文化祭で学生が作る料理ってよくよく考えれば、コスパ悪いよな……。
五百円で焼きそば買うよりも、五百円で牛丼買う方がいいよな。
「と、いうわけで実行委員になったんだが……俺は何をすれば良いでしょうか?」
困った時は龍之介に聞くのがいい。よっ、ご意見番!
「……なんかこう……クラスの中心になって話し合いとか進めるんじゃないか?」
「アタシとか周りから避けられてるのに、なんでそんな大役を」
来栖さんが嫌そうにそう言う。
いや別に言うほど大役じゃないと思うけど……。
「これを気に、クラスに溶け込めるように……っていう配慮じゃねぇか?」
「なるほど、つまりは余計なお世話だな」
そんあ身も蓋もない事言うなよ来栖さん。
「……まぁ、余計かどうかは兎も角だ、まず文化祭で何をするかの話し合いをする所からだな」
「あ、それはもう決まってる、和風喫茶だぜ!」
「じゃあ、具体的な内容を決めろ」
「具体的な内容……どうする?」
「そうだな……教室を厨房とホールに別けて、料理は基本和菓子とお茶メインで行こうってのはどうだ?」
「ああ、あれだ、時代劇とかでよくある茶屋みたいな感じ」
「ああ、大体そんな感じだ」
「待て待て待て、今決めるんじゃない、クラスで話し合って決めろ」
「あ、そうか」
ついつい来栖さんと二人で盛り上がってしまった。
「まったく……」
呆れたような表情でそう言う龍之介。
◇◆◇◆
「というわけで、具体的な内容を決めたいんだけど……なにかないかな?」
放課後、俺は教壇の前に立ってクラスで具体的な内容をを決めていく。
「ちなみに、さっき教室を厨房とホールに別けて、料理は基本和菓子とお茶メインで時代劇みたいな茶屋って感じにしようって話してたんだけどさ」
「それでよくない?」
「だよね、和風なのにメイド喫茶みたいなのも萎えるしね」
「それなー」
JKはノリがいいなー、話し合いが進んで楽なんだけど……もっと違う意見出してもいいのよ?
「…………」
「…………」
逆に男子の方は静かだなぁ……こういうイベント事って男はもっとはっちゃけるもんだろ?
「じゃあ、内装はとりあえず保留ということで……メニューの方はどうしようか?」
俺は話の内容を変える。これなら色々と意見が出て盛り上がるだろう。
「抹茶」
「抹茶パフェ」
「抹茶アイス」
「抹茶オレ」
どんどん出てくる意見を、来栖さんが黒板に書き写していく。
おおう、抹茶をグイグイ推してくるな……。
「抹茶漬け」
「抹茶蕎麦」
「抹茶かき氷」
「抹茶パスタ」
「抹茶ドリア」
「ストップ! ストーップ!」
俺は堪えきれずに待ったをかける
「蕎麦は客にアレルギーとかあるかもしれないし、文化祭では出せないな」
俺が待ったをかけたところで、冷静なツッコミを入れる来栖さん
「違うよ! そうかもしれないけど違うよ来栖さん! 他にもっとツッコミ入れるところあるから!」
和風喫茶なのになんでパスタとドリアが出てくるの!? とか、抹茶漬けってなんだよお茶漬けでいいだろ? とかさ、色々とあるよね?
「まぁ、今はネタメニューも置いといていいかと思ってな、けど抹茶以外にもなにかないか?」
「ぜんざい?」
「羊羮?」
「だんご?」
「煎餅?」
「……くらいじゃない?」
少し有名な食べ物が出ただけで、それ以降誰も喋らなくなる。
「まぁ、色々とあるが……有名なもんはそんなところだろ」
黒板に書いていきながらそう呟く来栖さん
「そうだねー……ってかさ、今気付いたんだけどさ、羊羮とかだんご作れる人っているの?」
俺はクラスの皆にそう尋ねるが、全員目をそらして誰一人として手を上げない。
「……和風喫茶、詰んでない?」
「ああ、アタシ作れるぞ」
と手を上げてそう言う来栖さん
「おおーー!」
クラス中から意外と言う声や、驚きの声が上がる
「母方の実家が和菓子屋なんだよ」
頬を少し赤らめ、恥ずかしそうにそう言う来栖さん。
「マジでっ? はっ、まさかバイト先ってのは」
「残念ながら、実家は県外だから違うぞ」
「なんだ、違うのか……」
一瞬浴衣で接客する来栖さんを思う浮かべたけど違うのか……そういえば、浴衣って胸が大きいと似合わないっていうから、来栖さんは浴衣は似合わないのかな?
っていうか来栖さん、料理もできて運動もできてオッパイも大きくてって完璧じゃないですか……あ、頭は悪かったけど。
「じゃあ、来栖さんは調理場担当で、大体のメニューはこんな感じでいいよね」
「そうだな、抹茶とだんご、羊羮、ぜんざい、それからご飯物は、抹茶漬けを普通のお茶漬けにして、梅と鮭でバリエーションを増やせば十分じゃないか?」
黒板を眺めながらそう言う来栖さん。
「というわけでどうかな?」
俺はそれを聞いてクラスの皆に聞く。
「来栖さん一人じゃ回らなくない?」
一人の女子が手を上げてそう言う。
「ん……言われてみればそうか」
いつまでも来栖さん一人に任せてたら、来栖が文化祭を楽しめないしね
「あ? 別にずっと居てもいいぜ?」
と、そう言う来栖さん。
「いや、それだと俺らの罪悪感パナいっスよ、来栖さん」
「あー、じゃあ作り方教えるよ……調理室を使えればいいんだがな」
とそう言いながら斎藤先生の方を見る来栖さん
「斎藤先生」
俺やクラスの皆も、斎藤先生に熱烈な視線を送る
「ん、わかった明後日には調理室使えるように頼んでみる」
さっすが、出来る先生は違うね!
けど、あれは雰囲気を楽しむもんだよな。
楽しい気分プライスレス。




