プロットを作る
プロット(plot)。
物語の設計図、骨組み。
ストーリーに「一貫性」を持たせるための地図。
物語の起承転結を先に決めてしまう手法。
起は「導入」、承は「展開」、転は「転機」、結は「結末」を意味する。
別に、この順番だけに従う必要はない。
起承転転結でもいいし、結の後にまた起を繋げ、ループさせてもよい。時系列を変えてもいいし、何をしたって構わない。―― しかし、そういった行為も「土台となる設計図」があってこそ、である。思いつきだけで書いていると、すぐに迷子になる。
世界観やキャラが決まっているのであれば、あとは「歴史の必然性」に任せ、時間を動かせばいい。結末に向かって作られる「ルート設定」。特に、起承転結の「転」などは、時系列どおりの転を見せるのではなく、過去に起こった転機を物語の終盤直前で見せてもかまわない。―― 要するに、読者を驚かすことさえできれば、何でもいいのだから(これは主にミステリーの手法か)。
世界観、人物、結末が揃えば、「テーマ」も決まる。
テーマのある作品は、消費されるだけの単なるエンタメでは終わらない。読者の心にも「何か」を残す。
テーマが決まれば、承と転にも、道筋が見えてくる。
いわゆる「ゴールからの逆算」である。
こうして「大筋」が出来てようやく、物語を書き始められるわけだが、出来れば「作中年表」なども個人資料として作っておきたい。登場人物Aが活躍しているとき、「裏でBは、どのような行動をとっていたのか」などの裏設定が自分の中にあれば、さらに登場人物たちの一貫性や、真実味が増してくるだろう。
これは現在、筆者の作品には存在しない資料である。
あくまでも理想論だから語れる話ではあるが、時間の許されている作家なら、ここまで作り込めば、大半の素人作品には勝てるのではないか、とも考えている。―― もちろん、扱うテーマにもよるが。
別にプロットは「絶対」ではない。
ただ、これがあれば、結末までの「修正」にも柔軟な対応が出来る。
思いつきだけで、毎話書いている筆者は、いつも「地図すらない旅」を続けているようなものである。いつ遭難してもおかしくはない(すでに遭難中か)。




