第318話 ストラトフォード邸の警備甲冑
■隆臣
今日はさすがに疲れた。重刹の習得、村雨との再開、アラカメルの討伐……色々あったなあ。明日は凛とジョーカーに合流してフランス観光だ。もう寝よう。
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俺は夜中に尿意で目を覚ました。時計は午前1時を示している。寝る前にしたはずなのに。
だが俺は5日前にセバスさんに「深夜0時以降、決して部屋から出てはいけない」と言われたことを思い出した。
とはいえこのまま朝まで待つことはできない。部屋の外がどうなっているのかはわからないが、トイレには行くしかない。
俺は部屋を出て、月光に照らされた長い廊下を進む。
すると、
――カシャン、カシャン、カシャン……
何か音が聞こえる。なんだこの音は……金属の音か? 夜のストラトフォード邸の廊下に金属音が規則的に響いている。足音だ。金属の何かが屋敷を徘徊しているんだ。しかも1つじゃない。2、3聞こえるぞ。
足音がどんどん近づいてきている。そして足音の主が廊下の角を曲がって俺の目の前に立ちはだかった。
「甲冑……? どうして動いているんだ?」
目の前のプレートアーマーは長槍を構え、その先端を俺に向けてくる。
俺の後ろからはもう一体の甲冑がカシャカシャ歩いてきている。挟まれちまったようだ。
なんとなくわかったぜ。こいつらは屋敷を警備しているんだ。おそらく家中に張り巡らされた術式でこの甲冑を徘徊させているのだろう。
さすがは魔女の家。夜になるとかなり物騒だ。この警備甲冑の他にも色んな仕掛けがありそうだな。
この警備甲冑をどうにかしてトイレに行かなければ。
村雨は部屋に置いてきた。武器なしで無力化するしかないな。残滓記憶喚起で身体能力を底上げし、警備甲冑の攻撃に備える。
目の前の警備甲冑が槍を突いてきた。
俺は正中線をずらして突きを躱し、ヤツの兜に右ストレートのカウンターをかます。
――ガンッ!
いってぇ! さすがに鉄兜を素手で殴るのは痛いな。それにヤツには全然効いてない。そうとなればアレを決めるしかないな。
「重刹!」
俺は攻撃のインパクトと同時に魔力波を放って右ストレートの威力を倍増させる。
――バコン!
鉄兜が胴体から外れて吹っ飛んだ。すると警備甲冑は動力を失ったロボットのようにピタリと動かなくなった。
そうか、頭を外せばいいんだな。了解だぜ。
俺は迫り来るもう一体の警備甲冑の兜も重刹で蹴り飛ばす。
よし、完了だ。俺は廊下を進んでトイレに駆け込み、用を済ませて俺は部屋に戻った。その道中で屋敷の警備システムに引っかかることはなかった。
To be continued!⇒
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