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対峙するもの

ギギッと音を立てて馬車は止まった。さっと私たちは馬車を降りた。御者台に乗っていたルカリオは私達の前に出て隠しナイフを出してケルベロスと一人で対峙している。

(居るんだろう。バルトロ。お前が居ることはもうわかっている)

セインは静かに念話で語りかけた。ケルベロスの巨体の背に居た白い神官服をきた人が立ち上がった。長い白い髪に赤い目、本で読んだことのあるアルビノということだろうか?整った女性的な綺麗な顔をしている。


「お久しぶりですね、セイン。大きくなって」

(久しぶりに会った親戚みたいな口調は止めろ。僕は怒ってるんだからな!)

セインは大きな口を開きシャーっと威嚇音を出した。

「おやおや、そう怒らないでください。…まあ、この状況では難しいでしょうが」

(ルクレツィアに何を言われたのか知らないが、このお姉さんを殺したらディーノがお前を地の果てまで追って殺すぞ)

「…そこまでの女性なのですか?」

(今まで居ない程のお気に入りだ。お前なんかディーノに一閃されて終わるぞ。今引き上げたら黙っておいてやっても良い)

「…困りましたね。ルクレツィアからは必ずどこか居なくなるようにと、言われているんですが」

ふわっと飛び上がると重力を感じさせない動きで地面に降り立つ。


「私が居なくなればルクレツィアさんは満足なのですか?」

「ええ。そう聞いています。私は彼女の命に従っているだけですので」

「…わかりました。それでは、王都を出て生まれ育った村に戻ります」

(お姉さん!?)

「ただ、私には竜の加護というのが生まれつき備わっているみたいなんです。それがあると相性の良いセインを無意識に呼んでしまう。ディーノさんと暮らすことになった原因です。このままでは本末転倒になります…その加護を無くすことはあなたに可能ですか?」

ふーんと考え込むようにバルトロは顔を下げた。

「…魔法使いエイブラハムになら或いは…」


(お姉さん)

心配そうにちびドラゴンが顔を上げる。

「セイン、良いのよ。私みたいな村娘には過ぎた代物だわ」

「…交渉成立、ということで宜しいですか?」

白い長髪がさらりと強くなってきた風に揺れた。

「ええ。あなたが私やこの人達を殺さないというのなら…従います。よろしくお願いします」

(お姉さん、ダメだよ…ディーノはきっと許さないよ…)

小さなドラゴンの言葉は聞かないふりをした。

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