第303話 理論物理学者トーマス・シュヴァルツシルト
■凛
続いてわたしたちのところに来たのはハゲおじさんでした。
「私は理論物理学者のトーマス・シュヴァルツシルトです。シュヴァルツシルト家は他のシュヴァルツ七家と違って元貴族ではございませんし現在も一般的な生活を営んでおります。ですが本家筋では最もルードシュタット家の復活を喜ばしく思っております。どうぞシュヴァルツシルト家をよろしくお願いします。レディリン、レディリンカ」
トーマスさんはそう言ってボウアンドスクレープしてくださりました。
「ロード」
「え?」
「わたしはロードよ。覚えておきなさい」
「さようでございましたか。これは大変失礼いたしました。ロードルードシュタット、レディリンカ」
まったくジョーカーったらトーマスさんを困らせちゃって。
とはいえもう一度ボウアンドスクレープしてくださったのでわたしとジョーカーはカーテシーで返しました。
トーマスさんのオーラは一般人のそれと大差ありません。他のシュヴァルツ七家のおじいちゃんやクラウスさんとは比べ物になりません。
「あのー、トーマスさんのご先祖さまにカールさんという方はいますか?」
気になることがあるのでわたしは尋ねてみました。
「ええ。カールは私の4代前です」
「まさかシュヴァルツシルト半径の?」
「ええ。カールはシュヴァルツシルト半径を導き出した天体物理学者でした」
やっぱり!
カール・シュヴァルツシルトさんはアインシュタイン方程式からシュヴァルツシルト半径を導き出しブラックホールの存在を示唆した有名な天体物理学者さんです。
カールさんの息子のマーティンさんも恒星の構造や生成の分野で業績を上げ数々の賞を獲得した天体物理学者さんなのですよ。
トーマスさんはそんな偉人揃いのシュヴァルツシルト家の人だったのですね!
「トーマスさんも物理学者なんですよね! どんな研究をしているんですか!」
「私はCERNで時空間の研究を行っております」
「CERN! 時空間! わたし、気になりますっ!」
「物理学に興味があるのですか?」
「はい! とっても! 特に宇宙物理学はロマンがあって大好きです! もしよろしければ何かお話を聞かせてください……」
「さすがはミスターカズヤの娘さんですね。将来の夢は科学者ですか?」
「いえ、将来の夢はお嫁さんです! お勉強は趣味です!」
はっ! つい熱くなってしまいました。ジョーカーはジト目でわたしたちを見つめてもぐもぐ食事を進めていました。
「そ、そうでございましたか。ではいつでもCERNにお越しください。受付にトーマスに会いに来たと言ってプトレマイオスのブローチを提示して頂ければ、受付から私に連絡が入るようにしておきます。レディリンと語り合うのを楽しみにしていますよ」
「ありがとうございます! 絶対に行きます!」
To be continued!⇒
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