表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ずぼらな悪役令嬢×空から降って来たヒロイン=溺愛ルート??  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【おまけの番外編】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

23/27

ヒロイン視点(3)

 素敵なソプラノボイスが聞こえ、中に入るように応じてくれる。


 いよいよだ――。


 ロイに続いて応接室に入り、その豪華さに息を呑む。


 一面がガラス窓になっており、そこは完璧に手入れされた庭園が見えている。

 きっちり刈り込まれた芝生とトピアリー。そこに飾られている大理石の女神像。まるで公園のように噴水まである!


 すごい!


 やはり前世のヨーロッパの宮殿のようだ。

 そしてそれらの景色を背景にソファに座るグロリア……。


 宝石のような碧い瞳に、輝くようなブロンド。

 アクアブルーのドレスには繊細な刺繍があしらわれ、とても美しい!

 透明感のある肌に、バラ色の唇と頬。

 にこやかに微笑む姿は……め、女神様だ……!


 思わず祈りたくなるが、その彼女の座るソファの後ろに、綺麗な姿勢で立っている王子様のような青年がいる。


 アイスシルバーの髪に、瞳はサファイアのようだ。西洋人らしい高い鼻で、彫りの深い整った顔立ち。しかもグロリアに負けないぐらいの美肌で、長身でスリム。スリムだが引き締まった体つきをしており、前世風で言うなら見事な細マッチョ様だ。


 その王子様のような青年が口を開く。


「ロイ。僕達は隣室へ行こう。グロリアは彼女と二人きりで話したいそうだ」


 グロリアにあわせたかのような、彼女のドレスより少し濃いアクアブルーのセットアップを着た青年が笑顔になる。


「分かったよ、エルク。じゃあ、リコ。失礼がないようにするんだよ」


 「は、はいっ」と私が返事をすると、グロリアは彼対面のソファに私が座るようにと勧めてくれる。


 着席しながら気が付く。エルクという名前。彼こそがエルク・ウィリアム・ハリントンであり、この国の筆頭公爵家の令息だ!


 ハリントン公爵家といえば、神官や神官見習いで知らない人はいない。なぜなら大神殿に多額の寄付をしているため、その名があちこちに刻まされているからだ。ハリントン公爵家の寄付で建てられた図書館。ハリントン公爵家寄贈の巨大なタペストリー。ハリントン公爵家が寄進した絵画などを、日々目にしていたのだ。


 そんなエルクとグロリアは婚約しており、一年後に挙式すると新聞で紹介されていた。


 まさに美男美女の二人に、ほうっとため息をつきそうになっていると――。


「じゃあ、グロリア。ごゆっくり」


 エルクはソファに座るグロリアが振り返ると、そのおでこへ優しくキスをする。

 大神殿でも神官が参拝者に祝福を与える際、おでこへキスをするのだが……。

 エルクのグロリアへのキスは、何とも絵になるというか、映画のワンシーンを観ているよう。

 何より、エルクの動作が洗練されているし、その眼差しにグロリアへの深い愛が感じられる。


 相思相愛の二人。挙式前だが既にラブラブだった。


 そんな様子を見た私は気持ちが温かくなる。

 二人の未来に幸あれ――と心の中で祈ってしまう。


 そうしている間にも、王子様なエルクとロイが退出。そこでグロリアは私が手に持っているカラーと香油に気が付き「もしかしてプレゼントかしら?」と微笑む。私は「は、はいっ! 大神殿の中庭で摘んだカラーと、私の手作りの香油です。もしよろしければ、受け取ってください!」と伝えると……。


「嬉しいわ。大神殿のカラーはとても貴重よ。それ以上にあなたの手作りの香油。大切にするわね」


 女神の微笑みに、自然と私も笑顔になる。


 なんて素敵なご令嬢なんだろう。

 そしてロイ同様、とても同い年には思えない……!


 笑顔のグロリアは、私が先程謝罪した侍女にカラーを渡し「エントランスにいけましょう。今晩の夕食会にいらっしゃる伯爵夫妻がご覧になったら、喜ぶと思うわ」と伝える。「かしこまりました、お嬢様」と侍女も笑顔。


 大神殿のカラーは、参拝者が買い求めるぐらい人気のもの。

 それを見るだけで、邪気が祓われると言われているぐらいなのだ。

 自身の部屋に飾り、独り占めすることもできるのに。

 来客にも見せようと考える彼女の配慮に、密かに感動してしまう。


 私が感動している間に、侍女は退出。ソファの前のローテーブルに用意されているティーカップにメイドが紅茶を注ぎ終えると……。「別室で待機してもらえる?」と、メイドにグロリアは伝えた。


「!」


 気付けばグロリアと私、二人きりになっている!


 これは神官見習いのワンピースの上に乗せた手を、ぎゅっと握りしめ、深呼吸。

 そんな様子の私を見ると、グロリアはクスクスと鈴のような声音で笑う。


「そんなに緊張しないで平気よ。聞いて驚くかもしれないわ。でもね。私もあなたと同じなの。この世界に、転移ではなく、転生したのよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【一番星キラリの作品を紹介】
作品数が多いため、最新作を中心にバナーを並べています(2025年12月の大掃除で・笑)。 バナーがない作品は、作者マイページタイトルで検索でご覧くださいませ☆彡

●紙書籍&電子のコミカライズ化決定●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢に転生したらお父様が過保護だった件~辺境伯のお父様は娘が心配です~
『悪役令嬢に転生したらお父様が過保護だった件~辺境伯のお父様は娘が心配です~ 』

●これぞ究極のざまぁ!?●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢は死ぬことにした
250万PV突破『悪役令嬢は死ぬことにした』

●出版社特設サイトはコチラ●
バナークリックORタップで出版社特設ページへ
婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!
80ページが試し読みできる特設サイトへ
『婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!』


●溺愛は求めていませんよ?●
バナークリックORタップで目次ページ
平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!
『平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!』

●壮大なざまぁを仕掛けます!●
バナークリックORタップで目次ページ
婚約破棄された悪役令嬢はざまぁをきっちりすることにした
『婚約破棄された悪役令嬢はざまぁをきっちりすることにした』

●章ごとに読み切り!●
バナークリックORタップで目次ページ
ドアマット悪役令嬢~ドン底まで落ちたらハピエンでした!~
『ドアマット悪役令嬢はざまぁと断罪回避を逆境の中、成功させる~私はいませんでした~』

●商業化決定●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢はやられる前にやることにした
『悪役令嬢はやられる前にやることにした』

●もふもふも登場!●
バナークリックORタップで目次ページ
断罪の場で自ら婚約破棄シリーズ
『断罪の場で悪役令嬢は自ら婚約破棄を宣告してみた』
日間恋愛異世界転ランキング3位!

●コミカライズ化も決定●
バナークリックORタップで書報ページへ
断罪後の悪役令嬢は、冷徹な騎士団長様の溺愛に気づけない
ノベライズは発売中!電子書籍限定書き下ろし付き
『断罪後の悪役令嬢は、冷徹な騎士団長様の溺愛に気づけない』


●心温まる物語●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢は我が道を行く~婚約破棄と断罪回避は成功です~
『悪役令嬢は我が道を行く~婚約破棄と断罪回避は成功です~』は勿論ハッピーエンド!

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ