第91話:やだやだフロキアくん
どもどもべべでございます!
僕の部屋には一円貯金してるペットボトルがあるのですが、先日解放した際、4000円くらいの金額になりました。
これ、どうやって使えばええのん……。
まぁ、そんなこんなでご投稿! どうぞ、お楽しみあれー!
「反対だ」
「ですよね」
「ですわよね」
「…………(コクコク)」
「フス」
ギルドから帰った俺らの話を聞いたフロキアは、当然のように反対意見を述べた。
依頼で手に入った卵を使った宴会は終わり、俺ら以外は片付けをしていた事もあり、食堂はいつもの落ち着く雰囲気に戻っている。
「私はこのパーティの前線だ。その役割に穴を開けてはいけないだろう」
「それは……確かに、フロキアさんがいないのは、大変だと思うんです……けど……」
まぁ、正直厳しいだろうな。
俺らの戦闘における基本は、俺とフロキアで前線をかきまわし、ハノンが後衛を守ってオリアンティが魔法火力を叩き込むというものだ。
ここからフロキアを抜いた場合、俺一人での前線の構築は難しいと断言できる。だからこそ、ハノンを前線で立ち回れるように鍛える必要がある訳だからな。
「ハノンくんの目的は先日聞いたからね、その町が気になっているのはわかるし、止める気もない。ただ、私が同行できないというのは納得云々以前の問題だ。そんな条件を飲む義理は……」
「いや、貴方の今の立場はギルドが保証しているのですから、そこはギルドマスターの裁量ではありませんの?」
「…………」
余計な事を、って顔してんなぁ、フロキア。
だが、現段階でフロキアが町から離れる事の痛手は納得して欲しいところだ。ただでさえこの街では、かつての大討伐で銀貨級が足りてないんだからな。
ましてや、これから新しいダンジョンを調査するのにも人手を割かないといけない。浅い階層は銅貨でも良いだろうが、ある程度の深度となると銀貨の手は必須だと言える。
もしかしたら、金貨級も駆り出されるかもな。
「そ、その、僕もこの度、銅貨級に上がれるようになったんです。だから、ある程度は安定した活動ができるようになりますし、少しは皆さんを安心させてあげれるんじゃないかと……」
「おめでとう。だが、私が言いたいのはそういう事じゃないのはわかるかい?」
「あう……」
「君がダンジョン内に落ちた時、心臓が止まるかと思った。またあの感覚を味わうなんて、私が耐えられない。思い直してはくれないだろうか?」
うん、まぁ、フロキアが心配なのは単純に、ハノンの身の安全なんだろうな。
そこはわかる、わかるからこそ、何と言ったらいいのやら。
無理言って、フロキアも同行できるようにしてもらうか? いや、アルバートの奴を言い負かすなんて、少なくとも俺にはできんしなぁ。
「んもう、フロキアさん! 貴方はハノンさんを信用できませんの!?」
「っ」
俺とハノンが顔を見合わせているなか、痺れを切らした奴が一喝をぶつけてきた。
まぁ、この中でここまではっきり物言いするのなんて、俺以外では限られる。
当然のように、オリアンティだ。
「何を言っている。信用どころか信頼しているに決まっているだろう?」
「でしたら、大手を振ってハノンさんを見送るべきですわ! 今の貴方は、ハノンさんを過小評価しています!」
「……? そんな事……」
「未探索のダンジョンに迷い込んで、見事生還を果たしたのは誰ですの? ゴーストを撃退できたのは誰の功績と聞きました? かつて悪魔の一撃から仲間を守ったのは、どなたでしたか!?」
「…………」
……どうやらオリアンティは、ハノンを一人の男として見てくれていたらしい。
俺らとフロキア、そしてオリアンティがつるみ始めたのは、ハノンが冒険者になって浅い頃だ。
そこから既に、一月以上。共に依頼をこなした回数は少ないだろうが、その時間は濃密だと言える。
成長を認めてくれている。その事実に、ハノンの涙腺が崩壊しかけているが、今はもう少し我慢しような?
「彼はもう、立派な冒険者でしてよ? ならば、個人で活動することになんの戸惑いがありますか! 笑って背中を見送って、お勤め済んで戻ったならばスープで胃を温めてあげるくらいが丁度いいですわ!」
なんで牢から出所したオジキに対しての対応っぽいん?
「……わ、私は……ハノンくんを、信じきれていなかったのか……!」
お前もよく今ので説得されたよな!?
「すまないハノンくん、私が間違っていた。君は確かに、共に背中を預け合える、一人の冒険者だ」
「い、いえ! 心配してくれるのは嬉しいです、よ? ……あの、という、ことは……」
「あぁ、私は君を信じて、このグランアインを守る役目を果たそう。だから、必ず帰ってきてほしい」
「……は、はい! 僕も、この町でお風呂付きの家を買うっていう目標ができましたからねっ、必ず帰ってきます!」
ま、まぁ、これで丸く収まったか。
話し合いの結果、フロキアはグランアインに残って冒険者活動。そして、この町の冒険者ではないオリアンティと、そもそも冒険者ではないヘナが同行してくれることになった。
この状態でも、ハノンが盾モードのヘナを装備して前に立てるようになれば、充分に戦えるだろう。つまりここからの特訓は、防御訓練がほとんどだな。
方針も固まったし、今日はここでお開き。それぞれの部屋に行って、休む事になったのであった。
まぁ、ハノンは風呂に直行したけどな。
◆ ◆ ◆
ハノンの訓練を初めて、一週間後。ギルドの訓練場にて。
「ハノンさん、ちょっとよろしくて?」
「はい?」
「遠征の件ですが……実家に帰らなくてはならなくなったので、行けなくなりましたわ」
「「!?」」
オリアンティが、離脱することになった。




