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第291話 院長ロキ・バーグ

■ジョーカー


 ブラドの次は現院長のロキ・バーグだわ。

 ブラドと一緒は嫌だったけど我慢せざるを得ない。ブラド、凛、わたしの3人で挨拶回りを進めることになった。

 ロキの部屋は塔部分の最上階にある。昔のブラドの部屋と同じね。院長は塔部分の最上階の部屋が与えられるらしい。

 ロキの部屋の前に立つがブラドのような死人が出そうなほどの恐怖のオーラは感じられない。

 隣にブラドがいるから感じにくいのかと思ったけど、おそらくロキはオーラを抑制するタイプなんだろう。院長なのにオーラ全開で人を吐かせたら会話にならないものね。


「ロキ君、カペラちゃん。新しいプトレマイオスを連れてきたよ」


 ブラドが言うと目の前の扉がロキのガイストにより開けられた。わたしたちは中に入る。

 ロキの髪の毛は真祖らしく白くそして瞳は紅い。白を基調とした燕尾服を着てその上から長いマントを羽織っている。若い容姿と整った顔立ちに加えて高身長だからさぞかしモテそうな雰囲気ね。


「これはこれはわざわざありがとうございますブラド・ツェペシュ監視役。ちょうど僕もお目にかかりたいと思っていたところでして……」


 ロキは礼儀正しくブラドにお辞儀しながら言った。ロキは少年時代ブラドに命を助けられ弟子入りし後天的に真祖になった珍しいタイプの吸血鬼だ。


「お久しぶりです。リンカ」


「ええ、久しぶり。ロキ」


 ロキはわたしにも丁寧にお辞儀してくれた。さすがは公爵閣下ね。わたしもカーテシーで丁寧に返す。カーテシーなんてほんとに何百年ぶりかしら。一応わたしも侯爵家の娘だったからこの程度の礼儀作法は完璧よ。ロザリオ事件の最後でちゃんと全部思い出したから。

 それから形式的に自己紹介を済ませた。

 ロキの後ろから怯えて出てこない臆病な女の子はロキのガイストで名前はカペラというらしい。黄色いに華やかなドレスを着ている。まるでお花みたい。かわいいガイストを捕まえたわね。

 ロキは現在異能序列4位でフォルコメンに位置している。ブラド曰くロキは努力でここまでのし上がったのだという。たしかにわたしが法院にいた頃のロキは弱虫で強いという印象はまったくなかったわ。むしろ吸血鬼なのに弱いと思ってた。

 なのに現在は序列4位。今のわたしには到底適いっこないわ。

 そんなロキは二代目の院長で現在就任85年目なんだとか。戦後で秩序の乱れた法院を立て直し、国連で発言力のある機関にまで導いたのはロキで、実力だけでなく院長としての能力も超一流。まさに文武両道を体現したような人物ね。



 To be continued!⇒

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