60話間近になってようやく恋愛っぽいことしだしたよ。
恋愛したことないからな……いまいちうまく書ける自信がない
せいぜい努力するとしよう。
「ねえ、あなたたち」
「はい、何でしょうか?」
やけになってジュースを飲んでいると、先輩であろう女子生徒が話しかけてきたので、奏ちゃんがそれに返事をする
「ふむふむ……んー、よし、あなたたち、ベストカップルコンテストにでてみない?」
女子生徒は、僕達をひとしきり観察すると、おもむろにそう言った。
「え? 俺らがですか?」
いや、でもカップルじゃないよ?
「いいですよー」
と、あっさり快諾する奏ちゃん。
「奏ちゃん!?」
そんな簡単に決めていいのっ?
「ありがとう! 会場はこっち」
「ちょっ、待ってください、俺は……」
「……でたくないの?」
「そうじゃなくて、別にカップルとかじゃないですし」
「そこをなんとか! 人助けだと思って、ね? 別にカップルに見えれば大丈夫だから!」
俺の前で両手をあわせて、必死でお願いする子生徒。
そんな必死に頼まれたうえに、不安そうに片目で様子を伺われると断りづらい。
「うぐぐ…………しゃーないか、やりますよ」
俺はひとしきり悩んだ結果、やることを決めた。
「よかったぁ……さ、会場はこっちよ」
女子生徒は、ぱあっと明るい顔になり、会場へと案内をしてくれた 。
「会場に着いたわよ、……さ、こっちに入って、受付は私の方で終わらせちゃうから……あ、あと、このバッジをつけといてね」
体育館の舞台袖に連れてこられると、俺は先輩女生徒から赤色の缶バッジに白い文字で8と書かれたものをもらい、それを胸辺りにつける。
「それじゃあ、もうすぐで始まっちゃうから、後はがんばってね」
そう言ってニコッとわらって、どこかへ行ってしまう先輩
ちょ、これって、どんなことやるのか教えてくれない? まさかのアドリブ?
待って、どうしよう。俺アドリブとかスゲー苦手だ……うまく喋れる自信ないよ。
うぅ……そう考えると緊張してきた。
『さあ、ベストカップルコンテスト……開催だぁぁ!!』
坂本先輩……生きていたんだね。鼻にティッシュ詰めてるみたいだけど。
「「「リア充には死を!」」」
「「「モテない女の嫉妬ほど惨めなものはないよな」」」
「「「ごはぁぁ」」」
『えーと、司会が盛り上げるまでもなく、大分カオスな状況の中、参加するのは8組のカップルだ! あ、救護員は血を吐いて倒れた生徒を保健室へ』
うわー、どうしよう……思った以上に人がいる。
俺は舞台袖から観客の様子を眺めながらそう思う。
「どうしよう奏ちゃん……人が沢山いる」
「大会だって一杯居たじゃん」
いや、それとこれとは別じゃないかな? 大会は人目気にならないし。
『それじゃあ、順番に入場だ!エントリーナンバー1番……』
順番に仲のいいカップルが、ステージに登場していく
中には男同士のカップルが一組や、女同士のカップルが一組もいた……多分ネタ枠かな。登場したときに笑いが起こってるし。
『そして、最後はエントリーナンバー8、学校人気No.1、ビッチな振る舞いとは裏腹に、清楚な一面も持つ妄想の具現化! 空条有利&それを守る水泳部エース! 染谷奏!』
……ビッチ言うなや。
「よし、行こうか有利君」
奏ちゃんが、そう言って俺の前を歩いて行く。
なんでそんなに堂々としてられるんですか奏さん!
ちょ、てか待って、まだ心の準備が……
ええい、もうなるようになっちゃえ!
俺は覚悟を決めて、奏ちゃんの後に続き、後ろを三歩程離れたところを着いていく。
「キターーーー!」
「本当に出るんだね!」
「来た甲斐があった……」
「あの3歩後ろを歩く感じ……可愛い!」
なんだこれ……なんのイジメだ。
おそらく、耳まで真っ赤に染まっているであろう顔をうつむかせて、恥ずかしさに耐えながら奏ちゃんの後ろをついていく。
奏ちゃんヘルプミー……と、心の中で助けを求めてみるが
「(一部からの嫉妬のこもった視線がすごい……)」
奏ちゃんは奏ちゃんで、別のことに頭が一杯でそんな余裕はないのだった。
『さあ、というわけで、全員出そろいました。それではベストカップルを決める方法をここで発表しちゃいます! ベストカップルを決める方法は単純! 次々と襲いかかる試練を突破して、最後まで残っていたカップルが優勝だ!』
なんだ、てっきり皆の前で何か…例えば、歌ったり、トークしたりするのだと思ってた。余裕じゃん。
『それじゃあ早速、最初の試練は…………じゃん! えーと、チンピラパニック! 彼氏をチンピラから守り切れ!……だそうです』
……
『えーと、これは、先ずステージ上に一組ずつ残ってもらい、彼氏がチンピラに絡まれているというシチュエーションを彼女が目撃し、それをどう切り抜けるかを見る試練となっております』
「んな、ベタな」
苦笑を漏らしながらそう言う奏ちゃん
「……これは、俺が助けるの?」
彼氏と彼女が逆だった気がしたので、奏ちゃんに確認してみる。
「いや、私が有利君を助けるんだよ」
……主人公の扱い方がおかしい件について。
「奏ちゃん、あとは任せるぜ!」
俺は笑顔で奏ちゃんにそう言う。
「……(か、可愛い……くっ、目をそらそうとしても強制的に有利君を見てしまう……はっ、これが万有引力!)」
※違います
「奏ちゃん? おーい」
「全く、善春はすぐに自分の世界に入っちゃうんだから」
「ハハハ、まあ、有利君の事考えてる……とは言えないな」
奏ちゃんは苦笑混じりにそう言う。
「へっ!?」
えっと……え? お、俺の事考えて……んの? それはつまり……えーっと……あれ? つまり……えっと…………どういうことだってばよ。
「えっ?……あ、口に……出してた?」
「……あー、うん」
俺は恥ずかしくなり、うつむいて頷く。
「あー、えっと……アハハ」
奏ちゃんも乾いた笑いを漏らし、気まずい空気になる。
えっと……あの……とりあえず、すげぇ暑い。
努力した結果がこれさ。
そういえば、最近よくTwitterを使うようになった。
あれ便利だよな。




