底辺不良中学時代 (3)
「何故? 自由が奪われたんだ?」
これを言うと、
まだ私が立っている内に、
隣のクラスの列から、
Kが大喜びして、やって来た。
何時ものパターンだ。
Kとは、
『新人類の間では、政治が【流行った】』で書いた、
後に自民党の県会議員に成った男である。
こいつは、
常に陰でコソコソと動き回り、
私に告げ口をして来る。
彼に唆されて他人様を殴った事も。
自民党の政治家と言うと、
『保守・反動』と勘違いしている人が、
おられるかも知れないが、
それは【商売用】。
感覚的には、
今の基準なら、
Kは左翼だろう。
話はズレるが、
この時代の常識では、
右翼は全員プロ。
保守思想は、
ただの【商売道具】だった。
『プロ市民』という言葉を初めて聞いた時、
この常識を転用したのは、
すぐに理解出来た。
本当! 頭が良いよな!
ネトウヨを誘導した人達って。
ついでに、
このKの自民党議員としての政策は、
拉致被害問題の解決が、
ホームページ上では、トップに来る。
実際に、
一回だけ街宣車を出して活動した。
それから十年以上経つが、
何もしていない。
この拉致被害問題を取り扱うメリットだが?
もちろん、
『北朝鮮を使って、
共産主義や労働運動のイメージを悪化させ、
日本人をより貧乏にする』のも、
有る。
でも最大のメリットは、
結局、何の成果が得られなくとも、
全てを北朝鮮のせいに出来るので、
実は何もしていない事が、バレずに済む事だ。
だから、
皆、
北朝鮮!
北朝鮮!
と喚く。
話を戻すと。
Kも、
その学年度になって急に、
服装や髪型が規制されたのは、
不快だったらしい。
また話がズレるが。
そのKは、
バスケット部に所属していた。
そのバスケット部の顧問のI先生は、
完璧な暴力体育教師だった。
その当時の不良連中は、
バスケット部に集まっていたのだけれど、
その不良連中を徹底的な体罰で震え上がらせ、
シゴキ抜いていた。
前述の『Kに唆されて私が殴った他人様』も、
バスケット部員だ。
Kは、
よっぽどI先生が恐かったんだろうね?
その無茶苦茶ヤバいI先生の体育の授業でさえ、
服装は自由だった。
当然、
学校指定の体育着は買ったのだけれど、
誰も着ていなかった。
だから、
部活とか体育とか、
スポーツをする時には、
皆、
思い思いの格好をしていた。
私は、
剣道部に所属していたんだけど、
「剣道部は、
何部だか判らない!」
と、
言われた事が有る。
剣道の道着で走り回るわけには行かないので、
その時の気分次第で、
サッカーのファッションを取り入れてみたり、
バスケットで統一したりしていた。
剣道部は、
全員、こんな感じだった。
話を戻すと。
Kもさぁ。
不満が有るなら、
私に代弁させないで、
キチンと挙手して生徒総会で発言すれば良いのに。
そんなにI先生が恐いのか?
このレベルのKが、
もう政治家を三十年以上やっているのだから、
自民党の人材不足は深刻だ。
その時、
私の目の前で、
予想外の事が起きた。




