なんかちょっといい話風?
今回の話はちょっとした小話かな。
「もうすぐ夏休みだな」
俺の家のリビングに置いてあるのテーブルを囲み、そう言う俺。
「そうだな……課題が多くて面倒だな」
俺の目の前に座った龍之介がそう言う。
「お前初日で終わらせるだろ」
「無理に決まってんだろ、一週間だ」
それでも結構早い方だと思うんだけど
「……それでも一週間で終わるんだね
奏ちゃんが苦笑いを漏らしながらそう言う。
「アタシは……提出日の三日前に答え丸写しだな」
「来栖さん、せめて自力でやろうよー、おしえてあげるからさ」
「それはありがたいな、アタシじゃさっぱりだからな」
「あ、一応自力でやろうとする意思はあるのね」
ただ一人じゃサッパリだから、結局答えを見なきゃできないってことね。
「あ、そういえば現社が現代社会生活についてのレポート2000字以上……って課題を出すって言ってたけど、どんな感じにすればいいのかな?」
奏ちゃんがふと思い出したようにそう言う。
「へぇー、そんなの出るんだ現代社会の生活……もうさ、日記でよくない?」
だって、現代社会の生活ってつまり……日常ってことでしょ。
「……まぁ、あながち間違えじゃないが」
となんとも言えないような表情でそう呟く龍之介。
「あー、でも日記面倒だし『部活で泳いだ後、クーラーの効いた部屋でアイスを食べて課題を少しやって過ごしました』の繰り返しでいいか」
「わびしいよ、もっとエンジョイサマーしようよ有利君」
「といわれてもな……俺はインハイ行けないし、遠いから応援も難しいし」
奏ちゃんはいいよね、インハイに出れてさ……。
「うっ、そういえばそうだったね」
「夏祭りがあるだろ」
来栖さんがそう言う。
「お、そうだな、夏祭りがあったぜ! 皆で行こうぜ夏祭り」
「いいねいいね、定番だね」
「悪い、俺は用事がある……婆ちゃんが腰痛めたから出店手伝わなきゃならねーんだ」
ああ、そういえば毎年射的の屋体やってたな。そうか、今年はお前がやるのか、だったら冷やかし……もとい、遊びに行こう。
「アタシも、今年は用事があって一緒には回れないかな、祭りにはいるけどさ……神輿担がなきゃならないんだ」
神輿っ!? マジで? 胸にサラシ巻いて上半身はだけて……想像するだけでもうご飯三杯はいけるな!
「じゃあ、二人きりだね」
「そう……だな」
奏ちゃんと二人きりか。文化祭の一件以降、妙に意識してしまうから二人きりでも大丈夫かな……誰か他にいれば全然平気なんだけどな。
「そういえば、前から気になってたんだけどさ……龍之介と有利はなにがきっかけでそんなに仲良くなったんだ?」
「俺と龍之介か? 幼稚園が一緒だったからな……あんまり詳しいことは覚えてない」
十年以上昔の事だしな……龍之介との一番古い記憶も、あいつと砂場で遊んだ記憶だしな。指人形とか小さいおもちゃをこっそり持ってきてさ。
「そうだな」
◇◆◇◆
俺と有利の仲良くなったきっかけか……物心ついたときにはもう友達だったが
親友って呼べるくらいの仲なるキッカケがあるとしたら……アレだろうな。
小学校低学年のころ、俺は昔は割りと大人しい子供だった、力も周りの子供とあまり変わらない。それでも、婆さんに教えられてずっと柔道をやって来ていたから、運動はできる方だった。周りの女子を押さえて俺が一番スポーツが上手かったと思う。有利も俺と同じくらいできるはずなんだが、昔からセンスがないのかよく失敗ばかりしていた。
子供のころは善し悪しの区別がつかないから、簡単に差別してしまう。
俺と有利を比べて、運動のできて柔道をしている俺を女男だとバカにしていた。
まぁ、いま考えればスポーツで俺に勝てない嫉妬なんだろうが、あの頃はまだよくそれがわからずに、そう呼ばれるのがとてつもなく嫌だった。
だから、ずっと続けていた柔道をやめようかとも思ったが……
そのとき、あいつが「なんでやめるの? 僕失敗ばかりだから、格好わるいけど、活躍できて格好いいよ龍之介は……やめるのもったいないよ?」って言ってくれたのがすげー嬉しかったんだよな。
もっとも、一番の理由は……放っておくと危なっかしいから目が離せないだけなんだがな。
「ん? なんだ?」
「いや、なんでもねぇよ……それより、勉強するか、テスト明日だしな」
「おう、そうだな」
……ボタンはずすにしても、第一ボタンまでにしとけよ。第三ボタンまで開けてるから、さっきから奏が目のやり場に困ってるぜ。
俺も明日テストあるから勉強しなきゃだわ。
……本当、こんなことしてる場合じゃないんだよ。
なんたって留年がかかってるんだからさ。
あ、次回の話は夏祭りです。
個人的に一番書くのを楽しみにしていたんだ。
なんたって、いろんなパロネタをぶちこめるからな!




