番外編8.冴木蒼の場合3
蓮のおにぎりは美味い!
久しぶりに、視察チームに同行してダンジョンに潜ることになった。
予定は3日間。
ダンジョンに日帰り以外で潜るのは、困ることがある。
食事だ。
とにかく足りない。
蓮のくれた経験値倍増の魔導具でレベルアップしたら、魔力が増えた。
これは魔力100倍のスキルが貰えたせいでもある。
魔力が増えると、腹が減る。
蓮にお願いして、おにぎりをたくさん握ってもらった。
200個くらいとお願いしたが、300個ほど握ってくれたようだ。
200個じゃ、足りないと判断されたようだ。
美味しいからな、メグミハントのご飯。
視察チームにすげぇ見られながら、食うのはさすがに気が引けたぞ?
もちろんやらなかったけどな。
蓮が握ってくれたんだぞ?
何で他の野郎に食わせてやらねばならん?
俺が食うに決まってるだろ?
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姉貴から、さっさと結婚式のドレスを選びに行けと連絡が入った。
忘れてた。
蓮も忘れていたようだ。
杏花義姉さんに連れられて、ドレス選びをして帰宅した蓮はぐったりしていた。
「大丈夫か?」
「杏花さんの着せ替え人形になったわ」
マジかよ。
あの人何してくれちゃってんの!?
「ドレスは決まった?」
「決めて来たー。ちょっとレースが多めになっちゃったけど」
「楽しみだな」
ドレスで着飾った蓮を見るのが。
結婚式当日、姉貴から電話で蓮が大変だと連絡を受けた。
急いで控室に行くと、神々しいまでの蓮がいた。
綺麗すぎて固まった俺を、姉貴たちは大笑いして出て行こうとする。
「ちょっと待て!姉貴、蓮が大変ってなんだ!?」
「んー?大変!いつも以上にキレイよって」
おいっ!
姉貴のヤツ!
でも本当に綺麗だ。
この花嫁さんは、俺のなんだぜ?
羨ましいだろう?
つつがなく結婚式は終わった。
気になったのは、誓いの口づけで蓮が固まったんだよな。
もしかして初めてじゃないよな?
初めてなのに、人前でとかだったら謝るしかない。
俺ともまだキスしてなかったんだよ。
これは俺が、歯止めがきかなくなりそうだから、意図的にしなかったんだが。
ちゃんと確認しておくべきだった。
蓮は、あまり触られたりするのが好きじゃないみたいだったから。
あえて話題にもしなかったんだけど。
まだ経験がなくて、接触をさけているのか。
ひどい目にあったことがあるから、接触を避けているのか。
たぶんどっちかなんじゃないかと思ってる。
夕飯を食べて、スイートルームに戻ると、蓮の口数が減った。
スイートルームなだけあって、風呂もすごかった。
「一緒に入る?」
一応聞いてみたが、まだ無理だよな。
先に入ってきた。
蓮が入れ違いで風呂へと消えて行き、出て来た時にはバスローブだった。
いや、俺もバスローブだし、それはいいんだけど。
「蓮…?」
蓮の胸が今まで見たことのないサイズだった。
えっ!?どういうこと?
小さく見せるブラ!?
世の中の女性は大きく見せるために頑張ってるんじゃなかったか?
「嫌な思いをしたんだろ?」
それじゃなきゃ、頑なに隠さないよな?
「うん、まぁ。これが目当てで付き合い申し込まれてたみたいだしね」
なんだと!?
「!?あのヤローとかか!?」
「あー、うん。あんなのだね」
他にもいるってことだよな!?
ハラワタが煮え繰り返る。
会ったらぶっ飛ばしそうだ。
それよりも今は、蓮だ。
「酷いことされたのか?」
聞いていいのかわからないけど。
蓮は首を振り、
「まさか、触らせたこともないわよ」
と言った。
「そうなのか?」
「そうよ」
強がりなわけじゃないよな?
「俺に触られるのはイヤじゃないか?」
蓮が笑顔で、蒼なら大丈夫だと思う。と言ってくれた。
夜は長い。
少しずつゆっくりと。
そして、蓮の胸の事は、俺だけが知っていれば良いと思う。
だから、隠しておいてほしいとお願いしておいた。
あれは俺の宝物だからな?
誰にもやらんし、見せん!!
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新婚なのに、家に帰ることが出来ない。
国がダンジョンの存在を公表したから、その対応に追われている。
2ヶ月間ほぼダンジョン課に缶詰状態で、蓮のところに帰れたのは、片手で足りるほど。
新婚にはもっと気を使いやがれ!
帰れない間に何度も蓮からは、大量の片手で食べられるように料理した食べ物が、インベントリに送られて来た。
新しくもらえた特典らしい。
俺はとてもありがたかった。
買いに行く暇もないし、配られる弁当ひとつじゃまったく足りなかったからな。
大量に作るのは、大変だったろうと思う。
それに飽きないようになのか、色々な種類のものを作ってくれていた。
羨ましいか?
分けてなどやらん!
俺の愛妻の手作りだぞ?
ハイエナどもには絶対にやらんからな。
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やっと落ち着いて通常業務になって帰宅できる事になった日は、久しぶりの蓮に甘え倒した。
ゆっくりお風呂にも入った。
たくさんご飯を食べて、ビールも飲んで、日本酒も飲んだ。
ドロップしたと言う、天ぷらや海鮮バーベキューもたらふく食った。
新しい化粧品で、蓮がものすごく綺麗になっていた。
俺は、酔っ払ったふりをした。
蓮に抱きついて、蓮の匂いを嗅いだ。
キスして、蓮の弱い耳を舐めて、喰んだ。
逃げようとする蓮を捕まえて、嫌がられない程度にしっかり抱かせてもらった。
蓮がグッタリしていたのは、たぶん気のせいだと思う。
新婚だから許して欲しい。




