第188話 お見舞い
◾亮二
東京大学医学部附属病院。
「よ〜ぅアリっち! 元気か〜?」
「見舞いに来たぞ」
「あはようアリスちゃん!」
篝、俺、奏はそれぞれそう言ってアリスの病室に入った。お見舞いにやって来たのだ。
「みんな来てくれてありがとう」
アリスはにっこりほほえんで、
「座って座って」
短くなった腕で周りに配置された丸椅子を示した。
「大丈夫なのか?」
俺はすぐに尋ねた。LINEで何回も聞いたが、やっぱり本人の口から直接言葉を聞きたい。
「大丈夫だって、心配いらないよ。ほら!」
アリスは短い手足を懸命に動かしてみせる。
「それならいいんだが」
俺は少しほっとした。
◾亮二
しばらく4人で会話をしていると、
「あ、そうだ私ちょっと用事があるんだったー!」
「そういえば俺もだ! てなわけで亮二、後は頼んだぞ」
奏と篝はそう言って病室を出ていってしまった。
「お、おい!」
なんなんだよアイツら。てか俺も今日は妹の誕生日だからはやく帰ろうと思ってたのに。
「亮二も帰っちゃう?」
「え?」
アリスは俺を上目遣いで見つめてくる。それはやめろよ。反則だぞ。
「プリン、食べさせて欲しいな」
「……おう」
俺は冷蔵庫からプリンを取り出し、蓋を開けてプラスプーンでプリンをすくった。
アリスは目を閉じて口を開けている。
改めて思う。アリスはかわいい顔をしている。そしてなんかいつもと違うような気がする。
俺はアリスの口にプリンを運んでやった。
「んー! おいしい!」
けど美味いもん食ったときの反応は変わらないな。
「今日は来てくれてありがとね、亮二」
「元気そうでよかったよ」
俺がそう言うと、アリスは俯いて、
「ほんとはね。痛いんだ」
「え?」
「みんなに心配をかけたくないから、嘘ついてたの。けど、亮二にだけは本当のことを伝えるね。私、本当はすっごく痛いんだ」
「アリス……」
「ごめんね急に。けど、亮二にだけは私の本当を知って欲しかったの」
なんで泣いてんだよ。泣くなよアリス。
「亮二にだけはワガママ言いたい。もう少し、そばにいて? 痛くてね、怖いの」
すまんな妹よ。今日は大切な友だちのワガママを聞かせてくれ。
To be continued!⇒
ご閲覧ありがとうございます!




