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【完結済】手遅れ世界にマッチング転生 ~ライトなオタ聖女がゲームで世界に貢献する!~  作者:


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 しかもタップしようが何をしようが、無駄ムービーをスキップする事も出来ない仕様とか、誰得と言うのだろう。

 世里香としては、本気で1分1秒も無駄にしたくないと言うのに、最早嫌がらせとしか思えない。


(ぁ、そう言えば何か作ったりしても、それを出荷すればポイントになるとか言ってなかったっけ?

 だったら……)


 何の役にも立たないムービーをぼんやり眺めているより、例え数分でも他の創作・製作作業をした方が良いと思い至ると、世里香はタブレットをテーブルに置いて、壁際に積み上げている収納ケース達に近づいた。

 中にはこれまで溜め込んでいた手芸用品他がたんまりと……だけど無造作に詰め込まれている。

 要領が悪く、日々残業が当たり前になってしまっていて、趣味に没頭する時間も殆ど取れなかったせいで、使うより溜まるスピードの方が上回ってしまっていたのだ。

 いや、言い訳は良くない……日々のストレス発散に、無駄買いした結果がコレなのだから。

 

 下から順にケースを引き出して中を探索していると、運良く1つ目のケースからシャトルが出てきた。

 宇宙飛行船とかじゃなく、タティングレース用の道具の事だ。

 既に淡い桃色のレース糸がセットされている。小さな花モチーフくらいなら、大した時間はかからない。それに、どんな物がどのくらいのポイントになるかもわかっていないのだから、試しに何でも作ってみようと思う。

 そうこうしているうちに、きっとあの無駄に凝ったオープニングムービーも終わっているはずだ。


 気付けば小さな花モチーフが5つ程完成していた。今までならこれを他のパーツ…例えばピアスの土台に付けて耳飾りにしたりするのだが、これで一旦出荷とやらをしてみようと思う。

 というか、こんな小さなモチーフくらいで疲労感等感じた事はなかったのだが、どう言う訳か肩が少し重いし、何と言うか……だるい。これ以上手を加えると言うのは、今はちょっとしんどいので、これで出荷しようと決めたのだが、ここで世里香はハタと気付いた。


(あれ? 荷物の受け取り口って教えて貰ったけど、出荷ってどうすれば良いの…?)


 思い返してみても、出荷する場所や方法を聞いた記憶はない。

 そう言えば…と、顔を向ければ駄女神ことララミーナが床に横たわって、気持ちよさそうに惰眠を貪っている。


(ったく……こっちは生存危機だっつーのに、呑気な……)


 眉根を寄せつつ、絶賛惰眠中のララミーナを全身擽りの刑に処す。


「……クヒ……ンンフ……ククッ! ンギャ、ヒ、ヒヒ、ヤ、ヤメ……く、くすぐったいってばあああ~~~~!!」


 逃れようとゴロゴロするララミーナで、暫く鬱憤晴らしをした後解放する。


「もう!! 酷いよおお!!

 私がこそばゆいのに弱いって、何で知ってるのよ!!」


 涙目になって肩で息をしているが、どうしてだろう、可哀想とかやりすぎたとか、そういう感想が出てこない。

 出てくるモノと言えば溜息だけだ。


「やらかし犯人の癖に態度が大きいなぁ」

「ぅ……」

「聞きたい事があるのよ、出荷ってどうするの?」


 ララミーナが途端にポカンとした表情になる。

 首から下はJKな装いだが、顔はかなりの美女なのに、表情が残念過ぎる。


「そう。何か作ったものでも出荷すればポイントになるとか言ってたと思って…」

「何作ったんです?」


 世里香の方としてもそうだが、ララミーナからしてもまだ距離感が上手く掴めていないのだろう。時折敬語が混じる。

 特に今はやらかした後だから尚更だろう。


「何がどのくらいのポイントになるのかわからないし、まずはお試し…?」


 そう言って編んだ小花を見せてやれば、ララミーナが何故か目を輝かせて正座に座り直した。


「す……凄い………なんて聖力…」


 小さなレース作品に食いつく駄女神の図と言うのも、何と言うかシュールだが、だるすぎてそこに引っかかってる余裕はなく、早々に出荷方法を聞きだそうとする。


「出荷は簡単だよ。

 セリカちゃんが出荷しても良いと思った物を、そのタブレットに近づけたら勝手に出荷してくれるから」


 言われた通りにしてみれば、本当に画面がピカッと光って小花モチーフの、小さなレース作品が吸い込まれて行った。

 さて、どのくらいのポイントになったのだろうか……?





ここまでお読みいただき本当にありがとうございます。

ブックマークや評価も、本当にありがとうございます。

リアル時間が少々慌ただしく、隙を見計らっての創作、投稿となる為、不定期且つ、まったりになる可能性が高いですし、何の予告もなく更新が止まったりする事もあるかと思いますが、どうぞ宜しくお願い致します。


どなた様も、もし宜しければブックマーク、評価、いいねや感想等、頂けましたら幸いです。とっても励みになります!

(ブックマーク、評価、リアクションも本当にありがとうございます!!)


もう誤字脱字他諸々のミス、設定掌ぐる~が酷い作者で、本当に申し訳ございません。見つければちまちま修正加筆したりしてますが、その辺りは生暖かく許してやって頂ければ幸いです<(_ _)>

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