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第13話

 俺、凛、チャールズ、オーラは晩餐会会場の下見にやって来た。そこにはすでに100名近くの老若の魔女がいて、バカラ、ブラックジャック、ルーレット、テキサスホールデムなんかで遊んでいる。魔女ってけっこう稼げるのか? カジノで散財できるくらいには儲かってそうだけど。

 今はそんなことはどうでもよくて、



「2人はリンカがどこにいるかわかるか?」



 リンカはいる。俺たちの近くに。ならば今すぐに会いたい! 会って好きだと伝えたい!



「そんなの知らないわよ」



「あの人の行動は読めないからね」



 チャールズとオーラは呆れた様子で答えてくれる。



「そうですね。たぶんまだロンドンにいるんじゃないでしょうか?」



「ロンドン!? あと40分で始まるってのに?」



「はい。リンカさんはそういう人なんです」



 おいおいどういうことだよ。イギリスから日本まで約9時間。どう考えても日本に着く頃にはサバトは終わってるぞ。

 いや、そもそも序列1位のリンカを一般人と同じ物差しで測るのが間違っているのか。魔法か第八感かはわからないが、リンカはきっとここまで来るのに30分もかからないんだ。

 俺がリンカの人外っぷりに唖然としていると、



 ――ズドーン!



 轟音と共に目の前で青白い光が発生。その眩しい光が収まるとそこに白装束の集団が立っていることがわかった。

 その集団の中心には一際豪華な金のアクセサリーを身につけた小さな女の子がいて、手にはイエスが磔られた十字架の司教杖が握られている。そしてあのベレー帽みたいな小さな白い帽子……、



「あら、教皇ちゃんのご登場ね」



 と、チャールズ。



「ローマ教皇ッ!?」



 どうしてローマ教皇がサバトに!? それにどうしてロリなんだ? そんな俺の疑問は凛によって解決される。



「教皇様は数十年前から毎年サバトにVIPとして参加されています。法院にこそ所属していませんが、彼女自身も凄腕の魔術師で等級は星級ステラです」



「こいつもステラなのかよ!」



 よかった。教皇は純粋なロリではなくロリババアのようだ。

 等級とは魔術師連盟に所属する魔術師の階級のことで、下から3級〜1級(全体のおよそ90パーセント)、特級(全体のおよそ10パーセント)、座級サヴァラン(定員666人)、月級ムーン(定員153人)、星級ステラ(定員8人)に分けられている。母数が80万なので教皇がどれだけすごいかわかるだろう。星級ステラは他にもリンカ、ミア、魔女隊最高責任者のアイラ・ハンプトン=ローズ、監視役でありリンカとともに序列第1位のブラド・ツェペシとかがいるんだとか。

 ちなみに母さんは月級ムーン。母さんも何かとすごいよな。80万分の153だから上位0.001875パーセントってことだぞ。16年間生きてきてさっき初めて知ったけど。で凛、チャールズ、オーラは特級。これも普通にすごいことだよ。周りが異常すぎて少し霞んじまうが。



「アイラはどこ?」



「え!?」



 急に眼前に現れた教皇に俺は驚いて尻もちを着いてしまう。



「ねえどこ?」



 教皇は杖を着いたまま俺に顔を近づけてくる。



「え、ええっと……」



 アイラの場所なんて知らねぇ。それに近い! 教皇のバニラみたいな甘ったるい匂いが感じられるほどに! そして教皇から放たれる圧倒的強者のオーラ……威圧感! うう、なんかのぼせてきた……。



「ペトロ。こっちよ」



 そんな俺の耳に見知らぬ女性の声が聞こえてくる。



「アイラ! お久しぶり!」



「ええ、久しぶりね」



 真上から声が聞こえたので見上げると眼前にはシルクのように生っ白いふとももと純白の布――すなわちパンツがあった。

 ヤバイ! 殺される! 目と鼻の先にあるかわいいおパンツを履いているのは魔女隊最高責任者であり序列第6位の星級ステラの魔女。アイラが俺の存在を認識した瞬間、俺は消される



「あれ? さっきの男の人はどこに行ったの?」



「男? 見てないけど?」



「そっか。気のせいだったんだね」



 教皇は俺の行方をアイラに尋ねたが、アイラは俺にまだ気づいていないのでまるで知らんぷりしているみたいになる。



「デメンドンサ枢機卿、わたくしはアイラと向こうでお話をしますから、後のことは頼みました」



 教皇は枢機卿にそう言い残してアイラと共に会場を後にした。それと同時に俺の生存が確定し、俺はホッと胸を撫で下ろした。ふぅ、これで死なずに済んだ。アイラがバカで本当に助かったぜ。

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