第126話:領主との会合
どもどもべべでございます!
夜分に投稿失礼します。そして限界。おやすみなさい~
『ハノン、どう思う』
「なにがですか?」
領主の館に移動中、俺はハノンに質問した。
少しばかり、気になる事があったからだ。
『明日のパレード、ちゃんと開催されると思うか?』
「……アノンさん達は、決行するつもりみたいだけど……」
『じゃあ、言い方を変えよう。開催出来ると思うか?』
「……正直、無理だと思います」
そうだな。俺も同意見だ。
前を歩くアノン達には聞こえないよう、こっそりと返事をするハノンだが、その答えは確信を持っているように見える。
まぁ、アノンには聞こえていそうなもんだがな。
「今日この段階で、襲撃事件が起こったことは、複数の人が目撃しています。たとえその場を誤魔化せても、人の口に扉は立てられないので……」
『だろうな。貴族が狙われたって噂が広まって、祭りが止まる可能性のが高いはずだ』
それなのに、オリーベルもアノンも、普通に祭りは続くものだと思って行動している。
いや、ある種の確信を持って判断していると言っていいな。その判断材料がなんなのかが気になる所だ。
「領主様が、祭りの続行を決断すると、そう確信している……のかな」
『あり得る話ではあるな。あのオリアンティの家系だし、強気な判断をしてきそうだ』
しかし、市民達の不安を無視してまでやる事か?
周囲を観察してみるが、祭りの喧騒は続いている。あの刃傷沙汰が噂になっている様子はない。
いや……まてよ。
「ねぇ聞いた? 劇場でナイフ振り回した奴がいるんだってさ」
「おぅおぅ、今年もやってんな。今度はどこの馬鹿だ」
「さてねぇ。なんにせよ、何事もなくて良かったじゃないか」
……噂には、なってるな。
しかし、内容の割に反応が緩い。普通なら結構な騒ぎになっているはずなんだが?
なんというか、慣れている感じだ。おかしいと思うが、そうとしか思えないくらいに落ち着いている。
『どういう事だ……?』
考えている内に、先日通り過ぎた領主の館に到着した。
かなり大きな建物だな。庭も広いし、いかにも貴族の住む家って感じだ。
オリーベルが門番に話を通し、そのまま中に入っていく。その顔は、まるで戦場に赴くかのようだ。
「ぎゃああああ!」
あ、断末魔だ。
なんだろう、緊張感がない。貴族の断末魔なのに、まったく心配にならない。
多分、中で何が起こっているかが想像できるからだよな……。
「絞られてるねぇ、オリーベル様」
「だ、大丈夫なんですか?」
「多分、領主様にゲンコツくらってるんだと思うよ。気にしない気にしない」
うん、だと思った。
この様子だと、領主はオリアンティ寄りみたいだな。それなら安心して相談できるってもんだ。
「……領主様の許可が下りました。どうぞお入りください」
「ありがとうございます。失礼しますね」
「し、失礼します!」
門を通り、敷地内の林を横切って屋敷へ向かう。
あの林、所々焦げてたな。オリアンティはあそこで訓練をしていたんだろうか。
だとしたら、相手は? ……オリーベルの断末魔を聞いた限り、想像はつくな。
そして、屋敷の中へ。使用人に案内されながら、貴族特有の美麗な内装を眺めつつ進んでいく。
「うわぁ、凄く豪華ですね」
「そうだねぇ。アーケンラーブは栄えてる方だから、力を示す為にも揃えるものは揃えないといけないんだろうね」
ふむ、なるほどな。
そういや、アルバートも偉いさんを呼ぶために、ギルド長の部屋だけは良いもんを揃えてたもんな。
ハノンが家を買ったら、内装はきちんとしておこうか。
「さ、領主様のお部屋についたよ。多分オリーベル様が死んでると思うけど、気にしないであげてね」
「えぇ……」
「失礼します。劇団長のアノンが参りました」
『えぇ、どうぞ』
扉の向こうから聞こえてきたのは、女性の声。
お母様って言ってたから、予想はしていた。しかし、領主の部屋で女の声が聞こえるのは違和感だな。
「失礼しますっ」
アノンが扉を開け、ハノンと俺がその後ろから中を覗く。
そこには……オリーベルが頭にたんこぶをこしらえて死んでいるのが見えた。
「うぅ……」
あ、生きてた。
だが、今はそんなことはどうでもいい。
オリーベルの死体の向こうに座っている、一人の女性。
そこにいたのは、まさにオリアンティが成長した姿。水晶に映っていた、あの女性で間違いないだろう。
そして、女性と一緒にいるのは、筋骨隆々な偉丈夫だ。まぁ。こちらが領主で間違いないだろうな。
「いらっしゃい、初めましての方もいますね。そこのお馬鹿さんの母をしている、オリフィリアです。よろしくお願いしますね。こちらは、夫のアレクです」
「あ、あ、ハノンです! よろしくお願いいたしますっ」
「うむ」
……こいつら、本当に貴族か?まったくと言っていいほど隙がねぇ。
相当な実力者だと見受けるが、さて。このまま祭りを続ける判断をしてくるのか……?




