第284話 イギリス料理っておいしくないイメージあるよね
■隆臣
昼飯前にぱっぱと荷解きしちゃおう。俺はキャリーケースを転がして隣のエースの部屋に行く。
ノックしてドアを開けると夜空色の瞳を青空色に変えたエースがベッドに座って部屋中を見渡していた。
門を通過してから第九感を発動して色々見ていたらしいんだが、やはりこの家には無数の術式や魔法陣が施されているという。特に玄関付近の術式は複雑なものが多く、魔法陣を利用している機構もあるんだとか。防犯対策だろう。
そしてこの家の地下には巨大な魔力石があり、それが屋敷中の術式や魔法陣に魔力を与えているんだって。
そんなことを聞きながら荷物を分けていると、
「あれ? あれれ!? パンツがない! どうしよう隆臣、パンツがないよぅ!」
そう言ってエースは困り顔で俺を見上げてきた。
「マジか。まあこっちで買えるからなんとかなるだろ」
「ごめんなさい」
「もしこれが宿泊研修とか修学旅行だったら大変だぞ? 替えのパンツがないのは」
「うん……。あ、でもコピーすれば!」
「まあ修学旅行のときは最悪そうするしかないな。でも新鮮なパンツじゃないのは嫌だろ? だからちゃんと確認すること! お前は4年生なんだから」
「うん、わかったよ。今度から気をつけるね」
「よしよし。わかればいい」
俺はエースの頭をなでてあげる。そしたらエースはうれしそうに目を細めてにっこり笑った。ああ、癒されるぜ。
■隆臣
2人の荷物を分け終わって少しすると昼食の用意ができたとのことでセバスさんが呼びに来てくれた。
俺とエースは部屋を出て廊下で凛、ジョーカー、レオと合流し、セバスさんに着いて行って食堂に到着した。正面階段1階側の両脇にある扉が食堂に繋がっていて、食堂中央には大きなテーブルと18脚のイスが設置されている。
エーリンが誕生日席に座り、エーリン側にみんな寄ってそれぞれ席に着く。
窓からは中庭が見える。中庭には東屋があり、天気のいい日に紅茶を飲みながら読書をしたら最高だな。俺には読書のイメージがないって? 中学時代はよく読んでたんだぜ。マンガとかラノベをな。
それはさておき、奥の部屋から何人かのメイドさんが出てきて料理を運んできてくれた。
俺たち6人の前に料理が並べられる。
「せっかくイギリスに来ていただいたのですからイギリス料理を堪能していただきたく思い、うちのメイドたちが腕によりをかけてつくったイギリス料理をご用意いたしました。左からスコッチエッグ、マフィン、フィッシュアンドチップス、ローストビーフ、フィッシュパイ、デザートのプディングでございます」
おいしそう! って言いたいけど、どれもあんまりおいしそうには見えないのはどうしてだろう。それにイギリス料理はおいしくないって聞いたことがあるぞ。実際どうなんだろ。
「食べよっか」
エーリンは笑顔でナイフとフォークを握った。こんなに笑顔ならきっと料理もおいしいはずさ。そうに違いない。
あ、そういえば英語にいただきますはないのか。
日本人にとって「いただきます」なしでご飯を食べ始めるのはどうしてもはばかられる。
俺、エース、凛、ジョーカーはちゃんと「いただきます」と言ってからナイフとフォークを持った。
それを見てエーリンとレオも一旦ナイフとフォークを置いて俺たち同様「いただきます」と言って食事を開始した。
To be continued!⇒
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