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【共通一次試験】 (1)

 医学生だった頃、

大学の廊下を歩いていると、

T大名誉教授が話かけて来た。

『何故? 日本政府のコロナウィルス対策は杜撰なのか?』の第一話に書いた

医学部の定員削減を教えてくれた人だ。


 「新聞部の代表になったんだって?」


 (名前を貸しただけです)とは、言えないので、

「先生、寄稿して下さいよ」

「否、

私は文章を書くのは苦手だから。

理系の人は、

皆、そうだと思うよ。

そう言う意味では、

今度の大学入試改革は良かったと思っている」

私も、

その考えには同感だった。


 そのT大名誉教授が言っていた事は、

具体的には、

【共通一次試験】の実施の話である。


 その【共通一次試験】は、

発表と同時に、

マスコミに徹底的に叩かれたので、

そのT大名誉教授は、

【共通一次試験】を擁護したのだ。


 さて、

その【共通一次試験】だが、

当時の自民党の説明では、


1 学力試験は、

一次試験だけにする。

そして、

コンピュータ採点のマークシート方式を開始する。


2 二次試験は、

【小論文】と【面接】だけにし、

または、

実技試験を行う。


 この実技試験とは、

体育だったら、

バレーボールをやらせるとか、

音楽だったら、

ピアノを弾かせるとか、

美術なら、

絵を描かせるとか、

ペーパーテスト以外を指す。


 マスコミは、

『従来のT大入試をモデルにした』と、

【偽情報】を流していたけど。

どう考えても、

就職試験だろ!

これじゃあ。

公務員試験をパクったのはミエミエだった。


 ちなみに、

それまでのT大入試は、


1 一次試験。

数学や理科の計算問題を、

計算結果だけ書かせ、

他は、

選択問題。

要は、

短時間に採点するのが目的。

英数国理社五教科全部。

ただ、

理科と社会の詳しい事は、

覚えていない。

受験した事が無いので。


 

 足切りに使われた。


 まっ、

コンピュータ採点と人力勝負の違いは有れど、

テストを受ける側からすれば、

似ている。


2 二次試験。

 現在とほぼ一緒。

ただ、理科だけは、配点が変わったりする。

文系だったら、

英数国社の記述・論述式。

理系だったら、

英数国理の記述・論述式。


 二次試験の成績だけで、

合否が判定された。


 どこがモデルなんだ?


 【小論文】と【面接】なんて、

無ぇじゃねぇか!


 そもそも、

【小論文】って、一体? 何?

【小論文】という言葉は、

この時、始めて聞いた。

それまでは無かった【小論文】なるものを創り出し、

『明確な基準』や『過去の運用実績』が無い事を利用して、

不正入試を行うのが、

目的なんだろうけど。

ねぇ! 日本人の敵達って、無茶苦茶頭が良いでしょ!


 でも、

マスコミは、

これを批判しなかった。

それどころか、

『日本人の文章力が低下している』と【偽情報】を流し、

『この【小論文】を大学入試に導入すれば、

日本人の文章力は向上する』と、

していた。


 それに騙された。


 私も、T大名誉教授も。


 自分の書く文章が下手くそだったので、

(大学入試で、

一生懸命努力すれば、

上手くなるかな?)

くらいに思っていた。



 



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