第311話 妖刀の力
■隆臣
アラカメルの右足が俺とエースに襲いかかる。
俺はエースを背中に隠して村雨を3回振り水の斬撃を3つ飛ばす。
――パキッ! バキンッ! ズシャン!
最初の2つの斬撃で胸部の甲殻を砕き、続く3つめで肉を斬った。
アラカメルは怯み、空中でバランスを崩してそのまま地面に落下。
やはり巨体ゆえに飛行能力は高くない。一度バランスを失えば空中での姿勢制御は難しいようだ。
「そこで待ってろよ、エース」
俺はそう言い残して村雨とともにアラカメルに突っ込む。
ヤツは牙を打ち合わせて炎を吹いてきた。
村雨で炎を両断。直後に水の斬撃が炎を押し返しヤツの頭部に直撃した。
さっきより大きく怯んでいる。いいぞ、効いてるな。やはりどんな生物も頭は弱点みたいだな。
アラカメルの脚元までやってきた。ここからが本当の剣の間合いだ。
村雨は斬撃を飛ばして中距離でも戦えるが、一番強いのはやはり近距離。刃が接触する瞬間に斬撃を放って攻撃の威力を増幅することができるからな。重刹みたいに。
ヤツは前足で俺を攻撃してくる。俺は村雨を一振。右前足の甲殻を破壊し同時に肉を斬り裂いた。
後脚の方にすばやく移動し、発達した後脚の甲殻を砕いてアキレス腱を斬る。アラカメルは転倒した。
硬い甲殻に直接刃が当たっても一切刃こぼれすることはなく、また付着した血も水によりすぐに洗いながされる。常に切れ味が最高の状態でキープされるんだな。
ヤツは羽ばたいて飛び立とうとしている。空中に逃げられたらかなり面倒だ。
「逃がすか!」
俺はアラカメルの翼の付け根に切っ先を向ける。水は槍のようにアラカメルの巨躯を貫いた。
すると案の定、翼を動かす筋肉を損傷したアラカメルは飛び立つことができない。
後脚と翼は封じた。ヤツは動けない。このまま一気に決める!
俺はヤツの首に斬りかかった。そして刃が当たる瞬間に斬撃を放ち、同時に刃に魔力を流し魔力波も発生させる。
最高の切れ味、倶利伽羅龍王の加護によるパワー、エースのガイスト能力による身体能力の向上、インパクトと同時に放った斬撃と魔力波。この4つの相乗効果による最大出力を俺はアラカメルにぶつけた。
――ズシャアアア!
アラカメルの首がスパンと落ちた。血の雨が降る。
俺は村雨を鞘に収めた。
村雨に魔力を供給した瞬間から俺は無意識に刀を振っていた。おそらく村雨が未熟な俺の代わりに戦ってくれていたんだ。
ありがとな、村雨。そしてこれからもよろしく!
To be continued!⇒
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