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106、アレスの性格は良いに決まってます!!

 するとフェルはスライムでプルプルしながら言った。


「本気じゃないよ~あくまでマルタちゃんをヴァリアルの妾にさせないための方便だよ。自分が結婚するからほかの人にはあげられませんって言うしかないじゃない~? 子供を差し出すってのも方便だよ~」


と言うフェルさんの結論です。


 ホントかな?


「だって~きょうだいで結婚しないもん」


フェルの考えはそこから動かないか~。

その常識は、はずせないらしい。



 でもフェルが言うならそうなのかな~? そんな気もしてくるか~?

私にはあの二人はお互い好き同士に見えるけどな~?


 だって普通、大人の姉弟であんなにボディタッチしないよ。たぶん。


きょうだい愛なのか……?


 まあフェルがそう言うならいいや。

フェルのピュアな心を傷つけたくない。

私が間違っております。と言うことで丸く収めましょう。



「……で、マルタの病気って? 知ってる? 治す方法フェルなら分かる?」


「マルタちゃんは『病気』って言ったんだね」


「病気じゃないの?」


「うーん、そうだねぇ。本人が言いたくないのにボクが言えないな~。そして病気やケガじゃないし、ボクには治せるものではないよ」


 またプルプルプルンスライムが揺れる。スライム、おとなしくしていてくれ。

 でも私も乗ってみたい。



「そうか。マルタの役にはたてないか……。何か方法があればいいと思ったのに……」


 あ、! あるよ。あったかも!?


「フェル、妖精、妖精は!? あれだったら助けられる?」


 私は首から下げている妖精の小瓶を出した。

フェルは小瓶を受け取り見つめる。


「………」    プルプル……


 フェルは妖精をアレス復活に使える可能性を考えていて、私に捕まえさせてくれたのだ。

 マルタに使うのは反対かもしれない?

妖精は一匹だし、願いも1回だけ。

確かに使うのは躊躇う、マルタも助けたいし、アレスを復活もさせたい。


「答えはすぐ出せないね。でも可能性はあるよ。妖精はまだ育てた方がいいね。」


 そう言って妖精の小瓶を私に渡してきた。


 妖精さんのパワーはまだ足りないっぽい。

私は妖精の小瓶をまた首から下げて服で隠した。


私に出来ることは、とりあえず妖精を育てる事か……


それには私が幸せをたっぷり感じなければ……


私の幸せは……


 アレスを見る。屍戦士の格好のアレス。

これだけでも萌えられるけど、やっぱり……


「アレス、仮面取って顔を見せて……」

照れる。前から言いたくても言えなかったお願いだ。


アレスは無言のまま仮面をはずした。


生アレスの生顔を拝ませていただきます!!


おお、神々しい!


ああ、やっぱりこの顔を間近で見られて幸せ……。


アレスの顔にうっとりしていると……


プルプル、ぴょーん


フェルがスライムからジャンプして隣に来た。


 私の他にもアレスの顔に惹き付けられた人がいた!


「わ~アレス格好いい~! やっぱり生顔が良いよね!」

私と同じようなことを……

フェルがアレスにスリスリし始めた。


 フェルはアレスのメンテの時にアレスをいっぱい見たり触ったりした筈、今は私のアレスだ!


「フェルはこの前ロイドにも抱きつこうとしていたでしょ! 私はアレス一筋なんだから、フェルはロイドにして!」


イジワルだ。

イジワルを言わずにはいられない!

だってこのアレスは"私のアレス"だもん!!

意味不明の理由をつけてアレスの所有権を主張してみた。


「ええ~!? だってボク、アレスがいいんだもん。でもロイくんも好きだよ~小さいときのロイくんとーっても可愛かったの~。今のロイくんはちょっとアレスに似ているね~」


アレスに似ているーーーーーーーーーーーーー!?


とんでもない事を言い出したーーーーーーーー!!


ど·こ·が·!?


絶対に似てない!


私のアレスと、ロイドじゃかすりもしない!!


「フェルの目は節穴ー! アレスの方が100倍かっこいいよ!」


いや100倍どころか1000倍!? 一万倍!!


あ、でも私、もともとのアレスの性格知らないな。

夢の中の少年アレスはとってもいい感じでしたよ。


まさか本当のアレスがロイドのようにキツイ筈はないけど、似てるってどの辺が?


















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