表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
339/363

第319話 教会にて

場面変わってここからはクリス&ダイヤ編

■クリス




 俺とダイヤは久々にリッチ神父の教会に訪れていた。ミサのときは近所の教会を利用してるんだけど、今日は少し歩いてここまで来た。

 この教会は孤児院と隣接している。せっかくだから孤児院にダイヤの顔を見せに行きたいな。ダイヤは最年長のお姉さんだったからな。

 とりあえず教会のベンチに座って神父を待っていよう。ダイヤは脚をプラプラして神父が来るのを心待ちにしている。神父はダイヤを10歳まで育てた立派な親だからな。久々に会えるのが楽しみなのだろう。

 しばらくしてリッチ神父は女の子と共に地下室から出てきた。女の子は神父のガイストであるスピカではない。別の子だ。

 俺とダイヤはその女の子を見て絶句した。当然だ。その女の子の両腕は斬り落とされていたのだから。

 ボタボタと血が滴り、教会の床を赤く濡らす。しかし女の子はニコニコと笑ってリッチ神父を見上げている。

 この光景……イカれてる。意味がわからない。




「うっ。頭が……痛い」




 ダイヤが頭を抱えはじめる。突然どうしたんだ?




「これは何なんですか! ファーザーリッチ!」




 俺は尋ねた。




「やあクリス君、こんにちは。いいところに来たね」




 リッチ神父は目を細めて笑い、平凡な声色で言った。




「君! そこにいると危険だ! こっちに来い!」




 俺は少女に叫んだ。

 現状はまったく理解できないが、少女を助けなければ!




「どうして? それにあなたは誰? ファーザーのお友達?」




 何を言っているんだこの子は。どうして両腕が切断されているのにこうも平然としているんだ? 俺は君を助けたいのに!




「さあ、お家に戻ってなさい。せっかくクリス君が来てくれたんだから、私は色々お話ししてから戻るよ。戻ったらおやつタイムにしよう」




「わーい、やったぁ! 今日のおやつはなーに?」




「それはお楽しみだよ」




「えー! もったいぶらずに言ってよ〜! でもあたしは良い子だから、しつこく聞かないよ! じゃあ先に戻ってるね!」




「ああ。転ばないように気をつけて」




 少女は両腕の切断面から血をボタボタと落としながら元気よく教会を出ていった。

 俺とダイヤは走って少女を追いかける。少女が背中で押し開けたドアの先には教会の中庭が広がっており、少女は中庭を駆け抜けて向かい側の孤児院に向かっている。




「待て!」




 少女は孤児院の扉の前に立ち、




「戻ってきたよー! あーけーてー!」




 と、中にいる孤児たちを呼ぶ。両腕がないために扉を引くことができないためだ。

 少しして中の子が扉を開けた。数人の孤児が少女を出迎える。




「うっ……」




 俺は吐き気を催した。

 眼球、耳、あご、足……体の一部を欠損した少女たち。生々しい。包帯は血で赤く染っている。なのになぜかニコニコと笑っている。

 すると隣に立っていたダイヤがゆっくりと孤児たちに近づき、その1人の前に立って、




「……ごめんなさい」




 と、今にも泣きそうな声で言った。




 To be continued!⇒

ご閲覧ありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ