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第54話:ハノンの素質

どもどもべべでございます!

四日連続だー!

そもそも書きやすい作品だからか、ブースト入ると筆がとまらないー!

ではではご投稿! どうぞ、お楽しみあれ~

 

「や、やりました……! オリィさん、フロキアさん、ヴォルさん……凄いですっ」


 オークが完全に沈黙した所で、ハノンが声を上げる。


「み、皆さん、本当に……あんなに大きなのを、やっつけちゃうなんて……!」


 緊張が今になって振り切れたのだろう。妙にテンションが高い。ま、今回はかなり活躍できてたしな、新米冒険者がよくなる状態だ。


『おう、お前もよくやったよ』


「あうっ」


 けど、下手に騒がしくしすぎてもいけねぇ。祝いはダンジョンを出てからだ。

 ハノンの頭の上に飛び乗り、前足で頭を撫でてやる。ハノンはバランスを崩しそうになるも、「えへへ……」と目を細めて素直に撫でられていた。


「うん、今回はかなりうまく回ったな。よくやったね、ハノンくん」


「まぁ、庶民にしては及第点と言って良い働きでしたわね」


「っ……え、えへへ……」


 荷物をごそごそと漁りながら、フロキア達もハノンを褒めている。

 うんうん、褒めるときは素直に褒める。いい事だ。


「と、ところで、解体、するんですよね……?」


「あぁ、その前に、この薬品を死体に振りかけておかなくてはならないんだ」


「薬品、ですか?」


「そう、ダンジョン騙しの薬ですわ」


 ダンジョン騙しの薬。

 この薬品は、ダンジョン内のモンスターを解体する際には、必ず必要となる薬品だ。

 何故か? そりゃお前、俺の体が死んだときの事覚えてるか?

 ダンジョン内で死んだ存在は、早くしないとダンジョンに食われちまうんだよ。

 それこそ、持ってる装備から吹き出した体液まで、跡形もなく吸収され、消えちまうんだ。そんな状況で、解体なんてできる訳が無い。

 しかし、この薬を使えば、しばらくの間だけダンジョンの嗅覚から死体を反らす事ができる。その間に解体を済ませる必要があるって訳だ。


「ほら、あっちをごらんなさい。もうダンジョンに食べられていってますわ」


「ひえ……!?」


 オークに薬を撒いているオリアンティが指した方向を見ると、大蝙蝠ジャイアントバットがじわじわと薄くなっていってるのが見える。あぁなると、もう素材を刈り取る事はできない訳だな。 

 ダンジョン産のモンスターは、良好な素材持ちが多い。一本は持ち歩いておくと、レアなモンスターを狩れた時なんかに後悔せずにすむぞ。

 ま、今回はオークの睾丸を依頼されたからな。事前にギルドから支給品として、3個は預かってきている。こちらの懐は痛まないさ。


「や、やっぱり……ダンジョンって、コワイですね……」


『そこは認めるが、その分旨味がある。なにより、ロマンがある。そこに突っ込んじまうのが冒険者、だな』


「うぅん……僕はまだ、その域に達せてないです……」


 ははは、まぁしゃあないさ。

 5階層くらいで魔法の武具でも見つけた日には、考え方が変わるかもしれねぇな?


「さて、剥ぎ取りは私がやっておこうか」


「あ、ま、まってください、フロキアさん」


 ナイフを手に取るフロキアを、ハノンが止める。「ん?」とそちらを向くフロキアに対し、ハノンはたぷんと揺れる水袋を取り出して前に掲げた。

 オリアンティから魔法を教えて貰った時、必要になると思って買っておいたものだ。喉を潤すための水袋は別にあるが、別のものが必要だったわけだな。


「『水よ……生命の源よ。秘めたる力を解放し、数多を癒す霊水として顕現したもう……【アクアビット】』」


 ハノンが詠唱すると、水袋が光を帯び始める。

 あぁ、なるほど。そういやフロキアが一発受けてたな。


「え、えと、もう少ししたら飲めるように、なると思います……」


「あぁ、すまないねハノンくん。やはり、回復魔法が使えるのは安心できるね」


「ふふん! ワタクシの判断は間違ってませんでしたわね!」


 アクアビット。この魔法は、ただの水に生命力を付与する魔法だ。

 この魔法を使った水は、一定時間内に飲むと生命力を回復できるようになる。簡易的なポーションを制作すると思えばわかりやすいな。

 ただ、ポーションみたいにかけても効果があるわけではない。ちゃんと飲まないといけないし、回復量は術者の力量次第だ。

 さらに言えば、作成にも時間が必要であり、戦闘中に作れるものでもない。事前に作ろうにも、効果が切れてただの水になる時間もすぐに来てしまう。

 つまり、道中に休憩する時に使える魔法って訳だな。


「……ん、できました」


「ありがとうハノンくん。じゃあ、いただくよ」


 ハノンが、水袋をフロキアに手渡す。それを受け取り、フロキアは一気にそれを煽った。

 とはいえ、全て飲む必要はない。だいたい、2含み分くらいで効果があるからな。

 効果が切れてもただの水になるだけだし、残しておく方が賢明だ。


「……うん、痛みが消えていくね。これはいい出来だよ」


「ほ、本当、ですか?」


「あぁ、ほら」


 フロキアが、肩をグルグルと回して見せる。まだ少し痛いだろうに……とは思うが、どうやらかなり楽になったみたいだな。

 こりゃあ、ハノンが適正あんのは、支援魔法か?

 盾持ちとしても筋が良い。極めて行けば、魔法を使って支援しながら味方を守れる、重兵士が出来るかもな。

 まぁ、魔法を使う場合は重い装備は厳しいんだが……ハノンの装備は魔法で強化されたローブだし、許容範囲内だろう。


「改めて、ありがとう。ハノンくん」


「えへへ……!」


 パーティへの貢献。それは何より、自分にとっても自信に繋がる大事な要素だ。

 これを積み重ねていく事で、パーティは背中を預け合う信頼関係を築いていける。ハノンの役割は、この仲間内では欠かせないものになったことだろう。


「……あ、あの、僕も片方、解体してみたり……」


「……いや、まだやめておいた方が良い。オークは二足歩行だからね。変な錯覚をして吐いてしまう者もいる」


「まぁ、人間を解体してるみたいに思ってしまうんですの。途中で」


「あぅ……」


 え? そうか?

 俺が若い時なんかは、そんなん考える余裕なかったわ。

 最近の冒険者は、感受性豊かだなぁあ。オークが人間に見えるとか。ははは。


「じ、じゃあ、やめときます……」


「それが良い。魔力を使って疲れただろう。オリアンティと休んでいるといい」


 ふむ。

 おれはここで、角に気を集中する。【広範囲知覚】を使ってみるが……こっちに接近してくるような存在は、今の所いない。

 これなら、しばらくの間休んでてもいいだろう。

 ハノンにもそれを伝え、安心させてやる。


「あ、あの、ヴォルさんが、近くに気配もないって……だから、休ませて、もらいましょう?」


「そうですわね。ワタクシもオーク如きの血で汚れたくはありませんし、お言葉に甘えておきましょうか。ハノンさん、そこで調理器具の準備をなさい! オーク肉は血抜きが済んだら結構いけますのよ?」


「さ、さっき人間に見えるとかなんとか……」


「ばらしてしまえば豚肉ですわ!」


『強いな……』


 こうして、解体はフロキアが、残りの2人が休憩。俺が見張りとなった。

 魔法使いが休むのは当然だ。休憩=魔力の回復だからな。

 残り魔力によっては、ここから更に進むか、退くかを選べる。重要な行動だと言える。


 保存食で腹を満たすかという話しになったが、ここはせっかく、オークを仕留めたんだ。オークの肉を使って食事をとることになった。

 オリアンティが調理器具セットを持ってたからな。魔力をあまり使わない俺が、生活魔法の【ライター】で火を起こし、フライパンで解体したてのオーク肉を焼いていく。味付けはシンプルに、塩だ。

 焼きたてのオーク肉は、家畜豚に近しい身の質をしている。しかし、やはりというか野性味が強い。

 それがまた、美味くもあるんだがな。


「……私の分も、あるんだろう?」


「あはは……もちろんですよぉ」


「ほら、早くお代わりを捌きなさい!」


「今しがた無くなったんだが……」


「お、オリィさん……!」


「……フスッ」


 延々と解体作業してたフロキアが肉にありつけたのは、結局薬のリミットが来て、オークが消滅した後だった。

 お疲れさん。まぁ食って体力付けとくれ。

 

演出上の腐要素を少し削りました。

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