第285話 メイドさん
■隆臣
イギリス料理ってまず見た目からおいしくなさそうだよね。色合いからして悪い。
とはいえ作っていただいたのだからには粗末にするわけにはいかない。しかもエーリンはあんなに楽しそうに料理の数々を食べている。きっとおいしいに違いない!
まずはスコッチエッグをいただこう。お……? これは意外といけるぞ! おいしい! スコッチエッグは日本でも食べたことがあるけどそれよりも美味いぞ! ソース、味卵、肉の旨味、食感がいい具合に調和を取っている。
さあお次はフィッシュアンドチップス。ポテトと白身魚のフライは言わずもがなおいしかった。これは食レポ必要ないよな。
ローストビーフ。これもうめぇ! 牛肉に臭みは一切なく、ソースが最高においしい。家で作るのよりもワンランク上の味わいだ。生肉が苦手なジョーカーもちゃんとローストビーフに手をつけてる。えらい! と思ったら噛まずに飲み込んでるだけだった。まあ残すよりはいいけど。
マフィンもしっかりおいしい。朝マックのマフィンを想像してたけど、それの倍はおいしかった。
さあ曲者――フィッシュパイだ。これはまず見た目のインパクトがすごい。パイ生地から魚の頭が生えているのだ。
スコッチエッグとかフィッシュアンドチップスとかローストビーフとかマフィンの味は想像できたけど、これに関しては本当に未知。
さあ食べてみよう。これは……想像とは全然違う! パイ生地に焼き魚がぶっ刺さっただけだから絶対味も素っ気もないと思ってたけど、意外とそうでもなかった。パイから飛び出ている焼き魚の頭はあくまで飾りで、パイ生地の中に焼き魚のほぐれた身がたくさん入っていた。焼き魚はしょっぱめで意外とパイと合う。おいしい!
「用意致しましたお料理は日本人の口に合うように味つけいたしました。お気に召されましたら光栄です」
エーリンの左斜め後ろに立ち並ぶ5人のメイドさんのうち最もエーリンの近くにいる豊満ボデーのメイドさんがそう言った。
日本から来る俺たちのために味つけを変えてくれたのか。
「ありがとうございます。わざわざ味付けまで変えていただいて」
「いいえ。お客様をもてなすこともメイドの務めですから」
ボインメイドさんが冷徹に答えてくれた。
5人のメイドさんのうち4人は俺と同い年か少し上くらいで、1人だけちっちゃい子が混ざっている。凛と同い年くらいだな。
「この子はメイド見習いです。気に入られましたか?」
ボインメイドさんがそんなことを言ってきた。まさか俺はあの子に見とれていたのか? いやまさかな。この俺に限ってそんなことはない。
「い、いえ。小さいのに頑張ってるなあって」
「そうでございましたか。アニー、お礼をいいなさい」
「はい。お客様、まことにありがとうございます」
アニーという小さなメイドさんは俺の近くまで来て丁寧にお辞儀してきた。かわいいメイドさんだなあ。
To be continued!⇒
ご閲覧ありがとうございます!




