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【ゲブラ式】小説の書き方 AIとの付き合い方  作者: エンゲブラ


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小説を構成する「パーツ」とは?


さて、構造分解である。

物事は、細分化した方が、自分の弱点も見つけやすくなる。


ということで、今回は小説を構成する「構造物」の細分化をChatGPTにオーダー(……なぜ素直に「オブジェクトの集合体」という言葉を使わないのか?)。


筆者)「小説」は、どういった構造物で構成されていますか。たとえば「文体」「設定」などのように、できるだけ細かくお願いします。


ChatGPT)面白い問いですね。「小説」というものを構造的に捉えるならば、建築物のように多層的な要素の組み合わせで成り立っています。必ずしもすべてが明示的に存在するわけではありませんが、主要な「部材」をできるだけ多く列挙してみます。


<文章レベルの要素>

・文体(語彙、リズム、文の長短、比喩の癖など)

・語り口(一人称/三人称/全知視点/限定視点/日記体など)

・トーン(ユーモラス、荘厳、軽妙、冷徹、感傷的など)

・レトリック(比喩、反復、象徴、言葉遊び)

・リズム(段落の切り方、改行、句読点の配置)


<物語の基盤>

・テーマ(核となる問題意識、問い)

・モチーフ(繰り返し現れる象徴的な要素)

・設定(時代、場所、世界観、歴史背景)

・ジャンル的枠組み(恋愛、ファンタジー、SF、推理、ホラーなど)

・物語世界のルール(魔法体系、社会制度、因果律など)


<構造>

・プロット(筋立て)

・起承転結、序破急、三幕構成など

・エピソード(章や場面ごとの小さな物語)

・伏線と回収

・時間構造(直線的、倒叙、環状、断片的)

・語りの層(物語の中に語り手が存在する/多層的な語り)


<人物関連>

・キャラクター(外見、内面、動機、口調)

・関係性(家族、友情、対立、恋愛)

・成長・変化(主人公の内的/外的な変化)

・アーキタイプ(英雄、賢者、道化、影などの役割)


<感覚的要素>

・イメージ(視覚、聴覚、触覚など五感描写)

・象徴性(特定の色や物が思想や感情を表す)

雰囲気アトモスフィア(不安、祝祭、荒涼、温かみ)


<読者との関係>

・没入感(読者が「物語世界にいる」と錯覚する力)

・アイロニー/距離感(読者に皮肉な視点や二重の解釈を与える)

・共感/反感の設計

・期待と裏切り(予想の操作)


<技術的な側面>

・タイトル(作品全体の要約・暗示)

・章・節の構成

・視点操作(誰の目を通すか、切り替えの仕方)

・メタ構造(物語が物語について語る構造、作中作)

・言外の余白(描かないことで読者に想像させる)


つまり、小説は「言葉の肌触り」から「世界の骨格」「登場人物の肉付け」「読者との心理的な駆け引き」まで、層の重なりでできています。



―― さて、これだけ並べられると、頭がいっぱいになり、どこから手を付けてよいのかも分からなくなる。この場合、まずやるべきは「自分の好きな人気作品」等をこれらの要素ごとに腑分ふわけしてみる、あたりか。分かりやすい例をChatGPTに挙げさせてみよう(スキルアップのためなら、自分でやるべきことだが……)。



筆者)試しに『転生したらスライムだった件』をこれらに腑分けすることはできますか?


ChatGPT)良いですね。「転スラ」を実際に「腑分け」してみると、小説構造の部材がどう活きているかが立体的に見えてきます。ざっくり整理してみますね。


<文章レベル>

・文体:比較的平易で読みやすい。口語的で、地の文にユーモアや現代的ツッコミが入る。

・語り口:基本は三人称だが、主人公リムルの内心モノローグが一人称的に割り込む。

・トーン:軽妙で親しみやすい。緊張と緩和のバランス。

・レトリック:比喩よりも説明が多め。ユーモラスな言い回しや現代文化の引用。

・リズム:会話文が多く、読みやすくテンポが速い。


<物語の基盤>

・テーマ:「弱い存在からの成長」「共存と秩序の創出」「人間社会の縮図としての異世界」

・モチーフ:スライム、進化、コミュニティ形成、仲間との絆

・設定:剣と魔法の異世界。人種多様、国家間の抗争、魔物社会の空白。

・ジャンル的枠組み:異世界転生 × ファンタジー × バトル × 内政/国家経営

・物語世界のルール:スキル体系(固有スキル・ユニークスキル・究極能力)、進化システム、魔素・魔法の存在


<構造>

・プロット:

 序盤:スライムとして目覚め → 生存 → 仲間獲得

 中盤:ゴブリン・牙狼 → 村の発展 → 国家建設 → 強敵との戦闘

 後半:大国や魔王との対峙 → 世界規模の戦いへ

・エピソード:各章ごとに「新たな出会い・仲間化」「戦闘と成長」「共同体拡大」のサイクル

・伏線と回収:「捕食者」「大賢者」「転生者同士の関わり」「世界の管理者」

・時間構造:直線的。過去回想は挿入されるが、基本は順次進行。

・語りの層:現世→異世界への転生という二層。リムルの前世記憶が解説役。


<人物関連>


・キャラクター

 主人公:リムル(好人物、平和志向、ユーモラス)

 仲間:ゴブタ(ギャグ)、シオン(豪快)、ベニマル(忠臣)、シズ(象徴的存在)

 敵:魔王、国家の支配者、転生者など

・関係性:支配者でありながら対等な信頼関係を築く「盟主」的立場

・成長・変化:弱小スライム → 指導者 → 魔王 → 世界秩序の形成者

・アーキタイプ:英雄リムル、賢者(大賢者)、道化ゴブタ、影(敵対者)


<感覚的要素>

・イメージ:スライムの柔らかさ、光る魔法、集団戦闘のスケール感

・象徴性:スライム=最弱から最強へ/共同体の理想モデル

・雰囲気:基本は明るい冒険譚、時にシリアスで残酷さもある


<読者との関係>

・没入感:スキル説明の細かさでゲーム的リアリティ → 読者の理解と快感

・アイロニー/距離感:現代人の常識で異世界を相対化(ツッコミが「読者代理」)

・共感/反感:仲間思いの姿勢に共感、圧倒的な強さがカタルシス

・期待と裏切り:弱小から大成長という「期待通り」+ギャグや展開の軽妙さで「裏切り」


<技術的な側面>

・タイトル:「転生したらスライムだった件」=軽妙なフック。状況説明とユーモアを兼ねる。

・章・節の構成:Web連載形式 → 小さな達成感の積み重ね → 書籍化で整理

・視点操作:リムル中心だが、他キャラ視点の章もあり、群像劇性を補強

・メタ構造:ゲーム的システムを説明 → 読者の「攻略感覚」を刺激

・言外の余白:スキルの奥行きや世界の成り立ちは段階的に明かされる


まとめると「転スラ」は、ゲーム的システムを骨格に、異世界転生の親しみやすさを外装にし、国家建設や共同体形成という中盤構造を柱に据えた作品、と言えます。



これらを踏まえ、自分の作品のバランスを分析する。

何が欠けているのかも、一目瞭然となるだろう。

そもそも、パーツ自体が存在しない場合だってあるはずだ。なんぜ、ド素人が組み上げている建造物なのだから。


トイレ(※カタルシス)のない建物とか、マジでシャレにもならない(苦笑)。

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