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クマ祭り後夜祭  作者: グリズリーアニキ
3/4

グリズリーと清坂

「いや~、ビックリ、ビックリ!」


 清坂は、世界を救った勇者みたいな顔で言った。


「ずいぶんご機嫌ですね。宝くじでも当たったんですか?」


 グリズリーが冷静に尋ねる。


「いやいや、違う違う! 『クマ祭り後夜祭』だよ! 前日の22時すぎに告知したのに、初日で15作品も集まったんだよ!? 普通に事件だろ、これ!」


「確かに……すごいですね。過去作品だけでなく、新作まで投稿されていますし……」


「だろ!? 始める前は、自分の作品だけが虚しく並ぶ未来しか見えなかったんだぞ!? 砂漠に立つ自販機みたいな孤独感だぞ!?」


「たとえが意味不明です」


「とにかく皆さま、本当に──」


「「ありがとうございます!!」」


 二人の声が完璧にシンクロした。


「ところで……」


 グリズリーが、やけに真剣な顔で言った。


「あなた……誰ですか?」


 沈黙。


 世界が一瞬、止まった。


「いやいやいやいやいや!! 何を言ってんの!? 作者だよ! 作者!!」


「では……私は……?」


「君はグリズリーだろ! 熊のグリズリー!」


「清坂正吾とグリズリーは、同一人物(?)ではないのですか?」


「え?」


「皆さまは、清坂さんを“グリズリーのアニキ”と呼びます」


「うん……だから、君の兄が俺だろ?」


「違います。“アニキ”とは、兄のような存在という意味の親しみを込めた呼称です。実の兄ではありません」


 沈黙。


「な、なんだって~!? じゃあ、俺は何なんだよ!? 戸籍上どうなってんだよ!?」


「私とあなたは、同一人物(?)です。したがって――融合しなければなりません」


「融合って……あの、『フュージ──』」


「いえいえ、それは怒られます。先月、書いていましたよね?」


「ああ、あれね……。でさ、ちょっと気になってることがあるんだけど……」


「何ですか?」


「もし君と融合したら、俺の見た目ってどうなるの? 毛深くなる? ごつくなる?」


「うーん……どうなんでしょう? 私にもわかりません」


「え? それ、嫌なんだけど。ごつくなりたくないし、毛深くなりたくないし──」


「ダメです!!」


「なんでだよ!? 選択肢ゼロかよ!? 『はい』しか選べないタイプのRPGかよ!?」


「安心してください。融合後も、最低限の人権は保証します」


「最低限って何だよ!? どこまで失う前提なんだよ!?」


「じゃあ、早速……融合しましょう」


「強引だな~。でもさ、見た目が嫌だったら元に戻せばいいんでしょ? 作者なんだから……できるよね? できるって言って? ねえ?」


 清坂はそう言いながら、グリズリーと視線を交わす。


 次の瞬間――


 二人(?)は横に並び、なぜか両腕をグルグル回し始めた。


「え? 君、今なんて言ったんだい? い、いや……僕の聞き間違いかな……。うん、きっとそうだ。僕はてっきり――」


 清坂が、突然、意味不明なセリフを語り始める。


「ち、違うって! そ、そんなこと考えてないってば!!」


(……何なの!? そのセリフ!! どこから引用してきたの!? 作者の脳内、どうなってるの!?)


 グリズリーが心の中で全力ツッコミを叩き込んだ、その瞬間――


 二人(?)が同時にバンザイのポーズを取り、清坂が叫んだ。


「魂のレボリューション!!」


 次の瞬間、二人の全身がまばゆい光に包まれる。


 光。

 衝撃。

 謎の効果音。

 そして鳴り響く、懐かしいCMのあの曲。


 やがて光が収まると、そこには――


 クマが立っていた。


「ガウガウ……ガウガウ……ガウ」


 清坂は、完璧にクマになってしまった。


 しかし――


 クマの姿のまま、器用にキーボードを叩き続けるのだった。

最後までお読みいただきありがとうございます。

誤字・脱字、誤用などあれば、誤字報告いただけると幸いです。

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― 新着の感想 ―
あっ、清坂さんとグリズリーアニキは別の生き物だったんですねw そして、完全にクマになってしまったw ということは、お仲間になってくださったんですねw
キーボードを叩けることが、作家の最低限の人権!d(^_^o)
朝から楽しいお話をありがとうございます。グリズリーアニキのおかげで確実に半年ずつ寿命が延びていると思います。
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