第295話 おっぱい
■ジョーカー
たまにはジャンクフードもいいわね。
ハンバーガー、フライドポテト、イカリング、オニオンリング、ピザ、ドリンクはコーラ。
最っ高においしいわ。けどこんなの絶対に太っちゃう。
「私の好物なんだー。ほぼ毎日たべてるよー。あーむ! うまうまー!」
ほっぺに手を当てて幸せそうに叫ぶアイラ。
ジャンクフードは太る。けどほぼ毎日食べているアイラは太ってない。おっぱい以外は。
そうアイラはおっぱいだけ太ってる。つまりジャンクフードを食べていればおっぱいがおおきくなるということだ。
わたしはガイストだから肉体的には成長しないって? うるさいうるさいうるさい! そんなのわかってるわよ! でもワンチャンにかけたっていいじゃない!
「ところでジョーカーちゃんはまだエリオットさんのことが好きなの?」
「ぶはっ!」
アイラの唐突な質問にわたしは思わずコーラを吐き出してしまう。
「どうしていきなりそんなこと聞くのよ! バカなの? 死ぬの?」
「顔が赤いよ? ほらほらどうなの? 好きなの? 好きなんでしょ!?」
アイラはわたしの碧眼を翠色の瞳で見つめてくる。
む、胸が……苦しい。圧迫されるようなそんな感じ。
次の瞬間、
――ぼいん!
「え?」
間抜けた声が出た。
「お、おっぱいが……」
でっかくなってる!? あまりにも突然過ぎて思考が追いついていない。きっとこれのせいだわ。アイラが用意してくれたジャンクフード! やっぱりジャンクフードを食べればおっぱいは大きくなるのよ!
やったーやったー! 大人になる前に死んだわたしには夢のまた夢だったこの重み。そして立ち上がれば足元が見えないこの気分! 最っ高だわ! これが夢にまで見たおっきなおっぱい!
あれ? あれれ? どんどん大きくなっていく。止まらない! おっぱいが膨らみ続けてる。もう前も見えない。わたしよりおっぱいの方が大きいわ!
――パンっ!
大きくなりすぎたおっぱいは風船のごとく弾けた。
「大丈夫大丈夫。元の大きさに戻っただけだから。それにしてもジョーカーちゃんったら一途なんだから〜! あんなに大きくなって最終的に破裂したのはジョーカーちゃんが初めてだよ〜。まさか370年たった今でも張り裂けちゃうくらい好きなんだね〜。愛されてるな〜エリオットさんは。わたしも誰かに愛された〜い!」
「騙したわね! この嘘つき! おっぱい詐欺師! わたしの夢を返しなさいよっ!」
わたしは涙目で訴える。
「この私が人を騙すわけないじゃん! あれは好きな人への愛の大きさに比例して胸が巨大化する魔術なんだよー!」
アイラはおっぱい詐欺師。ということは自分のおっぱいもサギってるに決まってるわ!
わたしはアイラに馬乗りになり、おっぱいをもぎ取ろうとする。絶対にすべてを暴いてやるっ!
「ちょ! 私のおっぱいは本物だって! エリオットさんのいるところ教えてあげるからもうやめてー!」
手を止めてしまった。
エリオットの……居場所? 知りたい! 教えて欲しい!
「会いたいわっ!」
会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい! 会って抱きしめてほしい。ちゅーもしてほしい。今度こそ……好きっていってほしい。
アイラは立ち上がってローブを翻してわたしたちに背中を向け、そして空に指をさした。
指の先にはありえないくらい巨大なまんまるなお月さまが輝いている。ここはアイラの心象世界なので昼でも月は巨大だし月光を放っているわ。
「エリオットさんはね。今……月にいるよ」
To be continued!⇒
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