第14話:皮肉なコイツ
どもどもべべでございます!
次回からついに戦闘を描写していきますよー!
え、ここまでが長すぎ? だからごメンテ~
というわけでご投稿! どうぞ、お楽しみあれ~
「結論から言わせてもらおう。君は冒険者を辞めた方が良い」
まぁなんとも、いきなりだな。
冒険者ギルドについて早々、俺とハノンはめんどくさそうな奴に絡まれた。
フロキアっつったか。見た目は随分とまぁ良い奴だ。ハノンを成長させたらこんな感じになるかもしれねぇ。
しかし、その強気な眼光は真逆だけどな。俺の御主人様も委縮しちまってら。
「君は既に纏まった報酬を得たと聞いている。ならば、その金を元手に小さな商売でも始めてみるといい。君のような人材が冒険者として活動する必要は全くない」
「あの、でも……その、もうお金は、ない……です」
「……なんだと?」
ハノンの言葉を聞いて、フロキアは背負っている盾やローブを見る。
その質を見て理解したのだろう、小さくため息をついた。
「なるほど、自分の弱さを理解した良い選択だ。その着眼点は素直に認めよう。しかし、それならば尚更だ。自分の強さで冒険に出たら間違いなく死ぬと言っているようなものじゃないか」
「す、すみません……」
「その装備は私が買い取ろう。だから今すぐ冒険者ギルドから退会すべきだ」
フロキアは、冒険者カードを取り出して受付を指差す。
同業には絡まれねぇと思ってたんだけどなぁ……こういうタイプを失念していたぜ。
多分コイツ、ハノンの事を心配している口だ。子供が冒険者として活動する事に忌避感を覚える、それでいて行動力のあるタイプ。
さて、ハノンはどう出るかね?
「え、えと……その、お言葉はありがたいんですけど……その、ごめんなさい」
「……本気か?」
「は、はい……僕の事は、この、ヴォルさんが守ってくれるので……」
……おぉ、嬉しいじゃねぇか。
人の前で、面と向かって俺を立ててくれたよ。こりゃあ契約獣泣かせだねぇ。
しかし、相手は納得できないだろうな。
「その角兎か……病気や毒にならない為に契約しただけだろう? そんなものに命を預けない方が良い」
「そ、そうだって! 戦力が角兎だけじゃあお前本当に死ぬぞ?」
「これ、これ本当の事な!」
「ボクは知らないかもしれないけど~、角兎ってすごく弱いのよ~?」
横から割り込んでくる奴らは……なんでぇ、万年銅貨級の賑やかし三人組じゃねぇか。
こいつらもまぁ、ハノンが無茶しないように言ってくれてるんだろうがな……。
「そ、それでも!!」
「フスッ?」
「それでも……ぼ、僕、やめませんから……ごめんなさい!」
少し震えながら頭を下げるハノン。その様子に、三人組は顔を見合わせて肩をすくめる。
遠巻きに見てるだけでよかったのに、わざわざ声をかけてくれたんだ。こいつらのお人好しさはわかるが……悪いな。
こう言われちゃ、俺としてもここでハノンを辞めさせる選択肢はないわ。
「残念だ」
フロキアは、それだけ言うとカードをしまい、脇を通り過ぎていく。
「では、私は明日の依頼の為に休ませてもらうとするよ。……君のような若い人材を失うのは惜しいが、選んだ道だ。後悔しても知らないよ」
それだけ言って、あっさりと出て行ってしまった。
……空気凍らせるだけ凍らせといて、マイペースな奴だ事。
その後は、三人組もバツが悪そうに出ていき、ギルドはいつものざわめきを取り戻す。まだ俺らに注目する視線はあるが、まぁ問題はないだろ。
『うし、じゃあ依頼を探すとするか』
「は、はい……その、ごめんなさい」
『あん?』
「……その……ヴォルさんが強いって、言えませんでした……」
あぁ、そんな事気にしてたのか。
『いーんだよ。あそこでそんな事言ってたら、笑いもんになってたぞお前』
「そ、そうかな……」
『それより、早くしねぇと串焼きの屋台が閉まるぞ。依頼受けて買いに行こうぜ』
「は、はいっ」
その後、俺らは掲示板から手ごろな依頼を見つけ、それを受注した。
内容は、【ポイズンモスの糸を採取】。初めて町の外に出ての依頼となる。
毒への対抗手段があれば、鉄貨級でも受けられる依頼だ。遠慮なく俺の体質にあやからせてもらおう。
んで、その日は串焼きをギリギリのタイミングで購入し、カイル達に報酬として手渡したところで一日の活動は終わりとなる。
二人とも、無我夢中で食ってたな。見ていて頬が緩んじまった。




