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四章②


 まともに社会に出てない俺は、やっぱりこれしか道がない。

 岩にかじりついてでも這ってでも、こいつで食っていくしかないんだ。

 だが、それには、このままでは、今のままのやり方じゃいけない。


 俺はパチプロ仲間の通称常勝のゲンさんに、弟子入りして無理を言って、彼の部屋の片隅で住まわせてもらっている。

 雨露は凌げ、メシも食える十分だ。


 これでよかったと思っている。

 俺も沙奈の為にも何度もこれで良かったと反芻しては、自分を納得させている。

 これでいい、当然の結果なのだから。


 そして俺は強くなっている。

 本物のプロと一緒に過ごし、行動を共にすることで、着実にこの世界で生きていく術を身につけている。

 それは間違いない。


 だが、納得した生き方だが、それしかないと分かっているが、ふと、我に返ると虚しさを感じる。

 あの時、ああしていればという、後悔と残惜の念が、ふつふつと沸いてくることもあるが、後ろを振り返ってはいけない。

 自分にそう言い聞かせる。


 そう繰り返し自問自答する中で、俺はある女と出会った。


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