって男の力にゆきは勝てない!!だから俺が守るの!大丈夫、俺、次からはこんなにやられないから。誰よりも強くなるから。ゆきは俺の傍にさえいてくれればいいから。』
『…秋斗のばか。いいよ。秋斗がそのつもりなら』
『…ゆき?』
『私、医者になる!!』
『え?』
『秋斗が無茶して傷だらけになるなら、どんな傷も治せるようになるから!怪我も病気も、私が全部!!』
『そんなことしなくても…』
『秋斗だけじゃない、私に大切な人を守る力がないなら、その力をつける!私、医者になってみんなを助けるから!だから秋斗。お願い。私にそんな怪我を診させることがないよう、もう、怪我しないで…』
抱きついて縋り付いて泣く私の背を秋斗が撫でた。
『…分かった。俺、もうゆきに心配かけない。ゆきがお医者さんになるなら、俺、安心だね。でもさ、ゆき。』
『うん?』
『俺はゆきが近くにいてくれることが一番の薬だから。』
『はぁ?秋斗、私、薬になんかならないよ。』
『今は分かんなくてもいいよ。傍にいてくれればいい。』
『秋斗?よくわかんないけど、今更でしょ。秋斗と私はずっと一緒にいるでしょ?』
『…うん。そうだね。』
そう言って秋斗は折れていない右腕で私の頭を抱きしめて頷いた。
あの時の秋斗との会話は、今でははっきりと思い出せる。思い出せなかったのはおそらく転生の記憶のせい。違う人生の記憶が混ざったせいで、前世の夢と相矛盾する現世の「夢」が埋もれてしまっていたんだ。
じゃあ思い返した今、私はどちらを選ぶか?
そんなの簡単。
だって私は「私」だけど、「相田雪」であって、今の私は「相田雪」だ。だから自分がなりたい夢だって、「相田雪」がなりたいものを選ぶ。それが「相田雪」の人生だから。
ごめんね秋斗。あなたとの約束の半分は守れなかったけど。
もう一つはちゃんと守ってみせるから。
一瞬思い返した記憶を胸の中にしまい、目を開けて健之助さんをしっかりと見る。
「そうか。それで」
バン!!!
「何考えてんだよ、くそじじい!!」
健之助さんが話し始めたのと冬馬が飛び込んできたのは同時だった。
冬馬におよそ似つかわしくない暴言だ。
「冬馬!!」
「申し訳ございません、旦那様。冬馬お坊ちゃんにどうしてもと聞き入れていただけず…」
「構わん。来ると思っていた。冬馬もそこに座りなさい。」
「よくも雪にまで!!雪にっ!!」
健之助さんに掴みかかろうと暴れる高校生男子をその腕一本で止める斎藤さんはタダモノじゃない。
執事って何?どういう資格制限があるんだろう?あれですか、万能じゃないとダメとか、武道経験ないとダメとか、募集要項に書いてあるんですかね?
「黙らんか!!!」
カッと怒声が響いた。空気がビリビリと震える。
「口の利き方もなっとらんガキは退出させるぞ。」
「っ!!ですがっ!!」
「冬馬、お願い。黙ってて?これは、私と健之助さんとの契約だから。」
「雪!」
「冬馬は、部外者だよ。」
私の言葉に冬馬が驚いたように動きを止め、そして表情を消すといささか乱暴に私の隣の席に座った。
「愚孫がすまないね。それで、さきほど契約と言ったが、君は何を求めようとしている?」
「私が医師になる道に進み、冬馬くんを決して裏切らない支えになることを確約する代わりに条件を4つ飲んでいただきたいのです。」
「それは?」
「一つ目は、金銭面です。我が家の収入で医学部は経済的に厳しいと考えているので、国立医学部に行ける程度の学費の借用をお願いしたいです。借主は私で、将来返済させてください。二つ目は今後二度と私の家族に介入しないでいただきたいこと。父の仕事もそうですが、弟のこともです。三つ目は、私と冬馬くんの関係に口を出さないでいただきたいということ。本人同士の気持ちが離れるなど、今後事情が変わっても、このようなやり方で別れを迫らないで下さい。当人同士で話し合います。四つ目は、あくまで冬馬くんの利益になると私が判断したときにしか動かないということ。私は健之助さんの駒にはなりません、ということです。いかがでしょうか?」
「ふむ。将来的に私がそれを破った際の害はない。私の裏切りの可能性を君はどうやって消すか、そのカードはあるかね?」
言われてポケットからICレコーダーを取り出して見せる。
「ここでの会話は私が録音しております。この約束を破られた場合にはこれを公表させていただきます。マスコミなどは健之助さんのお力で潰せるでしょうが、今はネットというものがございますから、一度拡散した情報は回収不可能。大病院の院長で東京の名のある大学でも教授をされている方が小娘一匹の将来に手を入れ、あまつさえお約束をも反故にするというのは、いささか外聞が悪いのでは?」
「…なるほど。ふふふっ、はははははは!」
いきなりの呵呵大笑にぎょっとする。
この目の前の、あまりに冷たい目で人を見るお方の笑う姿を見ることになろうとは…!
「相田さん、今回君がどこまで気付くか、どういう結論を出すか、どう話すかも含めて全て試させてもらった。君はなかなか詰め将棋が上手い。私が思った以上に有能そうだ。よろしい。その能力を私が買おう。君の条件を飲んでやろう。」
「待ってください、お祖父様!」
冬馬がそこで口をはさんだ。
「こんなやり方、俺は納得できません。雪の父親の仕事か何かで弱味を握ったのでしょう?それで俺と別れるように言ったんでしょう?これで雪の人生を左右させるなんて…!」
「本人がいいと言っているんだ。」
「言わせたようなもんでしょう!貴方がそうするのなら……俺は。俺は医者の道には進みません。」
「と、冬馬お坊ちゃん。」
冬馬が健之助さんを睨みつけ、斎藤さんが慌てたが、健之助さんはフン、と鼻を鳴らしただけだった。
「好きにするがいい。」
「…は?」
「お前は自惚れていないか。私がそう言われてお前を引き止めるとでも思ったか。それほどの価値はまだお前にはない。お前が医師にならないというならそれでも結構。その代わり、その犠牲になるのは彼女だ。」
「なっなんでっ…。」
「分からんか。彼女の今の約束を聞いていなかったのか?交渉は成立した。条件を守れば、彼女はこれから一医師として上林家に入るのだ。お前が上林家を継がず、医師にならないというなら、彼女が代わりにその重荷を背負うというだけ。」
「…!」
「私自身は、何も継ぐ者は男性でなければならんとは思っとらん。有能ならば女性でもいい。そうだな、例えば彼女を私の養子として迎え入れるということも出来るし、なんなら彼女を支えられるよう医師になった上林家の一人と結婚してもらってもいい。法律上の縁など容易に作れる。それでもいいのなら、そうしなさい。お前に惜しむ価値はまだない。」
「…っ!!」
膝の上で握られた冬馬の拳が震えている。
よほど頭に血が上っているんだろう、冬馬は、この方が冬馬以外を後継とは考えていないことにも、私の価値など冬馬を支える程度としか評価されていないことにも気づいていない。この方の嘘に気付けないのは、きっと冬馬が客観的に健之助さんの言動を捉えられないからだ。
しばらく黙った後、冬馬は言葉を絞り出した。
「………っ、撤回します。俺はっ…雪のためにも医師の道を進みます。」
「そうか。それなら励みなさい。私に言い負かされるようでは甘すぎる。…さて、相田さん、これは君が言った通り契約だ。書面の形で残させてもらう。いいね?」
これで私の人生の道は大きく決まる。
それでも後悔はない。
だって自分で決めたことだから。
「はい。」
私は頷いた。




