第283話 ストラトフォード邸
■隆臣
バカでかい木造の洋館は塀に囲まれていて、リムジンが門の前に停車すると自動で門が開いた。
この門はよくある感圧センサータイプではなく、特定の術式が刻まれた魔鉱石に反応するらしい。
玄関へのアプローチをリムジンが行く。左右対称の建物に左右対称の庭園。建物の白と庭園のカラフルな色のコントラストが美しい。
低木や花壇はきれいに手入れされていて中央には大きな噴水があり、アスファルトの道路はそれを迂回するように円を描いている。
白い台座に何かの石像が乗っかっている。遠くてよくわからないが動物っぽいな。日本の狛犬的な感じか? 至るところに配置されてる。
リムジンは屋敷の正面玄関前に停車した。セバスさんが降りて車のドアを開けてくれる。
「さ、着いてきて」
俺たちは言われるままエーリンに着いていく。
エーリンがドアの前に立つとドアはゆっくりと一人でに内開きした。これもさっきの門と仕組みは同じだろう。さすが魔女の家だ。とはいえ外装はきれいすぎて魔女の家感はゼロだな。さあ果たして内装は……。
「特級の魔女エーリン・ストラトフォードの家にようこそ! まずはみんなの客室に案内するよー! あ、荷物はあとでセバスが届けてくれるから安心して」
エーリンはそう言って中央の階段を上った。
内装は外装に比べて絢爛豪華だ。赤色のカーペットは金色の刺繍が施されていて、天井からは大きく煌びやかなシャンデリアがぶら下がっている。柱はクラシックな感じで、白い壁には絵画が複数飾られている。
「2階西廊下の客室がみんなのお部屋。客室にはベッドが1つしかないからみんな1人ずつだけど大丈夫?」
エーリンの質問に俺、レオ、ちびっ子3人組は大丈夫と答えた。もうみんな小四だもんな。一人部屋でも大丈夫だもんな。
そんなわけで俺、エース、凛、ジョーカー、レオは別々の客室に一旦入った。セバスさんから荷物をもらってから食堂で昼食をいただくことになっている。
セバスさんが来るまでしばらく部屋で待っていよう。とはいえ俺とエースの荷物は同じキャリーケースに入れてるからあとで分けないとな。
客室にはベッド、ドレッサー、クローゼットくらいしか見当たらない。廊下の豪華な感じとは真逆で室内はかなりシンプルだ。寝るためだけの部屋だな。
少ししてドアがノックされた。
「はーい」
ドアを開けると執事服を着こなしたセバスさんが俺とエースの荷物が入ったキャリーケースを持って来てくれていた。
「ありがとうございます。送っていただいた上に荷物まで運んでいただいて」
「いいえ、とんでもございません。隆臣様、今からこの屋敷のたった1つのルールをお教えいたしますので、決して忘れないようにしていただきたい」
「わ、わかりました」
屋敷のたった1つのルール。何なんだろう。
「屋敷のたった1つのルール……それは深夜0時以降決して部屋から出てはいけないということです」
「部屋を出てはいけない? トイレもですか?」
「はい、お手洗いも寝る前に済ませていただきたい」
「どうしてですか?」
「気になりますか?」
「はい」
「ならば簡単なことです。深夜0時以降に部屋の外に出てみればわかりますよ」
セバスさん、それ答えになってませんよ!
To be continued!⇒
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