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第39話:魔物討伐クエスト

どもどもべべでございます!

連続投稿4日目! そろそろ通常通りになりそうですw

そもそもドライアドさんも書かないとね!

というわけでご投稿! どうぞ、お楽しみあれ~!


 ザクザクと、地面を踏みしめる音が響く。

 ガサガサと、葉を払う音もすることだろう。

 つい先日までゴブリンが潜んでいた森は、あの時となんら変わらず来る者を拒まない。全ての生命に対して平等であり、また全ての生命に等しく脅威を与える。

 

肥蜥蜴ヘビーリザードの討伐……ですか」


 そんな森を歩きながら、ハノンは依頼書を見つめ、プルプルと震えている。

 前に相対したポイズンモスとは、名前からして数段ヤバそうな相手だって思ってるのだろう。


「あぁ、銅貨級の依頼としては、中間くらいの難易度を持ってきた」


 戦闘に立って歩くフロキアも、警戒を怠らずにハノンに答えている。ソロで森を探索していた事もあるフロキアは案の定、野伏レンジャーとしての技能を持っていた。

 屋外の探索は、こいつに任せてもいいだろう。


「肥蜥蜴。まぁ、名前の通り大きな蜥蜴ですわ。鈍重そうな見た目の割に素早く、噛まれたら病気になる可能性もある厄介な相手ですの! しかし、その肉は美味しく、滅菌処理した肉は高値で売買されるんですのよ?」


 オリアンティがスパルタ教育を宣言した、その翌日。俺達は早速、依頼に乗り出していた。

 フロキアもまた、属性の把握と魔力の扱いを覚えたのならば、後は訓練と実戦あるのみというスタンスで同調し、俺ら3人がハノンを守りつつ戦うって事で現場に引きずってきたのである。


「病気……ですか。一応、毒消しは買いましたけど……」


『まぁ、俺らには多分関係ないから、仲間用だわな』


「ですよねぇ……」


『だが、病気云々は抜きにして、噛みつかれたら腕の一本は持ってかれるような相手だ。気を抜くなよ?』


「は、はい……だからこうして、防具を追加しましたし……!」


「あぁもう! 契約獣とばかりお話ししてないで、私達に頼ってくださいまし!」


「わわっ! す、すみません……!」


 プゥッとオリアンティが頬を膨らませ、ハノンは慌てて頭を下げる。

 ははは、今までは俺にばかり聞いていたからな。こういう事もあるだろうさ。

 ま、仲間に頼り頼られも経験だ。初めてのパーティで行う依頼、しっかり経験しておけ。……まぁ、初依頼なのに正規のメンバーじゃねぇ助っ人がいるから、勝手は違うだろうが。

 ちなみに、今回の依頼にあたって、ハノンが新調した装備は以下の通りだ。

 


《武器リスト》

・解体用ナイフ


《防具リスト》

・軽銀の盾 【衝撃吸収(小)】【軽量化】【自動修復(小)】

・魔術付与済みローブ 【衝撃吸収(小)】

・厚手のブーツ

・鉢金入り鉢巻 ※(売却、銅貨+7枚)

      ↓

new:テイマーサークレット 【契約獣強化】 (銀貨20枚)


《携帯品リスト》

・異次元バッグ(極小)

new:毒消し×2 (一本銀貨1枚)

new:ヒールポーション×2 (一本銀貨5枚)



 今回はハノンに買い物を任せてみたが……中々どうして手堅いな。

 テイマーサークレット。これは、契約獣の能力をブーストしてくれる、従魔師テイマー用の魔法装備だ。ハノンにとっては俺の強さ=生存率だからって、率先して買っていたな。

 あとは、非常に高いヒールポーションを二本も買うという豪気を見せた。うん、最初こそ手が出なかったが、ポーションは買える時に買っておいた方が絶対に良い。正解と言えるだろう。

 締めて銀貨32枚、売った金額銅貨7枚。

 金貨1枚から宿泊費を引き、残った金をほとんど費やして揃えた結果がこれだ。食事面がまだ安定してるから出来る荒業だな。もちろん、鉄貨級が買える装備じゃあ断じてない。


「いいですか? 貴方は鉄貨級なのですから、けして油断はなさらないよう! フロキアさんが持ってきた依頼ですから大丈夫だとは思いますし、ワタクシもいるのですから鬼人オーガ金棒メイスなのは間違いありませんが、それでも気の緩みは死を招きますわよ?」


「は、はいっ! 気を付けます……」


「まったく、これだから庶民は危機感がありませんの! しかしまぁ、そんな矮小な存在を守る事こそが貴族の務め! どーぅぞ大船に乗ったつもりでいる事ね! オォーッホッホッホっ」


「あ、あの、言ってる事違う……」


 スパァン! と流れるように扇子を取り出すオリアンティ。洗練されすぎな高笑いは、森に響かないよう音量調節されている。

 しかし、なんだね。貴族ってのはいけ好かないのが多いが、こいつは素直に気心が知れるわ。

 冒険者してる時点で変わり者なのは間違いないが、貴族の務めで市民を守ろうとしているみたいだな。中々現代で出来ることではない。

 こいつが改めてパーティ入りしてくれたら、ハノンを任せてやれるんだが……そう、思った時だ。


「……フスッ」


「……止まれ」


 俺の耳と鼻が、ある気配を拾う。

 それから少しして、先行していたフロキアが2人に声をかけた。

 ハノンは硬直し、オリアンティも真面目な顔になる。


「いたぞ、肥蜥蜴だ」


『数にして3匹……いや、奥にもう2匹……いや、一匹いるな』


 2匹分の気配を感じた気がしたが、すぐにそれは消えてしまった。

 肥蜥蜴に接近されて、逃げだした野生動物でもいたのかね。


「あ、あの、ヴォルさんが、3匹の奥に、もう1匹って……」


「そうなのか、こちらからは3匹しか確認できない……その情報を信じよう」


「えぇ、角兎ホーンラビットの感知能力は馬鹿にできませんわ。4匹を相手する気でいましょう」


 肥蜥蜴は、大人一人がようやく抱えられる大きさの蜥蜴である。

 平たい頭に、でっぷりとした腹。尾は長く、全身はその時の体温で色を変える。

 魔物ではなく動物だが、体が温まっている時はかなり素早く、時には馬すらも噛み殺してしまう。故に、狩人がこいつ等を見つけた場合、冒険者に頼んで討伐するケースがほとんどである。


「よし、実戦だよハノンくん」


「は、はい……!」


 フロキアの言葉に、ハノンが盾を構え直す。喉を鳴らしているが、体に力は入り過ぎていない……何のかんので、暗殺者とやり合った経験は活きている、のかね。


「ハノンくんは、基本防御を固めつつ、相手が自分を見ていないと感じたら魔法を使ってくれ。私とヴォルで相手をする。……オリィ、君は……」


「この子のフォローはするからご安心なさいな?」


「頼む」


「それより、先頭が貴方1人で大丈夫ですの? 角兎だけでは囮にしか……」


 オリアンティの心配に、フロキアが薄く微笑む。

 それは、まるで自分だけが持ってる玩具を自慢するかのような雰囲気だ。


「安心しろ。ヴォルは私より強い」


「……はい?」


「あ、あはは……」


 はぁ……フロキアの視線が「驚かせてやれ」って言ってるよ。

 意外とお茶目さんな事で。


「よし……良いかな?」


「え、えぇっ、いつでもよくってよ」


「は、は、はいっ」


「…………」


 ……俺もかい?


「……フシッ」


「よし」


 はは、さいですか。


「じゃあ、行くぞ……!」


 俺とフロキアが、足に力を込める。

 抜刀と同時に駆け、跳んだ。

 さぁ、戦闘開始である。

 

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