第93話:ギルドにて
どもどもべべでございます!
期限の一週間を過ぎての投稿、申し訳ございません。
そして相変わらず蛇足が本編。まぁじっくり成長する彼を見守ってくださいな!
どうぞ、お楽しみあれー!
オリアンティがアーケンラーブの町に帰ってから、数日。
俺はハノンの訓練をしつつ、装備の新調を考えていた。
今回の冒険は、間違いなくハノンの耐久力が重要になる。フロキアもオリアンティも居ないからな。ヘナは盾状態が基本と考えると、実質俺とハノンの2トップだ。
俺だってこの体を鍛えちゃいるが、角兎の耐久力は並みの域を出ない。それに対する対策は色々と凝らしてはいるんだがな。
だから、ハノンが今回は前に出て、盾役としてしっかり活動できるかが肝になってくる。
「と、言うわけで、フロキアさんに装備についてアドバイスが欲しいなと……一緒に武具屋に来て欲しいんです」
「わかった、すぐに行こう」
「ダメですよ! 銀貨級の人達が集まるミーティングまであと少しなんですからっ」
冒険者ギルドのホールにて。フロキアは即座に、受付嬢のパメラから停止命令を下された。
お前、集会をすっぽかして行くつもりだったんか。阿呆か。
「後輩を育成するためです。ミーティングは不参加ということで」
「もう、その角兎がいれば問題ないじゃないですか。フロキアさんが出張る必要は全くありません!」
「むぅ」
パメラがこの町でも古株だという情報は、ある程度冒険者には知られたものだ。だもんだから、こういう風にしっかりと言われると二の句を継げない奴らは多い。
かく言う俺だって、このババア相手だと何をされるかわからんかったからな。
『角兎の討伐依頼を御所望のようだねぇハゲ坊主?』
『わざわざ念話で脅しをかけてくるんじゃねぇよ! あと今はフサフサだ!』
まったく、勘の良さは化け物並みだな!
「とにかく、今回は新しく発生したダンジョンの探索部隊を組むためのミーティングなんです。フロキアさんには発見者として、絶対に参加していただかないといけませんよっ」
「……やむを得んか……」
「あはは……フロキアさん、説明、よろしくお願いしますね?」
ふむ、そういう事なら仕方ないな。
ダンジョン探索部隊の編制。それは事前にどんなモンスターがいただとか、どういう傾向のダンジョンだったなどを説明する者が必要になる。
俺たちが見つけたダンジョンで、あの場に居合わせた中で一番等級が高いのはフロキアだ。ならば、ハノンよりもフロキアが優先的に説明の場に立たされるのは当然と言える。
なにより、ハノンを銀貨級の群れに放り込むのは避けたいしな。曲者が多いし。
「ハノンくん。今回は残念なすれ違いだが、次は必ず誘ってほしい。頼んだよ?」
「えぇ、もちろんですよ」
ハノンの手を握って必死にねだるフロキア。顔が良いからこそ許される行為に、おっさんである俺は多少の憤りを感じてしまう。
酒場で看板娘にああいう事したら、かつての俺は衛兵を呼ばれていたぞ……。
「「ガタッ」」
「シッ、座ってなさい……!」
「でもでも、あんなに顔が近いわ……! 私もう、もうっ」
「あぁもう、落ち着きなさいっ」
ほら見ろ。周りからもいぶかし気な視線を送られてるじゃねぇか。
「まったく、フロキアの坊やはハノンに会ってから変ったねぇ。そういう事をしているから、組織に目をつけられるんだよ……」
『あん? 組織?』
『……何でもないよ』
つい口をついてしまいましたって感じで誤魔化したな、おい。
組織ってなんだよ、組織って。なぁ。
『うるさいねぇ、アンタには教える訳にはいかないんだよ。信用問題さね。別にアンタらに直接害のある話じゃないってのは保証するさ』
『……まぁ、あんたがそう言うんならそうなんだろうが……』
なんか釈然としないながらも、この話はそれ以上パメラから聞き出すのは無理そうだった。
となると、これは冒険者案件じゃあ無さそうだな。だったらまぁ、俺も専門外か。
『おいハノン、これ以上フロキアを拘束するわけにもいかん。無理だってんならさっさと行くぞ』
「あ、はいっ。それじゃあフロキアさん、行ってきますね」
「あぁ……」
それから、少しハノンの手を堪能した後、フロキアは渋々会議室に歩を進めていった。
これでようやく武具屋にいけるな……一連の流れだけで疲れたから、商品がごちゃついてるハイゼンには行きたくないんだが、あそこ以上に良い武具を扱ってる場所がないのが残念過ぎる。
『とりあえず、ダンジョン発見による報酬で買える範囲で揃えるからな。あと、遠出用の保存食の予約とかな』
「あの時、結構貰ったですけど……かなり良い装備に手を出すんですか?」
『あぁ、今回はがらりと戦略が変わるからな。ほぼ一新のつもりでいくぞ』
「わぁ……た、大変そうですね……!」
なんせ俺ら2人とヘナだけだからな。少人数編成、かつ遠出用の装備を揃えていかないと。
装備だけじゃない。仲間に頼れない分、自分を救うための道具はいくらあっても足りないんだ。体力回復だけでなく、魔力回復のポーションにも手を出さないといけなくなる。
竜の息吹亭に一ヵ月無料で泊まれるという報酬がなければ、到底こんな選択肢は取れなかった事だろう。
『今回でひとまず、装備に関しては一区切りになるだろう。本格的にお前に合った装備を見繕うからな。それが終われば、ハノン目標の一軒家の為に、貯金でも始めるかね』
「わ、わ、良いですね。早くお風呂付一戸建てでのんびりしたいです……!」
『……身内を見つけるのの目標なんだよな?』
「も、もちろんですよっ」
ま、拠点を作るのは大事だし、とやかくは言わんさ。
『んじゃ、行くかね』
「は、はいっ」
さぁて、日が暮れるまでに選びきれればいいんだがな……!




