第191話 ジョーカーのすごさ
◾隆臣
実際、凛とジョーカーが扱えるかは別にしてプトレマイオスに匹敵する力を持っているのは事実。
凛とジョーカーの決断を俺やエース、和也さんも否定することはできないだろう。
そしてレオは凛とジョーカーにあるものを渡した。
「プトレマイオスの証明証だ。これを提示すれば法院管轄の施設に出入りすることができる。ミズジョーカーの分も」
それは学生証サイズの紙ペラだった。英語で色々書いているな。かっこいいデザインの証明証だ。
「あと一応これも。プトレマイオスのブローチだ。2人分ある」
濃紺の宝石に金色の線で熊やライオン、鷲や烏、竜や少女が描かれている。少し大きめのブローチだ。
「家で大事に保管しておけ。これを着けるのは年に一度、プトレマイオス集会のときだけでいい。不必要に身につけると色々厄介なことになるからな」
「ありがとうございます」
「ありがとう」
凛とジョーカーは証明証とブローチを受け取り、少しの間観察する。
受け取り際に凛がレオに笑顔を向けると、レオは少し顔を赤くした。こいつ、さては凛のキュートでかわいいかわいい笑顔に射抜かれたな? 俺にはわかるんだぜ。何度も凛の笑顔に射抜かれてきたからな。
「このデザイン、わたしが生きていた頃と変わらないのね。懐かしいわ」
「となると1659年からデザインは変更されてないのか」
「なんでわたしが死んだ年知ってんのよ」
「欧米ではそれくらい常識だ。黒魔女伝説っていうおとぎ話にもなってるし、普通科でも3年生で黒の魔女について教わるからな。それにお前の命日――3月4日は祝日になってるし」
「わたしってそんなに有名人だったの? てかわたしの命日を祝日にするな!」
「欧米で一番有名な魔女といったら間違いなく君だからな」
「え、え〜っ!」
ジョーカーはうれしくも恥ずかしそうにほっぺたを桃色に染めて驚いている。かわいい。
てか本当にすげーんだな生前のジョーカーって。ぜんぜんそんな風には見えないのに。ただのかわいい女の子にしか見えないのに。
「やっぱジョーカーはすごいね。かっこいいね!」
「うぅ……かっこよくないわよ」
目をキラキラ輝かせてエースはジョーカーを見つめている。ジョーカーの反応かわいい! レオの話を聞く限り、ジョーカーはもはや英雄だな。
けど、俺は黒魔女伝説なんておとぎ話聞いたことないぞ。黒の魔女についても教わった覚えはない。日本ではあまり浸透してないみたいだな。
凛、ジョーカー、エースも黒魔女についてはまだ習っていないみたいだし、やはり日本と欧米では授業の進め方とか優先事項が違うんだな。
するとジョーカーは首を大きく横に振って、
「わたし、自分の墓からテスティモーネのブローチと星級のブローチを回収したんだけど……」
「ややこしいことになるからめんどくさいことになるから頼むから飾ったままにしておいてくれ」
◾レオ
どうしてだろう。眠れない。あの子の笑顔が思い出されて、目が冴えてしまう。
俺は一体……どうしちまったんだ?
To be continued!⇒
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