底辺不良中学時代 (6)
一人の男性教諭が、
私の所へ、
やって来た。
学年【副主任】だ。
話はズレるが、
それまでは、
この【主任】という制度は、
学校には無かった。
それまでは、
校長と教頭を除いた、
実際に授業を担当していた教師は、
全員平等だった。
全ての事を、
職員会議で話し合って決め、
皆で協力して、
問題を解決しようとしていた。
それが、
この年に、
突然、【主任】という制度が出来た。
具体的には、
中二の時に、
担任だった海軍出身の社会科教師が、
中三になる時に、
学年【主任】となり、
担任から外れた。
不思議な事に、
私は、
中二の時は1組だったのだけれど、
何故か?
中三に成った時に、
2組となった。
しかも、
中一から中二になった時にはクラス替えが有ったのに、
2組になっても、
メンバーは替わらなかった。
それも、
5クラスも有ったのに、
一つのクラスに、
学年で一番から四番までの成績優秀者が居るアンバランスさ。
だから、
『学年で一桁なのに、クラスで五番』という珍現象が。
ただ、
【主任】という制度が、
急遽、採用されたので、
実際の学校運営は、
それまで通りだった様だ。
この後、
中三の三学期になると、
ほとんど授業が行われず、
学校へ行っても、自習ばかりだった。
職員会議が開かれていたのだ。
当時、
私は、
(底辺不良中学だから、
誰か? 生徒が問題を起こして、
その対応に追われているのだろう)
と勝手に思っていた。
自分が問題ばかり起こしていたから。
ちなみに、
中学を卒業してから四十三年後の同窓会で、
情報通の奴に、
この事を尋ねてみた。
「中三の三学期、
ほとんど授業が行われず、
自習ばかりだっただろう。
あの時、
職員会議が開かれていたんだけど、
誰が問題を起こしていたんだ?」
その解答は、
「誰も問題を起こしていない」
だった。
そう言われてみると。
誰かが問題を起こしたのなら、
噂がパーっと広がるか!
あの頃は、
個人情報保護なんて、
教師も含めて誰も知らないし、誰も守らない。
常に、
問題を起こす方の立場だったから、
勘違いしていた。
今考えると、
(『校長よりも上の存在』から、【裏指令】が来ていた)のなら、
時期的にも、ちょうど良い。
その【裏指令】に対して、
教師達の意見が分かれていたので、
年がら年中、職員会議を開いていたのだろう。
たぶん、
反対派が多かった?
まぁ、
日本人の敵達は、
日本の教育を腐らせるために、
【主任】という餌を蒔いた様だ。
ついでに、
その情報通の元同級生に、
これも尋ねてみた。
「トップ高に入って、
隣の附属中出身者から聞いたんだけど、
附属中の教師が、
ホームルームで、
『隣の底辺不良中学の生徒に、金を盗られた人?』って、
やったら、
クラスの全員が手を挙げたのだそうだ。
誰がカツアゲをしていたんだ?
Hか?」
「Hは、
そんな事しねぇよ。
Sじゃないかな?」
Sとは、
『朝鮮人と私 ~ 中学の時に、朝鮮人八人にボコられそうになった事が有ります。もちろん、日本で、です』の第二十話に書いた、
母親を殺されて、
テレビの『ウィークエ○ダー』で放映されてしまった犯罪被害者だ。
話を最初に戻すと。
学年【副主任】が私に言った。
「転校しろ!」




