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ようこそ!ダンジョンへ!  作者: トーヤ


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ダンジョン生活はまだまだ続く

『ようこそ!ダンジョンへ!』

本編最終話となります。


ありがとうございました!


「マザー」


ちゃら〜ん!

(れん)(あおい)。どうしました?』


そっか、まだなの?

まだ声だけなの?


「10階層まで来たよ。そろそろ姿を見せてくれてもいいんじゃないかな?母さん」


ちゃら〜ん!

『蓮…気づいていたのですか』


「気づくに決まってるでしょ?」


『そうよね、蓮』


不意に後ろから声がした。

振り向いた先にいたのは、記憶の中の姿と同じままの母さんだった。


「かあさん…」

『蓮』


両手を広げている母さんに、私は動けないでいた。

本当に母さんなの?

触ったら消えたりしない?


「蓮、大丈夫。行っておいで」


蒼がそっと、背中を押してくれる。

動き始めた足は、一直線に母さんの元へ向かう。


「母さん!」


私は、母さんを抱きしめた。

いつの間にか私の方が、背が高くなっていたんだね。


『ここまで来てくれてありがとう』


「また会えて嬉しい」


『ずっと寂しい思いをさせて、ごめんなさいね』


私は首を振る。

でも、ずっと聞きたいことがあった。


「母さんがマザーならどうして父さんの病気を治してくれなかったの?」


ハイヒールポーションがあれば、父さんの病気は治ったんじゃないの?


『ごめんなさいね、蓮』

『すまんな、蓮』


もう聞けないと思っていた父さんの声がした。


ゆっくりと歩いてきた父さんは、母さんの隣に寄り添っている。


「どういうこと!?」


父さんは亡くなってるはず。

私が自分で看取ったもの。


『父さんがポーションを断ったんだ。母さんはもちろん治してくれようとしたんだよ』


「じゃあなぜ?」


『父さんは母さんと一緒にいたかったんだ。もう蓮も大人だったし、命が終われば母さんの元へ行けるのはわかっていたからな』


「全然わからないんだけど?」


命が終わったら母さんのところへ行ける?

何を言ってるの?


『蓮、母さんと父さんは異世界から逃げて来たの』


はいっ!?

異世界?


『母さんね、父さんと結婚していたのに、元いた世界の神様の1人に好かれちゃってね。攫われそうになっていたところを、別の神様が逃がしてくれたの。死んだらこの地球でダンジョンのマザーコアになることを条件に』


『父さんは母さんの眷属として支えるのを条件に』


『母さんたちは、喜んで受け入れたわ』


『この地球で夫婦として暮らして蓮が生まれた』


『幸せだったわ。でもまさかあんなに早く別れが来るとは思ってなかったわ。倒れて一瞬意識が途切れて戻った時にはもうダンジョンコアだったわ』


『父さんはどうしたらいいのかわからなかった。母さんの元へ行きたい。けれど小さな蓮を置いていくことも出来ない』



私が大人になるまで我慢してくれてたのね。

父さんが病気になった時、私はすでに大人だった。

だからそのまま母さんの元へ行くことにしたのね。


理解は出来ても、納得出来るかと言えば、わからない。

1人で寂しかったのは事実なんだもの。


いつの間にか蒼が私の肩を抱いていてくれる。


『蓮、会えて嬉しかったけど、こんな風に姿を顕現させることは中々出来ないのよ。コアの力を消費してしまう。だから次に会うのはきっと孫に会うときね。それまでは今まで通りに話しかけてちょうだい』


まご!?

思わず蒼と顔を見合わせちゃったじゃないの。


『父さんは千変万化(せんぺんばんか)のコアだからな?蒼、蓮のこと泣かすんじゃないぞ?』


「もちろんです。お義父さん」


『蓮のこと頼みましたよ』


「もちろんです。お義母さん」


「待って!?父さんは千変万化のコアなの!?」


『そうだぞ?』


えっ!?それなら、


「マスターコアは!?マスターコアは父さんなのかと思ってたのに」


違ったの?


『蓮、ごめんなさいね。マスターコアは存在しないのよ』


「「えっ!?」」


蒼の声と重なった。


『マスターコアと言うのは、逃がしてくれた異世界の神様の思いみたいなものなのよ』


「神様の思い?」


異世界の神様が何を思うの?


『平和で穏やかな日常を願った神様の思いよ』


平和で穏やかな日常?

ダンジョンがあるのは、平和で穏やかなのかな?


「あー、それで富士山の火山活動のエネルギーを魔力に変換してくれたのか。富士山が噴火したら平和も穏やかも遠いものになるからか?」


蒼の言葉に、なるほど?と思う。


『そういうことね』


確かに富士山が噴火しなくて良かったとは思う。

ダンジョンが存在することにも慣れた。

ダンジョンがあることで、楽しい思いもしてるしね。



『さぁ、2人とも10階層を探索して来なさい』


「わかったわ。父さんも母さんもまたね」


『あぁ、またな』

『えぇ、またね』


2人の姿が消えていった。


まだまだ名残惜しいけれど、近くに母さんも父さんもいるのが、わかっている。

きっと今までより淋しくない。


だから!


さぁ、気分も新たにお肉手に入れようじゃないのよ!


「蒼、10階層はダンジョン牛よ!」


すき焼き、牛カツ、焼肉でしょ?

ビーフシチューは外せないわね。

ローストビーフも食べたいわよね。

ローストビーフ丼とかね?

牛丼も作らなくちゃね。

タンはあるかしら?

牛タンもはずせないわよね?

普通にステーキはなくちゃダメよね。


「また牛肉料理のこと考えてたのか?」

「もちろんよ」


だって、美味しく楽しまなくちゃね!




Fin


お読みいただきありがとうございます!


次回、投稿から少しだけ番外編?にもお付き合いください


もしよければ評価もおねがいしますm(_ _)m

トーヤのテンションがあがります(笑)


感想、誤字脱字報告もありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
更新ありがとうございます&本編完結おめでとうございます! 『マザー』が登場した時は、蓮さんのお母さんの魂がダンジョンのマザーコアに取り込まれる→コピーされた記憶がマザーコアの人格となる、と予想してま…
更新お疲れ様です。 本編完結おめでとうございます! ご両親、まさかの存在でしたね…でもそういう理由が有れば「なるほど死後にこうなるよなぁ」と納得も出来ますね。 ……ん?そうなると蓮さんは地球で唯一の…
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