第176話 魔剣の蔵とイナリちゃん
◾魔剣の蔵
「ああ〜ん! イナリちゅわ〜ん!」
俺は狐耳狐尻尾浴衣幼女に抱きつき、もふもふふわふわでボリューミーな尻尾に顔を埋めた。
「や、やめぬかいきなり!」
「やめられないとまらない! それがイナリちゃんの尻尾でしょ!? もふもふふわふわで病みつきになる!」
「ぬぐぐ〜っ! やめろといっておるじゃろぉ〜っ! ぁんっ! そこはだめなのじゃ……あぅぅ、やめるのじゃあ」
イナリちゃんはまあるいほっぺにまあるい涙を伝わせ、首につけた鈴をちりんちりん鳴らしながら抵抗してくる。でも力が弱いから全然抵抗できてない。
「はーなーれーろーっ!」
「うぉ!」
俺の体が宙に浮いた。そして地面に叩きつけられる。
「念動力はずるいよ、イナリちゃ〜ん」
「お主が離れないからであろうっ!」
イナリちゃんはほっぺたをぷくぷく膨らませてぷくぷく怒ってくる。
「まあまあそんな怒んないでよ」
「妾は尻尾が弱いのじゃ。お主もそれくらい知っておろう」
「ははは」
「笑うでないっ!」
泣くほど尻尾が弱いらしい。
イナリちゃんは涙を拭い、自分のしっぽを俺から守るべくぎゅっと抱き寄せ、
「ところで、お主は幸隆の妖刀を奪いに来たのじゃろ?」
「そうだよ」
「幸隆には13人の防衛隊がおる」
「13人か、けっこう多いね」
「法院魔女隊の魔女が6人と使い魔が1匹、幸隆の弟子の第八感覚覚醒者が2人、そして元プトレマイオス32位のロマーノ・マリーノを打ち倒した2人のガイスト使いと2人のガイストだ」
「なかなか恐ろしいメンツが揃ってるじゃん。これは久々に楽しい戦いになるかも」
「やめておけと言っておるのじゃ。いくらお主でも禁忌魔法には適わぬ」
「それでも勝つのが男でしょ。人数差とか禁忌魔法とか関係ないのよ。勝つだけだから」
「正気か?」
「俺は常に正気さ」
「そうか」
そう言ってイナリちゃんは手を大きく広げた。
「イナリちゃん、そりゃないって」
「妾はこの学園の守護神だ。学園の生徒に害をなそうとする者がいれば、それを退ける」
「俺は女の子を傷つける趣味はないんだよねぇ。どうかそこをどいてくれないかな?」
「……」
しかしイナリちゃんは動かず、
「妾を倒すのじゃ。ここを通りたくばっ!」
そう言って俺をキリッと睨みつけてきた。
To be continued!⇒
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