表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/130

第28話:大討伐

どもどもべべでございます!

この話と、次の話を上げましたらば、一度仮定してた第一章的な流れが終わりですね!

章つけたほうが良いかしら……?

そんなこんなでご投稿! どうぞ、お楽しみあれ~!

 

 教会の使う奇跡によって、俺らの傷は癒された。料金は銀貨1枚。それで回復できる上限までは何とかなったって感じだ。

 回復は基本、神官が扱う奇跡かポーションだけだからな。仲間に神官が居ないなら、金を払う必要があるってのはしょうがない。

 痛まなくなった腕に感心しているハノンと、ガジルデを連れて冒険者ギルドに帰ってくると、既にギルドは閑散としていた。受付嬢や鉄貨級らしき連中はちらほらいるものの、いつもは休憩所で管を撒いている銀貨級や銅貨級も居ないというのは中々に異例だ。


「ハノンさん、おかえりなさいませっ」


 そんな俺達を迎え入れたのは、受付嬢としての仕事を全うしていたパメラだった。

 見てくれだけなら絵になっている立ち姿も、この状況ではどこか浮いてしまってるな。というかお前、ゴブリン討伐行かなかったのかよ……。


「あ、あの、皆さんは……もう?」


「はい、ゴブリンの大量発生が通達された直後に動ける方々が討伐隊を編成。ギルドの総力を挙げての大規模レイドへと向かいました♪」


「ふわぁ……」


「え、え? なんで今なんだぁ? オラ、もう討伐されたって聞かされたんだども……」


 ハノンとパメラの会話に、ガジルデが困惑している。

 そんなガジルデを見て、パメラは瞬時にハノンの依頼達成を察したのだろう。書類をまとめ始めていた。


「ゴブリンの一件に関しては、そこのハノンさん達が今日一で持ってきてくれてたんですよぉ。貴方のご意見とはかなり齟齬が見られますねぇ?」


「そ、そんな……! じゃあ、オラを殺そうとしたのは、やっぱりそういう!?」


「はい、滅多なことは口走らないようにお願いしますね? 貴方の身柄はギルドが保護しお守りします。ギルドマスターが帰ってきたら色々聞かせていただきたく存じますが、構いませんか?」


「ま、守ってくれるってんなら、願ってもねぇだ!」


 ガジルデはそこまで言って、ハノンの手をガシッと掴む。


「坊ちゃん、本当にありがとうなぁ! オラ、とんでもねぇ事態に巻き込まれてたんだなぁ!」


「い、いえ、その…… 無事で、良かったですよ」


「うんうん、ハノンさんは事情をよぉく知る人を連れてきてくれたという事で、おそらく依頼は達成になると思います~。詳しい金額はギルドマスターが判断して、情報の重要度によって価格が変わりますが、よろしいですかぁ?」


「あ、はい……むぐっ」


 その質問に対し、ハノンはそれでいいと言おうとしていたため、俺はその口を塞いだ。

 こいつの頑張りに見合った中身じゃないと、申し訳が立たん!


『おい、この男は貴族街で暗殺者に殺されそうになってた所をハノンが保護したんだ』


「……へぇ?」


『あまりにも割に合わない相手だった。俺ら全員が死んでてもおかしくなかったよ。犯人3人の内、2人は警らに引き渡したから確認もしてもらって構わない……なぁ、鉄貨級には到底無理な依頼だったと俺は判断するが?』


「……ハノンさん、今回のあらましをお伝え願えますか?」


「あ、は、はいっ」


 パメラは、改めてハノンの口から事の顛末を聞いた。

 ハノンはこういう時嘘つかないだろうしな。最終確認をしたんだろう。

 そして、最後まで聞いた段階で小さく息を吐いた。


「……鉄貨級に無理をさせてしまいましたね。申し訳ございません」


「い、いえっ、そんな……!」


「この件はギルドマスターにもきちんと報告させていただきます。危険手当として相応の報酬をお約束いたします」


「あ、ありがとう、ございます……」


 よしよし、これでいい。

 俺だって後悔してるんだ。罪滅ぼしにはならんが、このくらいはさせてほしい。


「あ、あんのぉ、それで、ゴブリンはどうなったんだぁ……?」


 そんな俺達に置いてかれていた、ガジルデがおずおずと口をはさむ。

 ふむ、確かにそうだな。

 俺達がゴブリンを見つけたのが朝。そこから討伐隊を組み、出陣したとして……今が夕方に差し掛かっている。何らかの情報が舞い込んで来てもおかしくないかもしれん。


「そろそろなにか情報が来てもおかしくないとは思いますが……多分、ご心配には及ばないかと存じますよ?」


「だ、だども、オラが見たゴブリンはこぉんなにたくさんいてだなぁ!」


「確かに、犠牲は出るでしょうが……頭は取れるかと。討伐隊には【3人の金貨級】が編成されて向かいましたので」


 ほう。あいつらが向かったのか。1人はアルバートだとして……後は誰だ?

 まぁ、誰にしたって3人も向かえば安心だな。

 パメラの見立て通り、銅貨級とかに犠牲は出ちまうかもしれんが……それでも、あいつら3人が奥に到達できれば、ロードれるだろう。


「まぁ、ハノンさん達は別動隊としてかなり無理をさせてしまったので、ゴブリンに関しては我々にお任せください! 宿に戻って休んでおくのが一番ですよ?」


「うぅん……でも……その、報告、待ってちゃだめ、ですかね……?」


 ハノンは、どこかソワソワしていた。

 正確に情報を掴まないと、怖い……とかじゃねぇな。おそらく、心配事があるんだろう。


『フロキアか?』


「は、はい……」


 だと思った。

 アイツがどうなったかが不安って事だな。庇われる形で討伐隊入りした訳だから、ハノンは責任を感じてしまっているのだろう。

 いや、それ以上に大変な思いした訳だから、そんなこと考えなくてもいい気がするんだがな?

 こればっかりは性格だよなぁ……


「あ、だ、だったら、オラと一緒に待つだよ! 坊ちゃんっ」


「……いいん、ですか?」


「んだ! オラも正直、知ってる人と一緒にいた方が安心だぁ!」


「……いいですか? パメラさん」


「はぁ、仕方ないねぇ。奥の休憩室をご利用ください?」


 ハノンの上目遣い(無自覚)が炸裂し、パメラも折れた様子だ。

 ガジルデと視線を合わせ、嬉しそうに笑い合って、パメラに頭を下げるハノン。

 というわけで、ここからは延長。報告が上がるまで、俺らはギルドに残ることになったのであった。





     ◆  ◆  ◆





「で、伝令! 伝令ー!」


 時間にして、およそ1刻後。

 夕焼けが周辺を赤く支配してきたころに、その声が響いた。

 入ってきたのは、銅貨級の三人組。その姿は見るも無残にボロボロだ。

 いや、怪我してるって意味じゃなく、全員が汗や汚物でどろどろって意味でだな?


「やった! やった! やったわよぉ~!」


「ゴブリンロード、討伐成功!」


「ゴブリンも散り散りに逃げ出して、進路的に町に来るような奴らは残らず殺したぜ!」


 その報告を聞き、数人しかいなかったギルドは大いに沸いた。

 その中には、休憩室から転がり出てきたハノンとガジルデも混ざっている。2人で抱き合い、ガジルデがハノンを高く高く持ち上げていた。


「今、本隊は事後処理をしてるから、その後に帰還するって言ってたわぁ~」


「伝令、ご苦労様です♪ しっかり休んでくださいねっ」


「そうさせてもらうわ。もうくったくたでよぉ……」


「あ、あのっ」


 高い高いされたままのハノンが、三人組に話しかける。

 妙な所で視線が合い、きょとんとしてる三人組にハノンは赤くなりながらも問いかけた。


「あの……フロキア、フロキアさん、無事ですか!?」


「「「あぁ……」」」


 三人組の視線が絡み合う。

 ハノンが喉を鳴らし見守る中で、戦士の男が代表して口を開いた。


「フロキアさんなら、無事だぜ」


「っ! よ、よか、よかった……」


「でも、銅貨級を庇って怪我してたからな……会うとしたら後日がいいと思うぜ」


「あぅ……良くなかった……」


『まぁまぁ、ゴブリン相手に命があるだけでもめっけもんだ』


「はい……」


 ギリギリだったみたいだが、フロキアも無事だった。ガジルデの証言も得られる。

 理想的な結果じゃねぇか。

 俺のミスを除いて、だがな。猛省。


『さ、ハノン。お前はそろそろ寝るべきだ』


「……ん、なんか……緊張が抜けて、確かに、眠いです……」


「すまねぇなぁ坊ちゃん。オラに付き合ってくれてありがとうなぁ」


「い、いえ……僕が、好きで残りましたから……」


「オラ、絶対お前さんの事、忘れねぇからな! 絶対だ!」


「は、はいっ」


 ハノンとガジルデは、握手を交わし合う。

 ガジルデの笑顔は、傷口を気にすることなく、眩く輝いていた。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ