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291、転移魔方陣設置

 仕方なく玄関を開けるとドヤドヤと人が入ってきて荷物を運び込んできた。


引越屋さん(?)と言う感じの人達が現れ次々に家具を運び込む。



ええっっと……これはなんでしょう?


 最後にラファエルとバーン先生が入ってきた。


 固まる私とアレス。


「家具はお母様が張り切って選びました!!」

ラファエルが自慢げに言った。


 はい!?


「ひどいよアレス、ルカレリアにいた時にボクに全然会いに来てくれないなんて……30年以上経っててもボク達"親友"だよね? 結婚式の直前に君の事教えてもらったんだよ! ボクがルカレリアにいるのをもしかして知らなかった?」

バーン先生(フェル)が悲しそうに言った。


「あ、ああフェル……遠目から君を見かけたけど君だって確証がなくて……話しかけ辛いかった。ごめん」

 アレスがしどろもどろに答える。


「ああ、ボクちょっと年を取って変わっちゃったからね! アレスは30年前と変わらず美しいね……さすがボクとニーナの『初恋の人』って感じだ! ニーナにも手紙で知らせたから近日中に来ると思うよ」


『初恋の人』って言っちゃったよ。

そうだったのか……そうかもしれないと思ったがやっぱりね。


 でもアレスは友達と思っていたから知りたくない事実だったのでは……?


「……ニーナとも会えるのが楽しみだよ」

アレスが喜びの言葉を言ったがちょっとショックを受けているらしい。

フェルがそっちの人だとは思いもしなかったのだろう。


「ボクは二人にプレゼントがあるんだ! 早速、地下室に設置してくるね」

フェル(バーン先生)が嬉しそうに階段を下りていった。


設置ってなに?


 それよりもフェンリルさんの物凄いスピードでルカレリアからエターナルまで来たはずなのに何故普通にラファエルもバーン先生もいるのか?

追って来たにしても早すぎる!!

おかしいよ!?


「あら、かわいいおうちね」


「報告には聞いていたがまあまあだな……」


 玄関からまた誰か入ってきた。


そこにはマルタとロイドが立っていた。


ええ!!!!!?


これは結構ビックリした!


マルタとロイド!!


いや、お父様とお母様ですけどね。


 結婚式場で満面の笑みで手を振って送り出してくれた筈の二人がいた。


しかも執事とメイドの懐かしのコスプレで……



「お父様……なに? その格好……髪も短い……?」

私が動揺しまくりで聞いた。


「ああ、王様の格好で来ると目立つだろう? 変装だ。髪はリリアが長いのが嫌だと言ったからちょっと前から付け毛にしていた。お母様にも短い髪は好評だったからルカレリアで短い髪を流行らせるのもいいかもしれない……」


 その執事の格好でも十分目立ちますよ!!


「リリア、お母様はリリアのおうちをコーディネートしに来たの。あ、そこは先に絨毯敷いてください」


 お母様は家具を運んでる人たちに指示を出し始めた。


「アレス」


お父様がアレスを呼んだ。


「は、はい!


「結婚式の最後の余興はなかなか良かったぞ、ルカレリア上空にフェンリルが走っていたと言う目撃が多くて縁起が良いと評判だった」



いや、余興でやったんじゃ無いと思うよ。


「いいなー、俺もここに住もうかな……」

ラファエルが部屋を見てきてから言った。


「ラファエル……それはやめておいてやれ……」


 お父様が嗜めた。

えらい! お父様!

ほっといたらラファエルは本当に住みつきそうだ!


「ラファエルは住むなら隣のルカレリア滞在員の家か、向かいのルカレリア迷宮調査団の詰所のどちらかにしなさい」


なぬ!? 今なんて言った?

隣がルカレリア滞在員家で、向かいがルカレリア迷宮調査団詰所!?


これにはアレスも驚いたようだ。

「調査団の詰所は東地区のはずだ……」


「人数が増えたから引っ越したんだ。向かいにちょうど良い建物があって良かった」

お父様が微笑む。


「近すぎます!」

アレスがキッパリ言った。


「心配するな、たまに手伝いに来るだけだ。お前が迷宮に潜っている間リリアを一人にする気か?」


「そ、それは……」


 すると地下室から何やら作業を終えたフェル(バーン先生)が戻ってきた。


「陛下来てたんですね。転移魔方陣設置しました。」


「ありがとうバーン先生」


かつての師弟だ。

なんか複雑。


「転移魔方陣……? 失われた技術の筈……完成したのか?」

アレスがフェルに言った。


「うん、陛下と共同研究して完成したんだ。この家の地下室とリリア様のルカレリアの部屋を繋いだよ」


マジ? 私の部屋と繋いだの?

まあ屍兵を作る研究よりよっぽど良い仕事をしたんだね。フェル。


あれ? みんながここに来たのって? まさか……


「隣の滞在員の家にも転移魔方陣があるよ。皆はそこを通って来たんだ。リリアは着替えておいでよ」

ラファエルが私の手を掴み、地下室の魔方陣へ、あっという間にルカレリアの自室に戻った。


自室に戻るとサクラコを始めとするメイドさんがズラリとならんで


「おかえりなさいませ、リリア様!」


そしてドレスを脱いでお着替えをした後に、エターナルの新居に戻った。


結婚したのにお姫様生活が出来てしまう!?


私って甘やかされてるよ。


















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